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05/09/14 民意は反映されたのでしょうか?

 今回の総選挙での得票率 と各党の獲得議席などについて書いてみたいと思います。
 選挙は選挙民の意思がより正しく反映されるべきものだと思っております。

 05/08/12の残日録で、一票の格差(最大5倍近い格差がある)が是正されていないことと、現行の選挙制度(小選挙区比例代 表並立制)では、民意が正しく反映されないのではないかと書きました。

◆得票率と獲得議席
 今回の総選挙の得票率と獲得議席を見てみます。
◇小選挙区で自 民党は約47%の得票で73%の議席(219)を得ています。
◇比例区では自民党は約38%の得票で約42%の議席(77)を得ています。
 小選挙区制が如何に民意を反映しない制度かが如実に現れています。

◆死票
 小選挙区での落選者(比例区での復活当選者を含む)の得票総数は約3272万票です。
 投票総数が6700票余りですから半数近く(約48.8%)の投票が死票となっています。
 ※比例区の復活当否が惜敗率を勘案していますので単純にはいえませんが。

◆試算してみました
 新聞などで報道されている小選挙区、比例区ごとの得票数と当選者数を集計して、夫々の得票率を算出しました。
 青色の網掛け部分が、私の試算(推論)です。

◇試算1
 小選挙区の政党ごとの得票率で小選挙区定数を案分してみました。
 自民党は、219議席の当選者に対して143議席の当選しかできないことになります。

◇試算2
 自公選挙協力がありましたので、より政党の得票に近いと思われる比例区の得票率で小選挙区の定数(300)を案分してみました。
 自公連合が155議席、民主93議席、共産、社民が22、16となり小政党への投票(民意)がより正確に反映されています。

◇試算3
 比例区(定数180)の獲得議席を比例区の得票率で案分しました。
 自公連合は実獲得議席(100)に対して93議席との試算になります。
 中選挙区の比例区のほうがより民意に近いと思われます。

◇試算4
 衆議院議員の全定数(480)を比例区の得票率で案分しました。
 自公連合は247議席でようやく過半数の議席を確保できるくらいで、実獲得議席(327)とは80議席の差(17%の誤差)があります。

項目
自 民
民 主
公 明
共 産
社 民
国 民
日 本
諸 派
無 所
合 計
小選挙区 得 票率(%)
47.59
36.51
1.46
7.24
1.49 0.65
0.20
0.03
4.84
100
当 選者数
219
52
8
0
1
2
0
0
18
300
試 算1 143 110 4 22 4 2 1 0
15
試 算2
115 93 40 22 16 5 7 2 0
比例区 得 票率(%)
38.18
31.02
13.25
7.25
5.49
1.74
2.42
0.64
-
100
当 選者数
77
61
23
9
6
2
1
1
-
180
試 算3
69 56 24 13 10 3
4
1
0
全当選者数
小 選挙区+比例区
296
113
31
9
7
4
1
1
18
480
試 算4
183
149
64
35
26
8
12
3
-

◇現実の獲得議席と試算した獲得議席をグラフにしてみました。


 このような結果は、誤差の範囲だとか、選挙制度にベストはないとかいうマスコミの風潮 は許せません。

◆細川内閣
 55年体制以来はじめて自民党が野に下った細川内閣で、歴代の自民党内閣が実現できなかった小選挙区制を導入したというのは皮肉なことです。

 細川内閣の閣僚を見てみますと、
 内閣総理大臣 - 細川護熙(日本新党)
 法務大臣 - 三ヶ月章(民間)
 外務大臣(副総理) - 羽田孜(新生党)
 大蔵大臣 - 藤井裕久(新生党)
 文部大臣 - 赤松良子(民間)
 厚生大臣 - 大内啓伍(民社党)
 農林水産大臣 - 畑英次郎(新生党)
 通商産業大臣 - 熊谷弘(新生党)
 運輸大臣 - 伊藤茂(社会党)
 郵政大臣 - 神崎武法(公明党)
 労働大臣 - 坂口力(公明党)
 建設大臣 - 五十嵐広三(社会党)
 自治大臣、国家公安委員会委員長 - 佐藤観樹(社会党)
 内閣官房長官 - 武村正義(さきがけ)
 総務庁長官 - 石田幸四郎(公明党)
 北海道開発庁、沖縄開発庁長官、国土庁長官 - 上原康助(社会党)
 防衛庁長官 - 愛知和男(新生党)/中西啓介(新生党)
 経済企画庁長官 - 久保田真苗(社民連)
 科学技術庁長官 - 江田五月(社会党)
 環境庁長官 - 広中和歌子(公明党)
 国務大臣- 山花貞夫(社会党)
 内閣法制局長官 - 大出峻郎
 内閣官房副長官 - 鳩山由紀夫(さきがけ)
 内閣官房副長官 - 石原信雄
 と百花繚乱です。

 共産党以外全ての党の幹部(現役や先輩)が顔を揃えています。
 どいつもこいつも、みな同罪なのですね。
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