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06/01/12 いよいよ翼賛体制?

 何時も紹介させていただいているソフト ウエア販売会社アシストのビル・トッテンさんはコラム「Our World」で「No.709 人と人とのネットワーク」(2005年12月19日)と題して、下記のように書かれています。

 「詐欺に遭わないためには、詐欺師の言うことではなくその行動を見ないといけない」

 小泉首相が非核三原則を大上段に振りかざし、イラクの生物化学兵器の即時廃棄を求めるのは当然のことと言いながら、08年に米軍横須賀基地に原子力空母 の配備を認め、自らは非核三原則を踏みにじっています。

 「米国の、そして日本のリーダーの、言うことではなく行動をしっかりみていかないと、日本がイラクのような危険な目に遭わないとも限らない。」と書かれ ています。

 小泉首相の発言は「詐欺師の言うこと」と同様で、昨年12月に唐突に発 言した民主党との「大連立」構想が、年が明けてからも賑やかに騒がれています。
 自民・民主、自民・民主・公明などの連立政権が成立すれば、憲法改正も何でもありのオール与党体制となります。戦前の翼賛政治の復活です。

 彼らの発言でなく、行動をしっかりと見ていきましょう。

◆ラブコール
 小泉首相は4日の記者会見で「(民主党は)安全保障面でも、憲法改正の問題でも、 簡素で効率的な政府を目指そうということでも、かなり自民党と似ているところがある」と、憲法改正や消費税増税を成し遂げるために民主党を取り込みたい思 惑のようです。

◆党利党略
 「大連立」の大きな障害となるのが現在の小選挙区制です。
 小選挙区制は民意を正しく反映しない制度ですが、この選挙制度により日本にも二大政党制が定着し政権交代がしやすくなると言われていますが、「大連立」 には不向きな選挙制度です。
 選挙区で自民党と民主党の候補者が凌ぎを削っていて「連立」はできないでしょう。

 そこで小泉首相の口から出るのは「(中選挙区への)選挙制度の見直し」です。
 なんとも国民を馬鹿にした発言です。
 選挙制度は民意を正しく反映するかどうかを判断すべきことであり、党利党略のためのものではありません。

◆与党の水は甘い
 一度与党の甘い水を味わうと忘れられない麻薬のようなものなのでしょうか?

 小泉首相の一連の「大連立」発言に対して公明党の神崎代表は「与党が衆参両院で過半数を確保している中で、野党第一党との大連立をうんぬんすること自 体、民主政治の否定につながりかねない」と発言しています。

 そして、「(与党として)大事なことは来年の参院選だ。大変に厳しい選挙になる。自公間でしっかり連携しないと過半数はなかなか取れない。そこに「大連 立」のような “くせ球”を投げてこられると、私どもも自民党を本気で応援していいのかなとの気になる。信頼関係が損なわれる恐れがあり、あまり、すきま風は吹かさない でもらいたい」と自民党を牽制しています。

◆前原民主党
 昨年の訪米時の発言(憲法改正、自衛隊の増強など)についての党としての総括もないままですが、財界の大物を通じて打診されたという小泉首相からのラブ コールは打ち消しに必死の様相ですが、これからの彼の行動も要監視です。

  「常に政権交代をめざし、国民の目線に立って、違う選択肢がほしいという国民の受け皿となる準備をしなければならない」と発言しています。
 前原代表のいう「国民の目線」の国民とはどういう層を指しているのでしょうか?

 「民主党は、日米同盟関係も必要だし、自衛隊も重要だと考えており、立ち位置という意味では、昔の自民党と社会 党のような大きな違いはない」(日本経団連『経済トレンド』一月号)と、経団連に言われてしまう前原民主党です。
 マスコミには「前原氏が自らの個性を出そうとすればするほど、民主党と自民党との違いが分からなくなる」という声もあるそうです。

 「やまぬ『大連立』発言 自民・民主に『違いなし』」(しんぶん赤旗 06/01/10)
 「NHK番組で神崎代表」(公明新聞 06/01/09)
 「中選挙区制回帰なら 自・民大連立ある?」(東京新聞 05/125/30)
 「首相が民主と連携に期待感、前原代表は改めて否定」 (読売新聞 06/01/05)

 冒頭に紹介したビル・トッテンさんは、コラムを次のように締めくくられ ています。

 (前略)「政府が情報を統制しようというのならば、人と人とのネットワークにつながることが大切であろう。ネットワークにつながれば、私のところに情報 が集まるように人々は知らないうちに情報を伝達する役目を果たすようになる。それがインターネットであっても草の根であっても、そのネットワークが広まれ ば日本から世界が変わることも決して不可能ではないと思うのだ。」

 こんな小さなサイトの小さな書き込みも、そのネットワークの末端に繋がり、世の中を変える力に繋がっていたいと思います。
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