05/08/17 自転車の安全性
この「残日録」では、趣味のサイクリングに絡めて、自転車に関わる問題を取り上げてきました。
「サイクルショップって」
(04/08/02)
「自転車乗りから見た環境」
(04/10/01)
「価格は安いほうが・・(2)自転車の価格」
(05/01/07)
「自転車安全基準」(05/02/08)
「自転車の安全基準・ジャスコの場合」
(05/03/18)
今回は、東京都の委嘱を受けた「商品等の安全問題に関する協議会」が、まとめた「自転車の安全性確保について」というレポートを見つけましたので紹介します。
はっきりとした主張がないレポートとなっており、読みづらく、分かりにくいレポートになっています。
「協議会」のメンバーが、自転車の製造、販売の業界代表、消費者団体代表、安全管理団体代表などで構成されているために玉虫色のとりまとめとなったので
しょうか?
◆自転車が抱える問題
◇低価格化=輸入車の増加=安全性への危惧
◇安全基準は3種類あるが、すべて任意の制度であること
・JIS(Japan Indusutrial Standard):経済産業省
・SG(Safety Goods):財団法人製品安全協会
・BAA(Bicycle Association Approved):社団法人自転車協会
◇販売店での組み立ても「自転車組立整備士」による組み立てが制度化されていない。
自転車の安全性はJIS(日本工業規格)を基本にしていますが、JIS非適合品であっても販売されており法的には何の制約もないようです。
◆安全性の確保
◇安全基準の普及
JIS、SG、BAAといった安全マークを普及する。
→安全基準、安全マークの貼付が任意である限り普及は難しいと思われる。
→自転車協会は、BAAの普及状況を未だに公表していない。
◇安全基準内容の充実
各団体(製品安産協会、自転車協会等)自転車の事故を分析や国際規格を調査して、安全基準を充実させる。
→??安全基準の内容に問題があるのでしょうか?
◇製造・輸入業者に対する働きかけ
販売業者は安全マークのないものは、製造・輸入業者に安全基準をクリアするように求める。
→ジャスコなど大手の量販店は、自社基準をつくって販売しているようです。「自転車の安全基準・ジャスコの場合」
(05/03/18)
◇消費者は安全マークのある自転車を購入する。
→安全マークのない自転車が「安全でない」との証明ができていない、安い自転車=安全性に問題ありとも言えない状況で、安全マークのある高い(少なく
ともシールにかかる費用分は高くなる)自転車を買う合理的な理由がない。
他に「優良販売店制度」をつくり、消費者に安心して買える店を明らかにするとのことです。
本音としては、廉価な外国製の自転車の品質が悪く、粗悪品も出回っていて困っているのに、建前論のレポートとなっているので分かりづらくなっています。
一定の基準(例えばJIS)をクリアしていない製品の輸入はできなくするなど、踏み込んだ提案があっても良いのではと感じました。
このレポートでは、幼児のヘルメット着用の是非についても論じられています。
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