05/01/08〜01/09 山頭火の所縁を尋ねて

 禁煙 3ヶ月達成の自分へのご褒美?にと、遠出のサイクリングを計画しました。

◆大雑把な計画
 8日、山口まで輪行。山頭火所縁の湯田温泉、小郡町の其中庵(復元)を尋ね、防府まで移動し一泊。
 9日は、山頭火の生家跡等を巡り、山陽道を宮島経由で広島まで移動し、広島から輪行で帰宅。

◆今回のお楽しみ
 ○山頭火が、放浪の生活から初めて庵を結んだ小郡の町の散策
 ○山頭火の生れ故郷・防府の街の散策
 ○宮島で焼き牡蠣を食す。
 ○広島市内で広島風お好み焼を食す。
 ○広島駅前のデパートで、蕎麦の世界では超有名な高橋邦弘さんが打つ蕎麦を食す。
 と言うように、前半は山頭火、後半は食の旅です。

◆1日目(8日)◆

◆6回乗り継ぎ
 今回の移動は、JRの青春18切符(詳しくは下記 を)を利用しました。
 珍しく早めに起床し、5時54分発の電車に乗車し、乗り継ぐこと6回(高槻、姫路、岡山、福山、徳山、新山口)で、山口を目指します。

◆乗り継ぎ
 どの駅でも乗り継ぎ時間は4〜5分、階段の登り降りをしての乗換えで荷物(自転車)を持っての移動にはキツイものでした。
 姫路駅では、電車の遅れで乗り継ぎ電車の発車時刻を過ぎての到着「乗り継ぎの方は急いでください」とアナウンスされても階段を降りて登ってフーフーで滑 り込みました。

 車内は、同じような18切符利用者らしい若者、親子連れ、老壮年のグループ等で賑わっています。大きな荷物を持つ私は、中々うまく席が取れずに立つこと もありました。

◆山口線
 新山口(昔は小郡と言っていましたが)駅からの山口線は、SLを走らせることで有名ですが、単線、未電化、1輌編成ワンマンカーと言うのんびりした路線 です。
 殆どの客は、山口の手前の湯田温泉で下車。

◆8時間58分
 早朝に最寄駅を乗車してから8時間58分後の14時52分に山口駅に到着しました。本当に長い旅でした。
 未だ暗いホームから乗車、電飾がついていた明石海峡大橋、姫路駅では階段に自転車をぶつけ、海岸沿いに走る山陽線、、、

◆湯田温泉
 山口駅からr204を湯田温泉に向かいます。温泉街は風情なし。近くの公園に足湯が有り足を侵けている人がい ます。
 維新百年公園近くのファミリーレストランで遅目の昼食。

◆其中庵
 r204がR9と合流し、小郡市街に入ってから、其中庵を探すがすぐには分からずウロウロと迷ってしまう。
 市街から少し離れた高台に其中庵はあった。縁側も玄関も障子は閉まっているが鍵は掛かっておらず、声を掛けて玄関の土間に入る。

 屋内はガランとしていて土間と二間しか無い質素なもの。山頭火の「其中日記」には虫やムカデが出てくると書いてあったが、そんな湿っぽい雰囲気はな い。
 縁側の障子を明けて腰を掛けてみる。近くの民家の屋根が邪魔をして、夕暮れ近い小郡の町が一望とは行きませんが、柿の木を見上げていると山頭火の目線で す。
 近所の子供の遊ぶ声がする。時計は17時をまわっており、急がないとナイトラントなる。

◆山陽道
 其中庵から坂道を下り、防府方面に出るのにまた迷ってしまいます。
 薄暮のR2を追い風を受けて快走、時刻も遅く鋳銭司や大村益次郎の墓等には立ち寄らずに防府に向かう。
 18時前にビジネスホテルにチェックイン。近くの居酒屋でゆっくりと夕食。お酒はあまり進みません。
 思っていた以上に疲れている。移動の距離と移動の時間は疲労に比例するんでしょうか?年末からの体調不良を引きずっているようで、21時過ぎに就寝。

◆2日目(9日)◆

◆倦怠感
 疲れが取れず、7時過ぎに起床。天気予報は晴れ、気温低し。
 今日は広島まで走る予定であったが、軟弱にも予定を変更します。防府市内をゆっくりと散策し宮島まで輪行、その後広島までラン。

◆山頭火の小径
  ホテルで朝食をすませ8時過ぎに出発、みぞれ交じりの雨が降っています。雨の中をまずは護国寺にあるという山頭火の墓所を尋ねる。松山の一 草庵で没した山頭火は篤志の手で生れ故郷の防府に眠っているのです。

 生家跡には、屋根付きの句碑が建てられている。”生れた家はあとかたもない ほうたる”山頭火
 生家跡付近の路地裏が山頭火の小径と名づけられて散策の道となっている。民家の軒に句が掛けられている。

 山頭火の生家は「大種田」と呼ばれる酒造を営む富豪だったようで、往時はこの辺り殆どが種田家の土地だったのでしょう。

◆防府天満宮
 山頭火の小径を抜けると天満宮の参道。
 石段の下に自転車を置いて、天満宮にお参りする。境内では雪のちらつく中、屋台の準備中です。
 大きな神社で、朝から参詣の人もそこかしこにおられます。

◆周防国分寺
 山門と本堂は立派なのに、他はなにも無い国分寺。土塀も上塗りが剥げ落ちて地の壁土が剥き出し。
 荒れていたのを、近年どなたが復興されているのでしょう。
 山門付近で、掃き掃除をする人と言葉を交わし本堂にお参りする。

◆毛利邸
 井上馨が旧長州藩主の毛利氏の本居にと、大正年間に作ったと入園料(400円)の半券に書かれていました。
 防府市内を見下ろす高台に広大な庭園を持つ大きなお屋敷です。
 毛利邸(毛利博物館)の公式ホームページhttp://www.c-able.ne.jp/~mouri-m/info/

