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04/10/14 村田 喜代子著「蕨野行」

 この本は、
 笹山久三著「四万十川
    ↓
 映画「四万十川」(監 督恩地日出夫)
    ↓
 映画「蕨野行」(監督 恩地日出夫)
    ↓
 村田喜代子著「蕨野行
 と恩地日出夫さん繋が りで読みました。(「四万十川」は別の 機会に。)

 遠野地方のある村には、60歳になった老人は人里離れた蕨野に自ら移り住むと言う掟がありました。蕨野では作物を作ることが許されず、雪の前には里に下 りて村の仕事を手伝い、その日の糧を得る。雪が積もれば雪の中で人生を全うして行くのです。
 寒村では、若い世代の糧を確保するために、身体の弱い年寄りを早々に逝かしめようする姥捨て伝説の一つです。

 蕨野行きを待つ姑レン が、レンの蕨野行きを知らぬ若い嫁ヌイ に 庄屋の嫁としての努めを授けていきます。物語は二人の東北弁の掛け合いでリズム良く進んで行きます。
 お ババよい。何か思うことが有りつるか?
 ヌイよい。おれは関所のまえに立ちてありつる。


 人間、歳をとると本来 の姿が出るのでしょうか?
 蕨野で共同生活をする 9人のジジババは、良くも悪くも個性豊 かに生きていく様子が生き生きと描かれています。

 映画では、レン役に市 原悦子さんが好演でした。ヌイを演じら れ た新人の清水美那さんも良かったです。
 とにかく風景がきれい で、特に緑が何とも言えずにきれいでし た。中国映画「山の郵便配達」を思い出しました。因みに恩地監督はNPO法人日本の原風景を映像で考える会を主宰されてい ます。

 私も、蕨野に行かねばならぬ歳に近づいてきま した。
 何を残して行くのでしょうか。何を残していけるのでしょうか。

 映画「蕨野行」
 映 画「四万十川」
 劇団民藝で99年に舞台 化されています。
 主演・脚色:北林谷栄、 演出:米倉斉加年 http://www.gekidanmingei.co.jp/warabi2.htm

 個人情報漏洩(02/10/10)で書きました事件の容疑者が、他にも同様に携帯電話の通信記録を盗んでいた と報じられていました。(04/10/13)
 http://www.asahi.com/national/update/1013/038.html
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