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00/02/10 ケアレスミスをした若い社員へのメール
 私の働く企業の若い社員Rさん が、顧客先への訪問のアポイントメントを忘れると言うミスをおかしました。以下に紹介するのは、彼が関係者宛てに書いた「お詫びメール」に対する私の返信 です。

 先日 いただいたあなたからの「お詫びメール」についての”返信”をお送りします。
 返信が遅くなったのは、あなたの経験について私自身がゆっくりと考えて見たかったからです。 

 さて、本題に入りましょう。

◇失敗はしない方がよい
 頬を叩かれた経験がないから、人の痛みが分からないのでは駄目ではないでしょうか?
 震災で家や家族を失った人の傷みは、被災者でないと分からないのでは人としてあまりに哀しいですね。
 苦労をせずに、成功した立派で尊敬できる人もたくさんいます。

◇でも、失敗はした方がよい
 昔の人は「苦労は買ってでもしろ」とよく言いました。この苦労は経験と同じような意味をもつものだと思います。
 苦労することがその人を大きくする、他人の痛さを分かることが出来るとでも解釈した方がよいのでしょうか。
 頬を叩かれた経験がない人には本当の意味での痛みは分からないような気がします。震災の被災者のことを私たちは本当に分かっていないような気もします。
 また、苦労して成功した人には魅力があります。
 松下電器では、成功例に学ぶより失敗例に学べとの教訓があるようです。

◇私がRさんの今回の経験に学ぶこと
 部下の日常の行動を注意深く見ているだろうか?
 部下の変化に気づいているだろうか?
 部下が報・連・相(報告・連絡・相談)をしやすい環境を作っているだろうか?
 部下を放任していないだろうか?
 忙しいからとの口実で、仕事を丸投げしていないだろうか?
 部下の悩みに気づいているだろうか?
 部下の能力を正当に評価できているだろうか?
 etc.
 Rさんが私の部下であった場合、この経験を果たして避けられたでしょうか?
 100%の自信はありません。

◇Rさんが学ぶべきこと
 この経験をあなたはどうに活かせばよいのでしょうか。
 私は仕事を進める上で、大事にすべき順序は
 @「自分自身ために仕事をする」
 A「お客様のために・・・」
 B「会社のために・・・」
 C「社会のために・・・」
 の順であるべきだと思っています。
 若い人の中には、@がなかったり、AとBが逆転していたり、Cの概念がない人がいます。
 あなたも、他のことに煩わされてお客様を大事にすることが薄れていたのではないでしょうか。
 また、仕事に対する馴れ(奢り)ではないかと思われます。
 私からRさんへの贈る言葉は”初心忘れずに”です。

◇最後に つらい思いで、このメールを書かれたのでしょうが、大変いいことだと思います。
 短絡に言えば、このメールで全てが相殺されたのではないでしょうか?
 経験を共有化することは、難しいことですが大切なことです。
 人生生きていると色んなことに遭遇します。色んな経験を糧としてたくましく生きていきましょう。

 返信になっていますでしょうか。あなたの経験から私の方が多く学んでしまいました。
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