05/10/09〜10 高松〜南国〜阿南・四国Lライン
 連休を無為に過ごしそうな気配がありましたので、高知県南 国市の宿を予約して無理やりに出かけました。

 天気予報も連休後半(9日、10日)は好天との予報でした。

  目的のコースは、高松からR32を南西に走り南国市まで、翌日はR195を北東に徳島県徳島市までおおよそ300Kmのロングランです。

 左の図のように、おおよそL字形なので四国Lラインと勝手に呼んでみました。

 四国は、吉野川センチュリーランを2度走りましたし、88ヶ所約1400Kmも巡りました。
 徳島〜室戸岬〜高知、しまなみ海道から寒風山トンネルを経て高知まで、四万十川、讃岐うどん食べまくりと色々と走ってきました。

 関西からはアプローチも短く、適度なアップダウンもあり楽しいフィールドです。

◆10月8日(土)◆
 雨は降っていますが、天気予報では明日からは回復とのこと。雨の中を最寄駅まで走り、三宮まで輪行します。

 神戸市役所前の道をジャンボフェリーの三宮乗り場に向かいます。
 前回は駆け込みだった ので、少し早め(23時30分頃)に到着し乗船手続きをします。早く着いたのに待合所 は一杯で居場所がありません。
 外はパラパラと雨が降っています。

 オートバイが大小合わ せて30台ほど、自転車は1人客3人と10人くらいのグループがぶらぶらと待っていま す。

 関西から四国高松方面 への移動にはジャンボフェ リーが安 くいて早いです。自転車をそのまま持込んでも片道2140円(往復割引もあり)です。運行も深夜、早朝、午前、午後、夜の5便あり、所要時間は約3時間 40分です。
 ただ、船室にランクがなく椅子席とカーペット敷きの部屋しかありませんのでゆったりしたい方には不向きかもしれません。

 今回の私の隣の客は、いびきともため息ともいえない奇声を発するので良く眠れな いまま高松に入港。

10月9日 (日)◆
 4時30分走り出します。
 高松市内も雨はパラパラとしています。

 R32を目指して走っていると暗い街に「うどん」の明かりが見える。「食べられますか?」と声を掛けて入店、生醤油うどんとおでん
(卵、 サトイモ)を食べる。(480円)
 
黒田屋田町店、朝の10時30分から翌朝5時ま であいている店です。
 まずまずの味に満足でした。

 R11からR32、琴 平辺りまではうどんを食べに何度も走った道で薄明かりの走行も苦になりません。

 琴平からは傾斜が少し出てきます。

 樅の木峠手前の「空の夢もみの木パーク」と名前だけしゃれた道の駅で顔を洗います。
 このしゃれた名前の由来は、飛行機の発明者である二宮忠八が、1889(明治22)年、樅の木峠でカラスが翼を動かさずに滑空している翼の形を見て飛 行の原理を発見した場所からの名前だそうです。
 そばには京都の八幡市の飛行神社の分社(二宮神社)があります。

 樅の木峠を越してしばらく走ると山内うどんへの分岐ですが、こんな時刻(8時前)では開店していません。

 財田の道の駅から香川・徳島の県境の猪ノ鼻トンネルまでは5Kmで300mほど少々きついのぼりです。

 猪ノ鼻トンネルをでると一気に吉野川まで下っ ていきます。
 吉野川土手のR32は吉野川センチュリーランで2度走った道です。

 しばらく走ると池田の町のローソンに変な看板があります。
 「うどん」と書いてあります。早速入ってみる。「自家製讃岐うどん」との表示もあります。
 レジで注文(支払い)をして、店内の休憩所みたいなところで待っているとうどんが出してくれます。
 醤油うどん(190円)を食べましたが、まずまずの味です。

