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06/03/29 腐った会社

 全国紙の広告に次のような広告が出ていれば、あなたはどのように理解しますか?

 [東京へはお得な特便割引で。岡山=東京、11000〜](日本航空)

 私は「利用便を選べば、岡山から東京に行くのに11000円、往復しても22000円、今度の出張に使おう」と思います。
 でも実際に割引対象の便は「東京から岡山の早朝1便だけ」だったのです。
 利用便を選ぶことができない「特便」です。

 こんな詐欺のような広告を日本航空(正確には日本航空ジャパン)が出していたそうです。
 同様の広告を出していて公正取引委員会から、昨年5月に注意を受けていたのに改善されなかったため、今回は「景品表示法違反(有利誤認)」で排除命令が だされました。

 日本航空ジャパンが不当な広告を出していたのは、05年から06年1月の間に宮城、岡山、広島、愛媛、鹿児島県内での新聞や時刻表に掲載した国内便の運 賃広告だそうです。
 会社は「広告では『岡山=東京』など空港間を『=』で結んでおり、問題ないと考えていた」と説明しているという。

 この会社の広報もやっぱりバカですね。
 小学生が使うような言い訳です。

 輪をかけたように持ち株会社の日本航空は「最初に注意を受けた営業担当者が公取委から注意を受けた認識を持っておらず・・・」とコメントしているようで す。
 この会社はどんな会社なのでしょう?
 社内での「不当な広告」だとの指摘ならともかく、いやしくも公取委から「注意」が出されたことがまともに取り扱われていなかったとは恐れ入ります。
 自浄作用がないばかりか、外部の指摘も聞き入れられない組織なのですね。

 「日本航空ジャパンに排除命令 特便割引の表示巡り公取委」(朝日新聞 2006年03月24日)

◆今回の不当広告は新聞に掲載されていたそうですが、新聞社の広告担当は出稿される広告の内容についてチェックしていないのでしょうか?
 週刊誌の広告のコピーを変更させたりすることがあると聞いていますが。

◆「残日録」(06/01/17)で大阪市営地下鉄の割引広告が誇大広告ではないかと書きました。
 同様のずるい広告はたくさんあるのですね。

◆日本航空の事故
 05年4月に運航トラブルや整備ミスの再発防止策を策定したあとも、逆噴射装置が作動しなかったり、エンジンの取り付け位置を左右で間違えていたり等と 相変わらずの日航ぶりでしたが、3月にも確信犯的な事件が二重に発生しています。

 3月22日に発覚したのは、主脚部分の亀裂などを調べる定期点検を期限内に実施せず10日間(41回着陸)も運航していた。
 翌23日にはこの主脚部分を緊急に点検した整備士がマニュアルどおりに点検をせずに運航させていた。
 この整備士は「時間がなかったので焦っていた」と言っているそうです。

 日本航空に安全より大事なものがあるとは信じられません。
 123便の事故の犠牲者に誓った「絶対安全の誓い」とは何だったのでしょう。

◆労働組合
 問題のある会社では、労働組合が結成されていない、労働組合が労使協調し機能していない、労使協調の第二組合が作られている等、労働組合が機能してない ことが原因となっています。

 「残日録」(05/03/28)などでも取 り上げてきましたが、日本航空の労務政策が大きな事故に繋がらなければよいと思います。
 20年前の123便の事故の前にも、労働組合は分裂させられていましたし、事故も多発していました。
 あまり飛行機に乗る機会はありませんが、日本航空グループには乗りたくありません。
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