寒さ
や所用を理由にして3週間ぶりのサイクリングです。今回は「残日録」でとりあげた水上勉さんの「しがらき物語」の所縁の大戸川(だいどがわ)、信楽川、信
楽の街を散策してきました。
相変わらず遅めの出発で、自宅から自走
の予定を変更して石山まで輪行とします。JR石山駅前を9時40分出発。
瀬田の唐橋を渡り、建部神社前から大戸川沿いのr16の登りを楽しみ?ながら走ります。
明治44年建設と言う煉瓦作りの奇麗な大戸川発電所が対岸に現れます。立ち寄って写真を一枚。
甲賀市との市界あたりの表示では12℃、春先のような暖かさです。手袋を脱いで走る。背中には汗がにじむ。
ドンドン山深くなって来ます。大戸川発電所に水を供給する大戸ダムは小さくて可愛いものです。
道路のあちこちに大戸川ダム建設の看板と、随分上に新しい道路ができつつある。新しく大きな(新)大戸川ダムができるそうです。その工事のためのダンプ
でしょうか大型のダンプが良く通ります。
r16を避けて旧道に入ると大鳥居発電所。R307手前の黄瀬の集落は「しがらき物語」の主人公・弥八が陶土掘りの人夫をしていたところです。掘建て小
屋で暮らしていたとのことです。
R307に出てすぐに「十割蕎麦」の看板があり立ち寄る。夢創庵と称して50代の夫婦らしき人がやっている。もり蕎麦(800円)を注文する。「並で良
いですか?」と繰り返し聞かれるが初めての店では並しかあり得ないと思いますが。
出てきたのは写真のような奇麗な細麺です。薬味は山葵、大根おろしと青ネギのきざみ、つゆが少し甘すぎましたが、麺は中々でした。
蕎麦にかかっているきざみ海苔は不要かと思いました。場所にしてはしっかりとした価格設定にしては、もう一息の感じがしました。
弘法大師ゆかりという玉桂寺に立ち寄り信楽町の中心の長野地区の街中をくるくると回って、平右衛門窯があった神山地区に向かう。
神山地区の中では、下出集落の山に張り付くように平右衛門窯はあったと言う。この辺りからは笹ヶ岳が良く見える。
笹ヶ岳の中腹にある鶏鳴の滝があるので、l登っ
てみることにする。
r334の途中から、滝へのキツイ登りを走ると駐車場があり、徒歩125m(と案内板に書いてありました)で滝に到着。
大したことは無いだろうと思って登ってきたが、鬱蒼とした木立の中で水量も多く近づくと霧状の飛沫で飛び交う立派な滝でした。
飛沫を浴びていると何か元気を得られそうな気になります。帰りに駐車場にいた人に
「凍っていましたか?」と聞かれました。普通の年には、全面では無いが氷結するするそうです。
神山まで下り、R422からR307(R422共用部分)をなるべく旧道を走る。この辺り結構堪える登りです。
R307からR422に分岐してからも、旧道を選って走る。苔むして落石だらけの部分や現在も生活道として使われている道もある。
弥八が、母との唯一の思い出の信楽川、陶土を京都まで運んだ道、平右衛門が弥八に陶工にならないかと声を掛けた道、平右衛門の亡骸を平右衛門の養女・小
夜、ヒデシ・紺とリヤカーに乗せて帰った道、師匠の死後初めて焼いた壺を持って京都まで急いだ道、死に場所として選んだ信楽川の河原。
そんなこんなを思い出しながら、ゆっくりゆっくりと走りました。
前回走って工事中だったところは、相変
わらずの工事中で狭い旧道を大きなダンプが行き来しまています。
宮尻の集落の近くで、切り通しの上のほうがガサガサと音がすると思って見上げると十頭ほどの猿の群れです。
見ているうちに道路に下りてきて、側溝に落ちているものを拾って食べています。赤ちゃんを胸にしっかり抱きしめた母猿もいます。チラチラと睨まれて恐く
て近づけません。車も通らず遠回りをしてパスしました。
14時をまわり陽の当らない山陰にはいると流石に寒くなってくるが、陽あたりに出ると暖かい。
瀬田川沿いに石山にでて、なお湖岸を浜大津まで走る。JR大津に15時30分着。駅売店のビールで一人お疲れ様。
今日のサイクリングはここまでとする。何とも軟弱なサイクリングでした。JR大津駅から輪行して帰宅。
本日の走行距離:73Km、最高標高:362m(鶏鳴の滝付近)
◆スナップ写真
その他のスナップ写真をこちらにアップしました。ご覧ください。
◆大戸川ダム
大戸川ダムの計画はこちらに詳細が載っていま
す。http://www.kkr.mlit.go.jp/daido/
(05/01/31)
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