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05/08/04 女性の労働力率と出生率

 7月29日に平成17年度版の「厚生労働白書」が発表されました。
 第2章第3節に「少子化を取り巻く地域の状況と取り組み」と題して都道府県ベルの出生率と女性の労働力率(人口に占める就業者 と職探しをしている失業者の割合)の関係を分析しています。かなり興味深い内容です。

 朝日新聞の記事(「出生率、働く女性多い地域はアップ 厚労白書」2005年07月29日10時58分)から紹介します。
  都道府県別の出生率と女性の労働力率
 
 ◇出生率は女性が働く地域で高く、男性が長時間労働している地域ほど低い
 ◇保育所の利用しやすさや気温の高さ出生率にプラスに働き
 ◇家計に占める教養娯楽費の割合の高さはマイナスに働く

 30歳代前半の女性の労働力率が高い都道府 県ほど、合計特殊出生率(女性1人が産む子どもの平均 数)が高い傾向があった。出生率上位には、労働力率が65%を超える宮崎、鳥取、島根、山形、熊本が、下位には、50%前後の奈良、大阪、神奈川、埼玉、 千葉、兵庫が並んだ。

 白書は「近年、北欧諸国のように女性の就労が進んだ地域の方が出生率が高い傾向があり、女性の就労と出生率には正の相関がみられる」とし、国内でも同様 の傾向があるとした。

 また「出生率の高い地域では、女性の正社員比率が高い一方、長時間労働をしている人が少なく、子育てと両立しやすい働き方をしている」「出生率の低い都 市部では、女性労働力の非正規化が進む一方、正社員は長時間労働する」とした。男性については、25〜39歳の社員のうち週60時間以上働く人の割合が高 い地域ほど出生率が低い傾向があった。

 出生率に影響を与える要因としては、保育所にいる子どもの割合、延長保育実施率、平均気温の高さがプラスに、男性の通勤・仕事時間、教養娯楽費、消費者 物価の高さはマイナスに働いていた。教養娯楽費について同省は「趣味に使うお金が少ない方が子育てに時間を使えるのでは」とみる一方、気温については「よ くわからない」としている。

 女性に働きやすい環境を社会が作り出すことが、少子化対策の大きな施策だと言うことですね。

 この白書の分析に関連して、道路公団問題で一人で活躍されているような印象を受ける猪瀬直樹さんの発言が話題になっています。
 (猪瀬さんって、あちこちの政府委員になっておられるのですね)

 税制調査会の議事録より、猪瀬さんの発言とされている部分を引用しました。アンダーラインは引用者。
 議事録は下記にあります。(直接URLが指定できません)
  財務省のサイトから税制調 査会に入り、[議事録・提出資料]→<基礎問題小委員会>第37回(平成17年5月27日開催)「個人所得課税について」 議事録を見てくださ い。
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○ちょっと先ほどの委員は誤解していると思うんです。今、専業主 婦であれば子供を産むとは限らなくて、逆に専業主婦で何もしないのが多いんです。子供も産まないで。つまり、人生に前向きかどうかというと、働く女の人は前向きで、子供を産みたいわ け。働かないで家でごろごろしている主婦が、子供を今産まないんです。逆になっているので、先ほどの委員に時代とのずれを少しわかっても らったほうがいいので、つまり、パラサイト・シングルっているけれども、今、パラサイト・ワイフというのができてきた。つまり、変な生命力のない人たちがたくさん生じていて、お金を持ってぶらぶらしてい るんですよ。消費にはいいかもしれないけれども。
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 先の厚生労働白書を読んだ後ですと、猪瀬さんの発言といわれている上記の発言も論理的かと錯覚を起こしてしまいますが、この発言は「税制審議会」の「個 人所得課税」という委員会での発言です。
 私には「パラサイト・ワイフ」と彼が呼ぶ人たちへの税制措置(例えば配偶者控除)を切り捨てるための発言としか思えません。

 そして、働く女性と働かない(働けない)女性を分断しようとするものです。
 早速、女性週刊誌はこんな記事を書いています。(アンダーライン引用者)
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 「パラサイト発言で浮上 専業主婦vs働く主婦」
 働かないで家でごろごろしている主婦が子供を産まないんです」。政府税制調査委員である猪瀬直樹氏の発言に端を発した議論は、大きな波紋を呼んだ。
 開示された議事録を調べると真意が伝わってない部分もあるものの、この発言によりクローズアップされたのは専業主婦と働く主婦の間をへだてる 深い溝だった
----------------------------女性セブンの「今週号の内容」より

◆「コンピューター」それとも「コンピュータ」?
 8月1日付けの朝日新聞に「長音符号『ー』」という記事がありました。

 カタカナで表記する場合、語尾の長音符号「ー」を付けるかどうかが統一されないままにあるとのことです。
 1954年の国語審議会の報告や内閣告示「外来語の表記」で、「英語でer、or、arとなる語尾は原則として長音符号を付けるが、慣用で省いてもよ い」としているそうです。

 私は「ー」を省略するほうですが、すべてを省略しているようでもないことに気が付きました。例えば「ペーパー」は「ペーパー」と書いています。IT用語 は殆ど省略していますが、一般的な名詞は省略せずに使っているようです。
 
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