 池田からは吉野川に沿ってJR土讃線と並んで上流に向かいます。

 小歩危、大歩危付近は川沿いに遊歩道が整備されていて、景色を見ながらゆっくりと走れます。
 対岸には、土讃線が崖にへばりつくように走っています。

 観光施設のある付近は車も多いですが、他はオートバイのライダーとサイクリストにたまに出会うくらいです。

 小歩危、大歩危付近にはラフティングやカヌーで遊ぶ人が大勢出ています。
 モンベルなどのアウトドア用品店が主催するイベントもあるようです。
 山辺や海辺を走っていて思うのは、若い人たちの遊びは車無しではできないものばかりです。
 ちょっと疑問に思いながら低燃費、親環境の自転車で走ります。
 
 雨は降ってきませんが、曇天で陽の光はありません。気温は猪ン鼻トンネル付近で17℃でした。

 おなかがすいてきましたが、大型の観光施設は入りづらく、小さなお店を探しながら走りますが営業中のお店は中々ありません。

 もうすぐ高知県との県境というところに「そば茶屋」というおばあちゃんが一人で店番をしているお店をみつけました。食事はできますか?と聞いてお店の中 へ。
 メニューも見ずに「そば」を注文します。
 出てきたそばは、3センチから5センチほどにぶつ切れで少し太めです。祖谷そばと言うのでしょうか?
 これがなんと、結構美味しいそばです。500円也。

 四国三郎・吉野川は、高知県の山中深くから流れています。
 渇水時にニュース映像で流れる早明浦ダムのまだ先、愛媛県境の近くを水源とし全長は194Kmもあるそうです。

 R32は吉野川本流から、支流の穴内川に沿ってしばらく走り大豊町繁藤から標高約395mの根曳峠に向かって80mほどの今日最後の上りです。

 南国市の平坦部までの5Kmあまりが8%、9%の急坂です。

 予約しておいたのは「ビジネスホテル空港・南国館」、室戸岬から徳島に続くR55沿いのホリディ・インの向かいにありました。
 到着は14時、チェックインは無理だろうとフロントで聞いてみると、しばらく待てばよいとのことで、近くのコンビニでビールを調達し、自転車や荷物を整 理して14時15分チェックインできました。

 部屋は禁煙ルームで、6畳ほどの和室に布団がひいてありました。バスとトイレは別にあり料金は4200円と格安です。

 風呂に入り、ビールを飲んで15時前後にうとうとしてしまい、目が醒めると19時、ロードサイドのファーストフード店に食事に出ようかと思案するが、睡 魔にまけて手持ちのカロリーメートで食事を済ませる。

◆10月10日(月)◆
 4時頃に目が醒め、ゆっくりと風呂に入り少しマッサージをする。
 テレビの天気予報は、快晴ではないが雨は30%程度との予報です。
 温かいお茶を飲んで、5時15分出発します。

 今日はR195を徳島までの約150Km程の行程です。。

 南国市役所近くのコンビニでミルクとサンドイッチの朝食です。土佐電鉄の路面電車に沿って東に走ると突然道路が細くなります。
 灯りのついているパン屋さんで製パン中のおじさんに道を聞くと丁寧に教えてくれました。ありがとうございました。

 土讃線の線路脇を走ります。調子が上がらないと思っていたら線路の勾配の標識が[6.7]となっています。
 6.7パーミル(1000m走って6.7mの上り勾配)です。パーセント表記では0.67%です。
 ユルユルとした上りだったのです.

 土佐山田の市街地を抜けると龍河洞や高知工科大学があります。この辺りから物部川沿いの道になります。

 杉田(すいた)ダムがあり、下りて写真を撮っているとこのダムと発電所は高知県の経営だということ、自治体が発電事業をしていることはまったく知りませ んでしたのちょっとびっくりでした。
 このような事業を公営電気事業というそうです。「残 日録」にまとめてありますのでご覧ください。

 雨がパラパラと降りだしました。
 道の駅・美良布のひさしを借りて雨宿りです。
 道の駅の後ろにはアンパンマンミュージアムがあります。アンパンマンの作者やなせたかしさんはここ香北(かほく)町のご出身とのことです。