◆防府駅
 毛利邸から一気に下って防府駅に。駅前には山頭火の立像がある。駅前交番の前にちょこんと小さく立っています。
 10時27分発に乗車し、宮島に向かう。

◆宮島
 宮島口までの車内は、大勢の人で一杯。私は自転車と共に立ったまま。岩国で乗り継ぎ12時33分宮島口着。
 宮島へのJRの渡船は、青春18切符で乗船できるが、自転車の持ちこみは片道100円が必要とのこと。10分程で宮島着。
 厳島神社の参道の土産物やの店先で焼き牡蠣を食べる。一皿(2個)500円也、ワンカップの賀茂鶴(420円)を飲むともう一皿を注文。味は良いが、値 段が少々高いが観光 地ではしようがないでしょう。

◆原付・自転車専用レーン
 R2宮島口を14時過ぎに出発。一路広島市内へ。向い風強し。
 広島市内の道路の路側には「原付・自転車通行」レーンが設けられています。中々走り良いのですが、交差点近くなどには右折レーンを作るため、何時の間に か消えています。

 R2から、平和大通りを走り迷いながらも広島駅前の福屋デパートに到着。有料(100円)の駐輪場に自転車を預けて8Fの催事場へ。

◆達磨の蕎麦
 東京で翁と言う蕎麦屋をやっていた高橋邦弘さんは、より良い環境へと山梨に移られたのですが、もっと良い場所と言うことで山梨の店を弟子に譲り、自分は 広島県の山間部に移られて本格的な営業準備中(現在は土日のみ営業)とのことです。その高橋さんが、百貨店の催事に出店されているとの情報を得ての訪問で す。達磨の情報はこちら。

 20席ほどの仮設の店舗メニューはざる蕎麦(735円)のみ。蕎麦つゆが少なめでしたが、美味しい蕎麦でした。なる程の味でした。

◆お好み焼きソース
 広島には「広島風お好み焼き」と言う美味しい食べ物があります。
 で、それに使うソースも多種あります。
 有名なのはおたふく、ぢゃけん、カープ、、
 お土産に何種類か百貨店の食品売り場で購入しました。各社とも業務用が主で家庭用は広島以外では買い難い状態です。

◆広島風お好み焼き
 広島駅で、自転車をたたみ駅ビル内のお好み焼き屋へ。
 10店ほどのお好み焼き屋が並ぶ、麗ちゃんという店に座る。ここではメニューの番号で注文する。私の注文は「7蕃そば」、豚玉そば入りお好み焼き (680円)のことです。

 うすい生地の上にキャベツを並べ、豚肉をのせて焼き、ほぼ焼きあがったところで麺(ラーメンの麺風)を湯掻き、炒めたそばの上にお好み焼をのせてできあ がり。
 ビールに良く合い美味しかったです。

◆途中下車
 お腹も膨れて、帰途につくこととします。
 16時52分発に乗車。岡山で1時間近くも待ち時間があり、改札を出て立飲みのおでんを食べて時間をつぶす。

◆6時間34分
 23時26分自宅・最寄駅に到着。6時間34分の旅でした。

◆まとめ風に
 今回の走行距離:8日40Km、9日42Kmでした。因みに電車での移動距離は1015Kmでした。
 軟弱なサイクリングでした。次回は体調を戻してもう少しがんばりましょう。
 何度も、新幹線へのエスケープの衝動に駆られました。「青春18切符」の「青春」の意味が良くわかる旅でした。
 次回からは、もう少し短い距離での移動に利用したいと思います。

◆ 青春18切符
 
切符は、5回(日或いは人)分が11500円で 年3回販売されています。
 「青春」との名称ですが利用に年齢制限はありません。
 利用できる電車は、原則的にJR全線の普通列車(快速を含む)のみです。
 今回のチケットは、チ ケットショップで残り2回分を6600円で購入しました。5回分をJRの窓口で買うと 11500円(1回:2300円)で少々割高ですが利用期間が1月20日までなのでこう言う選択をしました。
 青春18切符について詳しく書かれているWebページがあります。「青春18きっぷさかなのぺーじ」http://www2s.biglobe.ne.jp/~sakana/

◆達磨 雪花山房
 〒731-1713広島県山県郡豊平町長笹636-1 URL:http://www.okinadaruma.net
 土日祝営業ですが、事前に電話をとのことです。
 Tel.0826-83-1116(店)、83-1945(宅)

◆スナップを下記にアップしました。 http://album.nikon-image.com/nk/NAlbumPage.asp?un=87926&key=499628&m=0


<後日記>
 山頭火の墓は「
松山の一 草庵で没した山頭火は篤志の手で生れ故郷の防府に眠っているのです」と書きましたが、息子・健氏によって亡骸は故郷の護国寺裏の共同墓地に葬られたそうで す。その後生誕百年目の82年(昭和57年)5月に護国寺に移設され墓碑が建てられたとのことです。訂正します。
 詳細は、防府日報の記事をご覧ください。http://www.hofu.co.jp/colum/colum.cgi?ac=view&p=539
(05/01/14)
スナップをこちらにアップしました。ご覧ください。
車窓からの安芸灘

湯田温泉の足湯

其中庵

其中庵内部

其中庵から小郡市街

夕刻の周防灘

山頭火の墓

山頭火の生家跡

山頭火の小径

雪の舞う防府天満宮

周防国分寺の山門

周防国分寺の本堂


周防国分寺の土塀

毛利邸


防府駅前の山頭火像

厳島神社鳥居
対岸右側は昔のクライアントの本殿

焼き牡蠣

達磨の蕎麦

青春18切符


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