歌手
の本田美奈子さんが、白血病で亡くなられたとのこと。どのような方か存じ上げませんが、若い方の死を見聞きするのはつらいものです。
さて、今回は検事総長をされていた伊藤栄樹(いとう・しげき)さんの「人は死ねばゴミになる」という、ガンの闘病記を紹介します。
この本は、随分昔にタイトルが気になって読んでみようかと思っていた本でしたが、縁がなくて中々読めないでおりましたが、大阪駅前第三ビルB2のあじろ
書林の百円
均一コーナーのお陰で読むことができました。
伊藤栄樹さんは、1925(大正14)年愛知県生まれで検察庁のトップ検事総長を1985(昭和60)年12月から1988(昭和63)年3月まで務め
られた方です。
検事総長在任中の1987(昭和62)年7月に虫垂炎の手術をされたのですが、実は盲腸がんだったそうです。
ガンの告知を受けられます。
「正月過ぎまでは生きられるでしょうか?」との問いに主治医は「イエス」とは答えない。
国家の要職である検事総長の職を辞するのは「ハイ辞めます」とはいきません。それなりの手続きが必要となります。
残された時間は半年足らずです。
検事総長の仕事を、病室と小康時に一時外出で処理しながらの辞職の準備、計画中だった自宅の新築工事、家族との別れの準備をされていきます。
検事総長としての事務処理、会議への出席、人との面談、会食、知人の葬儀への参列・弔辞を読む等々死の病に犯されたと思えないほどの忙しさです。
敗戦直後の新米検事の仕事振り、ロッキード事件の思い出など検事生活のことや、進んでいく病状、医師団(部長以下6名)の処置なども克明に書かれていま
す。
一気に読み終えたのですが、紹介の文章が中々形にならずにおります。
中途半端な紹介ですが、現在の頭の状況ではこれくらいしかかけません。
最後に、伊藤さんの闘病中の句を紹介します。
”腸腐る 病に伏して 蔦紅葉”
”小春空 もすこし生きて いたくなる”
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