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05/10/26 小さな政府

 23時ごろ就寝して、2時か3時に目覚め眠れない日と、6時にセットした目覚ましの作動までゆっくり 眠ってしまう日が交互になっています。
 一昨夜は十分眠れて良い気分で一日を過ごしたのですが、昨夜は23時頃就寝して、3時前に目が覚め「眠らなければ」と無理に横になっていたのですが、浅 い眠りのまま朝を迎えてしまいました。今日は一日中かったるい気分で過ごさねばなりません。

 いつも紹介させていただいているアシスト社のビル・トッテンさんが、ハ リケーンの被害などについて「民営化」というキーワードで書かれた記事がありましたので紹介します。
 「民営化、自己責任の社会」(OW701 2005年10月24日)

◆ハリケーン・アイバン
 04年9月に過去50年間で最大規模の風速160マイルの大型ハリケーン・アイバン(ウィ キペディアより)がカリブ海諸国(グレナダ、ジャマイカ、キューバ)を直撃した。
 キューバでは避難勧告により1500万人以上の国民が高地に非難し、2万世帯が破壊されたが死者はなかったし、略奪や暴力もなかった。
 

◆ハリケーン・カトリーナ
 ニューオリンズを襲ったハリケーン・カトリーナ(ウィキペディアより)では、死者は1121人(朝日新聞

 ビル・トッテンさんは、アイバンに直撃されて死者を出さなかったキューバと、カトリーナに直撃されたニューオリンズの違いは、キューバには「米国のよう な大きな貧富の差がなかったから」だと指摘されています。

◆キューバでの避難システム
 キューバでは下記のような避難システムがあったのだそうです。
 ・綿密に計画された避難警告システムがあり
 ・地域住民の避難に際して誰が手助けがいるのかが明記された資料があり
 ・避難シェルターには近隣のかか りつけの医師が配置され
 ・例えば誰がインシュリンを必要としているのかといった情報まで配布されていた。
 ・医師であってもわれ先にと自分の車で安全なホテルへ避難するのではなく、近所の人々と一緒にシェルターへ移動する。

 豊かででありながら多くの死者を出した米国と、そのアメリカから経済制裁を科せられている貧しいキューバの現状だそうです。

◆アメリカの貧困
◇04年のアメリカの貧困率は12.7%だそうです。
 ※貧困率:標準的な所得の半分以下の所得しかない人の割合(2005年6月9日「しんぶん赤旗」)
◇3700万人が貧困線以下で暮らす。
 ※貧困線:最低限の生活を維持するための物を購入することができる収入水準
◇貧困者数はブッシュ政権成立の年から四年間で590万人も増えた。

◆日本人が忘れつつあること
 以前紹介した「火の誓い」で河井寛次郎さんは、日本の農村のありようをこのように書かれています。
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 八十戸ばかりと言われるこの部落には豪壮な大地主の住居の無い代わりに、みすぼらしい貧農は一軒もない。いずれも大なり小なり、確(しっ)かりした自作 農ばかりである。この村は個々の集まりが全体だという感じよりは、全体があって個々だという方の思いが先に立つような村なのだ。この村を見る人は誰でも個 々のものより全体を先に見付け出すに違いない。(「部落の総体」より)
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 つづいて、ビル・トッテンさんの文章を引用させていただきます。
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 農耕民族が一つの水源を共同で使い、秋の収穫を目指して田畑に気を配りつつ助け合いながら暮らしてきたからだと言えば、西洋人の懐古趣味だと言われるか も しれない。しかしそれのどこが悪いのだろうか。地震や台風がくれば自分の家だけでなく高齢者を気遣う、そのような行動は今日、明日で身に付くものではな い。祖父母や両親の姿を見て、そのDNAの中に助け合いや共存共栄が染み込んでいたのが少し前の日本人だったように思う。よく「島国根性」などといって悪 い面ばかりを指摘するが、米国についてはすべてを美化し、悪い部分を見ないようにしていることに気付くべきである。
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 私たちは、私たちの周りに存在した大切なものを見失いつつあるですね。

◆小さな政府
 小泉政権は「『改革』を進め、『小さな政府』を目指すのだ」と叫んでいます。
 彼らのいう「改革」「小さな政府」はいったい誰のためのものなのでしょうか?

 ビル・トッテンさんは下記のように明確に指摘されています。(箇条書きにさせていただきました)
 ◇国を動かしている一部の富裕層が政治家をも動かしている。
 ◇一部の富裕層は自分たちの利益になるように政治家に奉仕させている。
 ◇一般の国民を支援するためには税金を使わせたくない。
 ◇だから社会投資はなるべく少なくする。
 ◇富裕層は自分の子弟は私立に行かせるので公立学校への予算削減を主張する。
 ◇高額な民間の保険に入れる自分たちには国が提供するメディケアなどの 国民健康保険もなくしたい。
 ◇民間のガードマンを雇えるから警察さえ少なくしようとしている。
 ◇すべてを民営化、私有化して社会投資を少なくしたい。
 ◇社会的弱者に使われるお金はなるべく少なくしたい。
 ◇避難命令を出したのだから、被災したのは 自己責任だ。
 ◇おそらく今ブッシュ政権がもくろんでいるのは被災地の復興作業でどうやって企業をもうけさせるかであろ う。

 ◇小さい政府、民営化、自己責任の社会。それが日本があがめる米国である。

◆台風や地震などの自然災害の多い日本が、見習うべきはアメリカなのでしょうか?キューバなのでしょうか?
05/09/28)にのぼり、略奪や暴力事件が発生し戒厳令が敷かれた。
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