 雨足はドンドン強くなってきます。

 高知に引き返したほうが良いのだろう か、思案のしどころです。
 少々無謀ですが、少し小振りになったタイミングで、山を目指すことにしました。

 景色を見るゆとりはありません。
 昨日の筋肉疲労もありますし、土砂降りの中では路面を睨みながら走るだけです。

 小さなアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を上げていきます。
 別府(べふ)峡の温泉旅館の前を抜けると3Kmで150mのきつい上りです。

 10時午前中の目的地四ッ足峠トンネルに到着です。
 四ッ足峠の名は、犬か猪に謂れがあるのかと思っておりましたが、旧道の峠(高知・徳島県境)に四隅に柱を立てたお堂があり、これを「四ッ足堂」と呼んで いたことから、この峠を四ッ足峠と称したそうです。

 なお、トンネル上部の扁額には[四足峠トンネル]と書かれていましたが、地理院の地形図では「四ッ足峠」と表示されていますので「四ッ足峠」と表記しま す。

 地形図に拠っても高知県側の水準点は660m、徳島側は674.4mとなっていてトンネル内は徳島側に上り勾配のようです。

 トンネル内は、やや上り勾配で出口が見えません。
 中央の県境部には県境の表示とお地蔵様が祀ってあります。お菓子や花が供えられています。暗いトンネル内では余り気持ち良いものではありません。

 中央部から徳島側に下っています。
 徳島側は照明灯の間隔があいていて真っ暗な部分があり、小さな自転車のライトだけでは殆ど何も見えません。

 トンネルをでると一気の下りかと思っていましたが、そうでもなくゆるりゆるりと下り上りを繰り返しながら高度を下げていきます。

 雨は相変わらずで手足が寒さでしびれてきます。寒気もします。風邪を引きそうな雰囲気です。
 食料は相変わらずカロリーメートとおにぎりにスポーツ飲料を持っているのですが、食べる場所がありません。
 ストーブでも欲しい気分です。

 
11時過ぎ、旧木頭村の役場近くに「たちばな」という食堂が開いていたので、足 元は汚く申し訳ないけれど、とにかく身体を温めよ うと入ります。
 おでんの鍋があったのでおでん(ひらてん、あつあげ)と熱燗を注文する。
 熱燗は大きな徳利で出てきました。何とか身体は温まります。後は焼き飯を注文してお腹も満腹です。お酒が大きかっただけに1400円でした。
 元は大阪にいたという店主とサイクリングのことなどを少し話して出発します。床など汚して済みませんでした。

 相変わらず雨です。少し小振りになったりジャジャ降りになったりの繰り返しです。

 徳島市に出るか、阿南市に出るか迷いつつ走っているうちに徳島へのショートカットコースの分岐を通り過ぎてしまい、結局阿南市に出ることになってしまい ました。
 頭がボケていることと、地図を見るのも億劫な雨と寒さの所為でしょう。

 最後の阿南市への一山を越してR55に合流、阿南駅に向かうつもりでしたが、国道から見えた駅(阿波橘)から輪行することにしました。

 無人駅の軒先でパッキングをして16時11分の電車に乗車する。
 徳島駅から大阪方面へは、JRバスは終バスまで満席、徳島バスグループの17時45分発に空きがあり、高速舞子(JR舞子)から電車で何とか帰宅するこ とができました。

 最寄駅で自転車を組み立てていて、忘れ物に気がつきました。
 阿波橘の駅でヘッドランプ2個と、フラッシング・リフレクター1個を自転車の解体時にポストの上において来てしまいました。
 悪天候にも関わらず長距離を走って、怪我なく帰れたのが幸いと諦めました。

◇走行距離
 9日:141Km、10日:141Km、合計282Km
◇最高標高
 9日:395m(根曳峠)、10日:674.4Km(四ッ足峠トンネル徳島県側)

◇スナップ写真はこちらにアップしました。ご覧ください。
ス ナップをこちらにアップしました。ご覧ください。

琴平の街

R32樅の木峠
R32猪ノ鼻トンネル

池田ダム

土讃線

繁藤堰堤

根曳峠

杉田(すいた)ダム

津々呂トンネル

四国山地

四ッ足峠トンネル

小見野々ダム

R195

長安口ダム湖


長安口ダム


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