05/11/29
小泉批判が封じられている
西村議員の逮捕、送検で直接本人の発言を耳にすることは当面なくなりま
したが、先の「残日録」(05/11/27)
に書きました耐震強度偽装事件につ
いて、自民党の武部幹事長は相変わらずの能天気な発言をしておりますので紹介します。
26日、釧路市での講演で「悪者捜しに終始すると、マンション業界は、ばたばたとつぶれる。不動産業界も参る。景気がこれでおかしくなるほどの大きい問
題だ」と述べています。
「『悪者捜し終始…景気に響く』武部幹事長」(東京新聞 05/11/27)
政権党の幹事長が、国民の生命と財産を蔑ろにして、献金元の建築・不動産業界を守る発言をしているのはけしからぬというより、馬鹿なのでしょうか?
いやいや、この人はぼんくら顔をしていながら、したたかな確信犯かもしれません。
武部幹事長の「問題発言・行動・迷言」はウィキペディアの武部勤のページをご覧ください。
この人は「問題発言、迷言」の後にすぐに撤回、釈明する癖があるようです。今回も例によってすぐに言い訳をしております。
「この問題を放置したら景気に影響する(という趣旨だ)。業界寄りの発言をしたなんてとんでもない」と言っているようですが、新聞の記事を読めば「放置
したら」とは全く読めません。
「真相究明などしていたら」という脅しにしか読めません。「軽佻浮薄」とはこの人のためにある言葉ではないでしょうか。
このような問題発言を繰り返す人を党の要職につけている自民党総裁の責任も問われるべきでしょう。
「耐震強度偽造で自民幹事長『検査の国費助成制度も』」(フジサンケイ・ビジネスアイ 05/11/29)
さて、本題です。
日経BP社のWebサイトに経済アナリストの森永卓郎さんが書かれているコラムを「残日録」(05/11/01、05/11/17)
で紹介してきました。
今回は、「小
泉批判を
封じる「空気」が支配する暗い世相」と言うコラムを紹介します。
◆体制側について生きていくのか?
先の総選挙直後から、森永さんが主張されている「増税」「インフレ」「戦争」の3つのリスクは実現される可能性が高く、そのような世の中でどうすれば
「正気を保
ち、幸福に生きていけばよいのだろうか」と問われています。
◇転向
総選挙前は小泉批判を繰り返してきたある女性評論家は、自民党圧勝後は積極的な小泉応援団になりテレビ出演の機会が増えているそうです。森永さんはこの
女性評論家に注目されているそうです。誰でしょうね。
世の評論家と言われる人たちのビジネスモデル(商売の方法)は「テレビで顔を売って」「地方講演で金を稼いでいる」のだそうです。
一度紅白歌合戦に出れば、後の数年を地方公演で稼ぐ演歌歌手と同じビジネスモデルですね。
その評論家たちにとっては、テレビ出演は死活問題であり、生活の為に「転向」する人も生まれてきます。
相変わらず小泉批判を繰り返している森永さんのテレビ出演は急激に減っているとのこと。
「造反」議員と言われ刺客候補と戦い勝利しても、選挙後には党主流に屈服・転向し、政治家としての安全に生き残る道を選択した議員や地方支部も同様で
す。
◇小泉批判勢力は絶滅危惧種?
森永さんを初め、未だに小泉批判を続けている評論家は10人程度だといわれています。
「政府が評論家やマスメディアに直接圧力をかけているわけではない。だが、それだけにかえって厄介なのである。
政府批判→テレビ締め出し→講演キャンセル→経済的窮乏の悪循環
政府が弾圧しているわけでもないのに、批判勢力がテレビに登場できないのは単純な理由である。視聴率がかせげないからだ。さらにいえば、マスメディアが
『時代の空気』というものに圧力を受けて、自縄自縛になっているのである」
露骨に政権党に迎合するような風潮をテレビを初めとするマスメディアが作り出しています。
これは、情報の送り手(作り手)が世の中の匂いに敏感に反応しているからでしょうか?
そういう自己規制もあるのでしょうが、情報の作り手・送り手への外部からの圧力があるような気がします。
◇批判する人は抵抗勢力
小泉首相風に言えば、小泉さんや自民党の政策を批判する人たちは「抵抗勢力」なのでしょうね。
批判の目を持ちながら「転向」し、太鼓持ちに成り下がっている「評論家」は彼ら自身の問題で、いずれは歴史が彼らを審判するでしょう。
しかし、マスメディアが政府に対する批判を送り出さなくなれば、国民は批判の視点に触れる機会がなくなり、政府を支持するか無関心になってしまうしかあ
りません。
恐ろしいことです。
政府は彼らの支持者の利益のために思うままの政治を実行できる独裁国になってしまいます。
◆田舎暮らし
体制側について生きていくこと以外に、幸せを追求して生きていく方法は田舎暮らしだといわれています。
お金も余りかからず、米や野菜を作り地域で助け合いながら生きていく方法があると。
「それは、田舎に引っ込むことだ。自分で米や野菜を作ったり、わなにかかったイノシシを食べたりして暮らせば、夫婦で年収150万円でも暮らしていけ
る。
とくに、田舎に親や親戚がいれば暮らしやすい。都会と違って家族制度もまだしっかりしている地域が多いので、お互いに助け合って生活していけるだろう」
森永さんの言われるように簡単に田舎暮らしはできないでしょう。
また、体制側について生きていく方法の対極が「田舎暮らし」ではないように思います。
節を曲げないで、自分の幸せも見つけれらる生き方を探しましょう。
森永さんはご自身の経験も踏まえて、都会の中での田舎暮らし風の「アキバ系」の生き方についても書かれていますが、私にはよく理解できませんので紹介し
切れません。原文をお読みください。
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