06/02/15 共社共闘の復活
1970年代前半、社会党と共産党の共
闘により反公害、福祉重視、憲法擁護を掲げて多くの革新自治体が生まれました。
最大時には人口比30%以上の自治体が革新自治体となりました。
その大きな流れは日本の社会が、大きく変わるのではないかと予感させるものがありました。
その大きな流れも、70年代後半になると革新首長の自民党に迎合するような変節や、革新自治体の象徴的存在であった京都府知事選での社会党の離反、80
年には政権構想から共産党を除くことを明確にした社会党・公明党の社公合意により、社会党と共産党の関係は共闘どころか敵対的な関係になっ
てしまいました。
憲法改悪が声高に叫ばれている今、憲法改悪を阻止しようとする市民運動が「9条の会」などを中心に活発になっていました。
政党レベルでの共闘が待たれていた中、やっと共産党と社会民主党が党首会談を持つこととなりました。
◆共産党・新執行部が共闘の申し入れ
1月23日、共産党は「憲法改悪反対、九
条擁護の一点で、国民的な共同を広げるための努力が強く求められている」「いま、国会に議席をもつ政党のなかで、憲法改悪反対と九条擁護をつら
ぬいている政党は、日本共産党と社会民主党です。この両党の共闘関係が
成立するならば、憲法擁護闘争の発展にとって積極的な貢献になることは間違いありません」と両党の会談を申し入れました。
◆社民党が共社党首会談に応じる
社民党の福島党首は13日、国会内で共産党の志位委員長と会い、共産党が申し入れていた憲法改正阻止の共闘に関する党首会談に、応じる考えを示した。
「憲法改悪反対の一点で共闘を」(しんぶん赤旗 06/01/24)
「『統一戦線』へ粘り強い努力を」(インターネット新聞JANJAN 06/01/27)
「憲法改正阻止で共社党首会談へ」(2006年2月13日18時16分 読売新聞)
◆大歓迎
70年代に青春時代を過ごした私には、今回の共産党と社民党の共闘への第一歩となる党首会談は大歓迎です。
社民党が、公明党の要求に屈して政権構想から共産党を外すという過ちを克服し、党首会談に臨む勇気も評価したいと思います。
小異を捨てて大同団結してもらいたいと切に願います。
両党が粘り強く交渉を重ね、憲法改悪を阻止する大きなうねりが一層大きなものになるように期待しています。
◆朝日新聞(06/02/15)の社説を読む
見出しの「共産と社民 昔の夢よ再びですか」を見ると、今回の共産党と社民党の党首会談を皮肉っているのかと思い読んでみました。
「『社共共闘』と言えば、どこか懐かしい響きを感じる人も多いのではないか。60年代後半から70年代にかけて、旧社会党と共産党が協力して、東京や大
阪の知事をはじめ多くの自治体で革新首長を誕生させた時代があった。」
そのとおりです。私も懐かしく思う一人です。
社説では、両党の執行部よりも「一線党員たちのせっぱ詰まった危機感」が、今回の動きを生んだと指摘しています。
また、国会内ではわずかな勢力ではあるが、両党が「護憲」で共闘することの意味は小さくないと評価しています。
最後に「小さな石だが、市民団体や労働組合など政党を超えた連携に広げられれば、波を呼ぶこともあるかもしれない。」と結んでいます。
まったく、そのとおりだと思います。
因みに他紙にはこの問題に対する社説はありませんでした。
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