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05/11/06 1998年

 先日の 「残日録」で自殺者の統計データを紹介しまし た。

 自殺者数は年々増加しており、特に1998年に自殺者数が急激に増加し初めて3万人を超えています。
 その後は、若干の増減があるものの3万人を下回ることはありません。

 1978年を1とした場合の自殺原因別の増減を右のグラフにしてみました。
 赤線は「経済生活問題」、その下の青線は「原因不詳」、その下の水色線は「勤務問題」です。

 自殺者が急激に増加している1998年に何か原因となることがあったのではないでしょうか?

 1998年の主な出来事を並べてみます。

◇2月:郵便番号が7桁になりました。
 郵便局の職員数が減少したり、時間外労働時間が少なくなったり、郵便物が早く確実に届くようになっているのでしょうか?
 新システムを開発したコンピュータ会社や自動仕分機などの機械を納めた企業だけが潤っているのでなければよいのですが。

◇4月:明石海峡大橋が開通しました。
 道路の通行料は高いようですが、趣味のサイクリングで徳島に出るには随分楽になりました。
 淡路島の地価はドンドン下がっているようです。橋桁の島になってしまうのかもしれませんね。

◇6月:金融監督庁が発足する。
 最近の明治安田生命の犯罪等を見ていると、不届き者が増えたから監督官庁を作る、監督官庁が摘発するから犯罪が明らかになる構造なのでしょうか?
 どうもそうではないですね。

◇7月:第18回参議院議員選挙投票
 <当選者数>

政 党名 非 改選
98 年改選
合 計
自由民 主党 59
44
103
民主党 20
27
47
日本共 産党
15
23
公明 13

22
自由党

12
社会民 主党

13
さきが け

自由連 合

無所属 10
20
30
合計 128
126
254

◇7月:公明党が政権参加する。
 先の参議院選挙で大敗した橋本内閣が退陣し、自民党・自由党・公明党の自自公連立内閣が発足しています。
 弱者の味方と称していた公明党が政権に参加した年から自殺者が激増していることは皮肉なことです。

◇7月:和歌山毒物カレー事件が発生する。
 被疑者夫婦が逮捕される前から、マスコミは異常な取材をしていました。
 あの種の事件がおきると、マスコミは「俄か検事」や「俄か裁判官」に変身してしまいます。

 何時になったら冷静な報道がされるようになるのでしょうか?

◇11月:太宰久雄さんが亡られました。
 太宰さんは私の大好きな映画「男はつらいよ」に第一作から出演されていました。寅次郎の実家の団子屋の裏の零細印刷屋の社長で寅さんから「タコ」と呼ば れていました。
 寅さんとの軽妙な掛け合いも楽しいものですが、「タコ社長」が語る中小零細企業の経営者の悲哀も良く憶えています。
 寅さん・渥美清さんも前々年の96年8月に亡くなられています。

◇12月:NPO法が施行される。
 最近はいかがわしいPO法人もたくさんあるようですね。
 また、大阪梅田などの繁華街で「ニセ募金」をしていた連中もNPOの名前を借用していたとか。
 何かができれば、それを利用して悪事を考え出す輩が必ずいるものですね。
 「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」ですね。

◆「自殺」は社会の病巣が我々 の目に触れる形で現れてくるのだ思っています。

 社会の病巣を少し覗いてみたいと思い今回は、自殺原因の「経済生活問題」に注目してみました。

 短絡的ですが「破産件数」と比較してみました。

 右のグラフは、破産件数と自殺件数を比べてみました。
 同じような傾向のカーブを描いていることが見えます。

 また、欧米では破産と離婚は密接な関係があると言われているそうですので、離婚件数もあわせて比較してみました。

 これも同じような傾向のカーブを描いています。

◇情報源
 ▽自殺者:警察庁統計調査より
 ▽離婚件数:厚生労働省「人口動態統計」より
 ▽自己破産件数:最高裁調べ04年分は速報値です

◆一つの仮説ですが、98年頃にサラ金に対する政策の変更(彼らは「規制緩和」と言うのでしょう)があったのではないかと思っています。
 例えば自動契約機の店舗外への設置を可能にするなど。
 情報源を新聞とインターネットに頼って おりますので、色々な制約はありますがもう少し調べてみます。

 そして、もう一つの要因として労働強化が進行しているのではないかと思っています。
 
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