05/09/02 国土交通省 航空・鉄道事故調査委員会
「航空・鉄道事故調査委員会」っ
て、国土交通省の一部門だったのですね。
行政機関から独立した組織だと思っていました。
これでは技術的な原因(直接的な原因というべきでしょうか)の究明しかできませんね。
JR西日本の尼崎での脱線事故について国土交通省の航空・鉄道事故調査
委員会は中間報告と合わせて、自動列車停止装置(ATS)の導入など4項目の事故防止策の提言をまとめ、国土交通大臣に提出するとの報道がありました。
各紙の見出しを見るだけで内容を読む気もなくなりそうです。(Googleで「JR西関連の記事一覧」でみました)
相変わらず通信社の配信記事をそのまま紙面に載せているだけです。
事故発生直後の報道熱は一気に冷めたようですね。粘り強い調査報道を望みたいものです。
◇JR脱線、110キロ前後でカーブへ・事故調が中間報告最終案(日本経済新聞)
◇JR西、速度計点検怠る 4年ごとの義務無視(中日新聞)
◇JR西、速度計点検怠る 4年ごとの義務無視(日刊県民福井)※
◇JR西、速度計の検査怠る 脱線事故起こした車両(朝日新聞)
◇JR脱線事故でカーブ強制減速装置設置など提案・事故調(日本経済新聞)
◇JR宝塚線脱線で、事故調が中間報告 6日に公開(朝日新聞)
◇公表前の説明、遺族ら求める 脱線事故の中間報告(朝日新聞)
◇JR脱線で事故調、事故防止へ4項目提言──速度計精度アップなど(日経ネット関西版)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(河北新報)
◇中間報告と提言議決 JR脱線事故で調査委(中国新聞)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(熊本日日新聞)
◇中間報告、提言を議決/JR脱線事故で調査委(四国新聞)
◇中間報告と提言議決 JR脱線事故で調査委(熊本日日新聞)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(神戸新聞)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(徳島新聞)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(大分合同新聞)
◇中間報告、提言を議決/JR脱線事故で調査委(秋田魁新報)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(山陰中央新報)
◇中間報告、提言を議決 JR脱線事故で調査委(岩手日報)
◇中間報告、提言を議決(静岡新聞)
◇中間報告、提言を議決(東奥日報)
◇中間報告、提言を議決(山陽新聞)
◇◎中間報告、提言を議決(福島民友新聞)
インターネットは良いですね。新聞社がいかに手を抜いて紙面を作っているかも丸見えです。
そんな中、他紙とは違った報道をしているものがありましたので紹介します。
◆JR西、速度計点検怠る 4年ごとの義務無視(中日新聞)
事故電車の運転台の速度計が実際の速度より低く表示されていたことに関しての記事です。
速度計の精度はJIS(日本工業規格)で決められていて、最高速度で2%の誤差が許容範囲であるのに、事故車両と同型車両では3〜4%の誤差があったそ
うです。
また、速度計の点検は4年ごとの車両点検時に確認するように義務付けられているのにも関わらず、メーカーから納入後一度も点検されていなかったと報じて
います。
朝日新聞の記事(JR西、速度計の検査怠る 脱線事故起こした車両)では4年ごとの検査は「社内規定」だと報じています。
また「調査委が調べたところ、事故車両はここ数年は
速度計の検査をしていなかったことがわかったという」
(アンダーラインは引用者)と書かれています。「ここ数年」って4年以内なのでしょうか?
朝日のいう「社内規定」は何を根拠にしているのでしょうね。JISでしょうか?国土交通省の指導でしょうか?
「ここ数年」などと取材先が言ったのでしょうが、そのまま記事になるとは余りにお粗末です。記者だけの問題ではないと思います。
朝日新聞と中日新聞の記事とでは読む人の印象が随分違うように思います。
真実に迫って欲しいものです。
日経ネット関西版では、中間報告と合わせて出される提言に「事故を起こした快速電車の速度計が実際より約4キロ低く誤表示されていたことが判明し、速度
計の精度向上も提言に盛り込まれた」と書かれています。
義務付けられた点検がされていなかったのですから「精度向上」を提言している場合ではなく、告発すべき内容なのではないでしょうか?
JR西日本の電車の速度計については、このサイトでも以前(05/08/10)
取り上げました。
・運転士が体感速度と速度計の値が違うことを指摘していたにもかかわらず10年以上放置してきたこと。
・速度計の点検基準があるのかないのか。
私には、組織的で悪意のある犯罪に見えます。
※「日刊県民福井」は中日新聞福井支社が発行する県域新聞で中日新聞と紙面共有していますので同様記事です。
◆公表前の説明、遺族ら求める 脱線事故の中間報告(朝日新聞)
事故の遺族らでつくる「4・25ネットワーク」は、事故調査委員会に対して中間報告を公表する前に遺族や負傷者に説明するよう求めています。
世話人の一人は「調査委はまず被害者に説明する姿勢を持っていただきたい」と話しておられます。
事故の当事者である遺族や被害者に説明する前に、公表して公知の事実としてしまおうとの姿勢は不愉快ですね。
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