05/09/15 柳澤
桂子「生きて死ぬ智慧」他
先日、滋賀の実家への帰省の時でした。母親と兄嫁のMさんと「あの人の本にこんなことが書いてあっ
た」・・・等とたわいのない読書談義をしました。
その時にMさんが、読んでみたいといったのが柳澤桂子さんの「生
きて死ぬ智慧」です。
科学者の柳澤さんが、原因不明の病気での闘病生活の中で「般若心経」と出会われて、現代訳された本ということでした。
早速、書店で「生
きて死ぬ智慧」「や
がて幸福の糧になる」「い
のちの日記」の3冊
を買って通読しました。
柳澤さんは生命科学者と言われる学者です。
DNAの螺旋構造が・・・、生命はどうして生まれるのか・・・等と私にはとても理解できない学問のようです。
31歳の時、微熱、めまいと嘔吐に見舞われ入院されて以来、色々な診断をされます。
診断された病名が、末期の胃がん、自律神経失調症、子宮内膜症、慢性膵炎、等
手術も、子宮内膜症での手術、卵巣摘出、胆嚢摘出、等
5年間で6度の入退院を繰り返す。
診断された病名の多さにも驚きますが、医者が柳澤さんに言った言葉にも驚きます。
・症状が改善されないことを訴えると「そんなはずはない! アミラーゼは下がっているのだよ! いいかげんにしなさい」
・救急車で運び込まれると当直医は「この人は放っておいていいよ」というなり帰ってしまう。
・「わがままだから、そうなる」
・「医者を信じないから、病気になる」
・「いいかげんにしろ」と激昂した医者
・「仕事が嫌だから病気になる」、、
学者である柳澤さんに対してこのような態度です。
一般庶民ははどのように扱われているのでしょう。
胃に穴があき、血が流れるような症状が現れればその穴をふさぐような治療の技術は進んでいるのでしょうが、柳澤さんのように原因がわからず本人が吐き気
がするなどと主訴する場合や、心の病に対しては今の医療は患者の身方ではないようです。
結局柳澤さんは「周期性嘔吐症候群」(アメリカでは患者会もあるそうです)という病気だったということです。
その闘病中に、わずか276文字で宇宙をあらわした「般若心経」で出会われて現代訳にされたのが「生きて死ぬ智慧」です。
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ひとはなぜ苦しむのでしょう・・・・
ほんとうは
野の花のように
わたしたちも生きられるのです
もし あなたが
目も見えず
耳も聞こえず
味わうこともできず
感覚もなかったら
あなたは 自分の存在を
どのように感じるのでしょうか
これが「空」の感覚です
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先日、姫路の書写山圓教寺で始めて写経をしました。また、数年前に四国一周のサイクリングをした時には88ヶ所のお寺で般若心経を唱えれおられる人々を
見てきました。
「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 ・・・」
凡なるものには、唱えることも書き写すことさえできません。
宗教について未だによく理解できておりませんので、闘病生活から宗教に開眼された柳澤さんの心は十分には理解できませんでした。もう少し苦労が必要なの
でしょうか?
三冊の本と、手元にあった加島祥造さんの「タオ−老子−」
をMさんに送りました。
「文藝春秋」10月号にも「いのちの悟り−般若心経と私−」という文章が掲載されています。
少しブームになっているのでしょうか?
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