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05/10/01 映画「蝉しぐれ」

 今日公開の映画「蝉しぐれ」を早速見てきました。
 今日は毎月1日の「映画の日」だそうで、劇場のロビーは朝早くから混んでいます。

 何度も書いておりますように私は藤沢周平さんのファンです。
 わけてもこの「蝉しぐれ」は何度も読み返した愛読書の一つです。このWebサイトでも何度も取り上げてきました。

 楽しい映画でした。
 悪い癖で重箱の隅をつつくような傾向がありまして、「あれっ」と思う部分は何ヶ所かありましたが、青春時代劇として楽しんで見てきました。

 主人公・牧文四郎の父・牧助左衛門の緒方拳さん、助左衛門の元部下で文四郎の先輩の大地康雄さん、側室・ふくを守る役人の柄本明さんなど存在感のある 役者さんの演技が光りました。

 映画を見て改めて日本の風景の繊細さを感じました。
 「ミドリ」色の複雑さ、桜の色合い、山並みのたおやかさ、雪の白さ・青さ、稲穂の豊かさ、、

 私の子供の頃には当たり前だった風景が、今は映像の中でしかみられなくなったのは、私達の感性が鈍ってきたからでしょうか。
 山や川の破壊など自然環境の変化より、私達人間の感性の衰えが大きいような気がします。

◆JR西日本が採用増へ
 JR西日本は福知山線の脱線事故の反省(安全性の回復)から、来年度の採用者数を過去最多の835人を内定したそうです。
 また、早期退職制 度の対象年齢を現行の「51〜55歳」から「51〜58歳」に引き上げ、技術力のある人材を社内にとどまらせることも検討しているとのこと。
 「JR西日本、新卒採用を大幅増 安全性回復へ」(朝日新聞2005年10月01日)

 なんとも泥縄式の施策であります。

 来年4月に採用した社員が、今回の事故を未然に防げるような実戦力になるためには何年掛かるのでしょうか?

 少々経費は掛かるがしっかりとした技術力を持った社員の首を、所属労働組合が気に入らないからとか、高齢の社員は生産性が低いとかいって切ってきたのは 会社ではないのでしょうか。

 今さら、技術力の継承の為と称して対 象年齢を「51〜55歳」から「51〜58歳」に引き上げたとしてどのような効果があるのでしょうか?

 JR西日本には1996年から高齢の社員の早期退職施策を進めてきて、対象者の60〜70%の社員が既に退職していると2001年3月期の「年次報告書」で述べています。
 実質的には、56〜58歳の希望退職の対象となる社員は殆どいないはずですが。

 経営者は「経営資源は?」との問いに「人・物・金」とよく言います。(人間を物や金と同じように扱われることは許せませんが)
 人を育てるには時間と金が係るものです。経営資源の重要な一つの要素を物・金以下に見てきたツケが今回の大事故の原因だと言うことが理解できていないの でしょう。

 また、このようなニュースは朝日新聞だけでなく、産経、日経、神戸等各紙同様の報道でした。
 新聞社というのは広告主である大企業の発表資料をそのまま活字にした新聞を「有料」で販売しているとしか思えません。

 福知山線の脱線事故後の記者会見で、JR西日本の経営幹部、労働組合、社員までも罵倒していたあの「正義感」はどこにいったのでしょうか。
 
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