ドンドンと頭の老化が進行していて、本の紹介も中々うまくできません。
老いていくのなら、知らず知らずのうちに自覚もなしに進行して欲しいものです。
自分の老化が受け入れられずに、見苦しく抗うような状態です。
そんな精神状態の時には、あっけらかんとした本を紹介できれば良いのですが。。。
今回は、南木佳士さんの芥川賞受賞作である「ダイヤモンドダスト」を紹
介します。
◆南木佳士
本の紹介に入る前に、南木佳士(なぎけいし)さんについてそのプロフィールを紹介します。
詳しくはこちらをご覧ください。(こちらのサイトから引用させていただきました)
1951(昭和26)年10月群馬県吾妻郡嬬恋村の生まれ。父は入り婿で鉱山会社に勤め、母は地元の小学校の教師をしていたが、南木さんが四歳のとき結
核で他界。その後は祖母に育てられた。
父の転勤により中学生からは東京で暮らす。都立高校から秋田大学医学部をへて佐久総合病院で働く。
南木さんの芥川賞受賞時の言葉だそうです。
「学校を出たての二十四、五歳の若者が、多くの想い出を抱え込んだまま旅立つ死者を見送ることは、苦痛であった。この苦しみから抜け出したくて小説を書
き始め、もう十年になる」
◆ダイヤモンドダスト
和夫は町の病院の看護士である。
母も同じように看護婦として働いていたが、和夫が小学校4年生の時に肝炎をこじらせて死んだ。
父の松吉は、鉄道会社の運転士だったが鉄道の廃線とともに退職してヤマメ釣りを楽しみにしていた。和夫が高校生の時に沢で足を滑らせたことが原因で半身
不随となっていた。
和夫は医者になりたかったが身体の不自由な父をおいて遠方の大学に行くことができずに隣町の看護学校に進学した。
東京から大学のテニスサークルの合宿に来ていて足首を捻挫して入院していた俊子と知り合い結婚した。
俊子は若い頃に悪性腫瘍の手術を受けていたが和夫には告げていなかった。
昨年、4歳の息子・正史を残して転移性の肺腫瘍で死んだ。
病床の俊子は「私は自分の死ぬ日のことを考えながら生きてきた」という。
松吉、和夫と正史の男だけの三世代の家族である。
そんな中、松吉が脳卒中で倒れる。
和夫の働く病院に入院した松吉と同室のアメリカ人宣教師マイク・チャンドラーは、末期ガンを患っており死期が迫っている。松吉とマイクの間には死に行く
もの同士の友情の
ようなものが芽生えてくる。
幼馴染でアメリカに住む悦子が帰省していて、和夫との関係を予感させるのですが、悦子は夏の終わりにアメリカに帰ると告げにきた。
少々重いテーマでした。
松吉の働いていたという鉄道のモデルは軽井沢から草津まで走っていた草軽鉄道のようです。今は廃線となっていますが存続会社の草軽交通のホームページに当時の写真などがあります。
◆冬への順応
カンボジア難民医療団に参加してタイのカンボジア難民収容所から帰国した「ぼく」は、初恋の千絵子が末期ガンで自分の病院に入院していることを知る。
「ぼくは今、初めて残される者になろうとしている。千恵子が死ぬ。ぼくは残る。千絵子が死ぬ。ぼくは残る−」
◆他に、帰国した難民医療団の忘年会での出来事を書いた「長い影」と、難民医療団で知り合ったカンボジア人との交流を描いた「ワカサギを釣る」が収録され
ています。
最近、本の紹介をする時に、本の表紙を取り込んで貼り付けておりました
が、著者などの
著作権を犯していることが分かりましたので、すべて削除しました。
素人でもこのように簡単に自己表現をすることができることは大変ありがたいことですが、他者の権利を知らずに侵害していることも多々あることでしょ
う。注意しなければなりません。
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