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05/02/01 マスコミ報道ネタ

 書かねばならないと自分にプレッシャーをかけているテーマは別にあるのですが中々筆が進まず、シャ ワーのように降ってくるマスコミ報道について、2、3書いて見ます。

◆メディア・リンク社関連の架空売上事件
 このWebページでも前に取り上げた事件ですが、もう既に幕引きされたと思っておりましたところ急展開したようです。
 各紙報道の内容は、伊藤忠商事の子会社・伊藤忠テクノサイエンス株式会社(CTC)の営業部長(当時)と部長代理(当時)が、メディア社に関わる架空取 引を繰り返していました。その中で本来メディア社に還流されなければならない金の一部を、営業部長(当時)が経営する会社に横取りしていた。このことが業 務上横領に当たるとして逮捕された。また、テレビ朝日の社員(当時)も片棒を担いでいたとして逮捕されたとのことです。

 泥棒の方法を伝授し、盗んできた金の上前を撥ねるとは見上げたものです。(寅さん風に言えば”屋根屋のふんどし”ですね)

 やっと逮捕されたかとの思いとは別になぜ業務上横領かと思いました。この事件は、ITベンチャーといわれる会社(80社といわれています)が、グルに なって自社の業績を大きく見せるためにしたことです。企業は”社会の公器”であるといわれます。
 粉飾の売上で社会を騙した罪は大きいと思います。

 また、この業界をダーティなイメージに落とさしめた罪も大きいと思います。同業他社からの意見がまったく聞かれないのは、業界全体の慣習ということで しょうか?

伊藤忠系元部長、着服か メディア社事件 (朝日新聞 01/31 20:53)

テレビ朝日元社員に逮捕状 メディア社事件(讀賣新聞 02/01 09:00)

メディア社粉飾:伊藤忠子会社元部長ら逮捕 大阪地検(毎日新聞 2005年1月31日 20時51分)

CTCのニュースリリース
 CTCは営業部長、部長代理の逮捕について1月31日下記のようなニュースリリースを出しています。
 *********
 当社元社員の逮捕について
 本日、弊社の元社員が業務上横領の疑いで逮捕されたことを報道で知り、突然のことで大変驚いております。
 今般、報道された容疑が事実だとすれば、元社員がしたこととはいえ、誠に残念に存じます。
 なお、関係当局からご依頼があれば全面的に協力させていただきます。
 元社員の容疑につき、今後、弊社と関係のある新たな事実が判明した場合には、速やかに適切な措置を講じる所存です。
 *********

 このコメントはいったいなんなのでしょう。

 彼らの肩書きは決して「元」ではありません。
 彼らの容疑は伊藤忠テクノサイエンス株式会社の営業部長、部長代理だった時に、それぞれの業務を遂行していて犯したものです。
 「元社員がしたこととはいえ、・・」とは、この会社の体質なのでしょうか。上からの指示とはいえ、執筆した社員は恥ずかしくないのでしょうか。

 数ヶ月も前から営業部長(当時)が架空取引に関わっていたことは衆知の事実でした。「突然のことで大変驚いて・・」等という常套句で済ませるようなもの でしょうか?

 CTCの03年度の売上は2,456億円と公表されております。03年に、彼ら二人が架空売上でCTCにもたらした売上額は160億円と報道されていま す。全社売上の6.5%を稼いでいたのです。

 「悪いのは”元社員”の二人だけ、私たち(CTC)は知りませんでした」と言いたいのでしょう。
 この会社も、自社業績を違法な取引で膨らませていたことを真剣に認識すべきではないでしょうか?
 これが自分たちの問題だという意識がまったく見えません。「新たな事実が判明した場合には、・・・」等とのんきなことを言っています。私は企業の犯罪だ と思うのですが、彼らにはその意識がないようです。

 名経営者と誉れの高い伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長(当時社長)は98年に雑誌のインタビューに答えて成果主義を進めることを宣言しています。「業績の高 い組織、個人に何倍ものボーナスを」(プレジデント98年12月号)http://www.president.co.jp/pre/19981200/01.html

 ”まずは儲けること、儲かったら儲かった分は社員に還元する”と言われています。まさに鼻先に人参の手法です。
 社員間に無用な競争を仕掛け、売上(汚れた金でも)を多く上げたものが多くのギャラを手に入れ、早く出世するという成果主義を導入したことが、彼らを生 み出したのではないかと思います。成果主義についてはこちらに少し書いています。 
◆容疑者に「さん」つけ
 歌舞伎の中村七之助が公務執行妨害で逮捕され、保釈されたとのテレビ報道で各社(少なくともテレビ朝日系、日本テレビ系)は「中村七之助さん・・・」と 報道しておりました。
 なぜなのでしょう。テレビ局には、歌舞伎の中村家或いは松竹に気を使わなければならないことがあるのでしょうか?

 さすがに新聞は「中村七之助容疑者・・」と書いておりました。

中村七之助容疑者が謝罪会見 「親の顔に泥を塗り…」(朝日新聞 01/31 20:46)

◆タバコ広告
 1月27日の禁煙日記で、電車内のタバコの広告について書いておりましたが、大阪市営地下鉄、JR西日本(東海道線の普通、快速、新快速車輌)、阪急電 車の車内ではタバコ広告は掲示されておりませんでした。
 鉄道各社のWebサイトには広告掲載基準は見つかりませんでした。日本たばこ産業(JT)のWebサイトにも車内広告を自粛する旨の記載はありませんで した。

◆パチリ
 私が過去に働いていた会社に、前記CTCの部長代理(当時)が出入りしていて取引もありました。この事件は、てっきり部長代理が主役だと思っておりまし たが、彼は俗に言う”パチリ”だったみたいです。上には上がいるものです。

◆ブルーリボン主演女優賞
 宮沢りえさんが、昨年の「たそがれ清兵衛」での助演女優賞に続き、今年は「父と暮らせば」でブルーリボン主演女優賞を受賞されたことが報じられていまし た。(日刊スポーツ2005/2/2/07:07
 「父と暮らせば」は、何れ取り上げたいと思います。見ごたえの或る良い映画でした。若い頃の宮沢りえさんはあまり知りませんが、「たそがれ清兵衛」も 「父と暮らせば」も好演でファンになりました。
(05/02/02)
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