05/09/24 京都ポタリング
 2週間ぶりのサイクリングです。

◆引篭りからの脱出
 シルバーウィーク(最近は聞きません)というのでしょうか、秋分の日に続く連休で少し遠目のサイクリングを予定していたのですが、昨朝も今朝も寝覚めが 悪く、早朝の移動ができませんでした。

 昨日は一日をゴロゴロと過ごしてしまい、今日もこのままだと無為に過ごしそうなところを何とか11時出発することができました。

◆京都ポタリング
 目的地は「京都方面」とだけ決めて、地図も輪行バッグも持たずに出発です。

 自宅から京都市内に出るルートは何本かあるのですが、それも決めずにペダルを漕ぎます。
 サントリー山崎蒸留所前から西国街道を東に走り、長岡京市役所前から、西山団地、阪急桂駅前と少々迷走状態です。

◆嵐山
 何とか桂川土手に出て、嵐山に到着。
 相変わらずの人込みです。
 「他に行くとこないんか!」と言いたくなるような人出です。

◆落柿舎(拝観料:200円)
 落柿舎は芭蕉の高弟・向井去来の庵です。
 「柿主や梢はちかきあらし山」去来

 何とか喧騒地帯を一気に抜けたのは良かったのですが、落柿舎への道に迷ってしまい、迷路のような住宅街をウロウロしてやっと辿り着きました。この辺りま では観光客のテリトリーのようです。
 しかし、落柿舎の敷地内には人は殆どおらずに静かな雰囲気でした。

 受付でいただいた「落柿舎」という小冊子にこんな記事がありました。

 [落柿舎制札]
 一、我家の俳諧に遊ぶべし
   世の理窟を謂ふべからず
 一、雑魚寝には心得あるべし
   大鼾をかくべからず
 一、朝夕かたく精進を思ふべし
   魚鳥を忌むにはあらず
 一、速に灰吹きを棄つべし
   煙草を嫌ふにはあらず
 一、隣の据膳をまつべし
   火の用心にはあらず
   右條々
  俳諧奉行 向井去来

 山頭火の其中庵に書かれていた「たずねてくださる方に」の張り紙を思い出しました。
 其中庵等については「残日録050130」 をご覧ください。
  
 敷地内にある子規の句碑に「凡そ天下に去来ほど小さき墓に詣りけり」に誘われて近くの墓地にある去来の墓に詣でました。

◆京都のサイクリスト
 広沢の池までくると、嵐山のあの騒ぎが嘘のように静かです。
 次はどこに行こうかと思案の末、河井寛次郎記念館に行くことにします。
 
東山五条の寛次郎記念館へは、京都市街を南西に横断しなければなりません。

 広沢の池前から南に下がり、丸太町通りを東に走ります。

 京都は学生や外国人が多く、サイクリストも多い街です。にもかかわらず彼らのマナーは今一です。
 信号無視、右側走行、蛇行と何でもありでした。

◆一澤帆布
 京都御所を過ぎ、鴨川を渡り、丸太町の交差点を右折し東山通りを南下します。

 バッグなどの布製品を製造・販売している一澤帆布に立寄ろうかと思っていたのですが、店の前には3〜40人の行列があります。
 お店に入って、品物を見るだけに店の前に並ぶとは一体全体どうしたことでしょう。

 どんなブームか知りませんが、あんなに客が入れば品切れになるか、商品が粗悪になるかしかありません。
 昔は大工さんが道具を入れたり、氷屋さんが氷を運んだりしていたものです。
 悲しい現象です。

◆河井寛次郎記念館(入館料:900円)

 東山通りの賑わいは一澤帆布だけではありません。
 清水寺界隈も大勢の人でごった返しています。
 東山五条の交差点からすぐに河井寛次郎記念館です。

 ここも、外の喧騒を忘れたような空間です。来館者は4組・7〜8人ほど、二階の書斎でゆっくりとさせていただきました。

 書斎の床の間?にあった文章が気になり写真に撮りました。
 ※版画かと思いましたが「拓本摺」というものだそうです。
  「墨に陶土を加え、板に書いたものを拓本として摺ったもの」(河井寛次郎記念館入館パンフより)

 仕事が仕事をしています
 仕事は毎日元気です
 出来ない事のない仕事
 どんな事でも仕事はします
 いやな事でも進んでします
 進む事しか知らない仕事
 びっくりする程力出す
 知らない事のない仕事
 聞けば何でも教えます
 頼めば何でも果たします
 仕事の一番すきなのは
 苦しむ事がすきなのだ
 苦しいことは仕事にまかせ
 さあさ吾等は楽しみましょう

 と書いてあります。
 凄い文章です。寛次郎さんが益々好きになりました。

 河井寛次郎さんとも互いに影響しあった民藝運動の活動家の濱田庄司さんとその子息晋作さん、孫の友緒さんの3代展が「大山崎山荘美術館」 (9月28日〜12月11日)で催されます。

◆帰路
 寛次郎記念館の路地から、正面通りに出て鴨川を渡りましたら狭い通りの角に小奇麗で小さなビルがあります。玄関横の壁面に「山内任天堂」の看板があり [かるた・トランプ][PLAYING  CARD]等と書かれています。
 ○に福の文字のロゴマーク等々、ゲームボーイ××などのコンピュータゲームを作っているNINTENDOの発祥の地のようです。

 正面通りを西に、河原町通りを南に、七条通りを西に、葛野大路通りを南に、R171を南に走り17時に帰宅しました。

 本日の走行距離:65Km

嵐山・下ってきた観光船

嵐山・渡月橋上流
五台山清涼寺釈迦堂

落柿舎

落柿舎

去来の墓

広沢の池

河井寛次郎記念館

寛次郎記念館の額

兎の顔のように見えますが
木製の椅子です



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