06/04/06 民主党「ニセメールレポート」
今回は3月31日に駆け込みで公表され
た民主党の党内調査結果
「民主党 「メール」問題検証チーム報告書」(06/03/31)を紹介します。(本稿では敬称を略してありま
す)
◆その前に、06年度の政党交付金が決定されましたので紹介します。http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060403_1.html
年間300億円以上もの税金が政党に交付されています。
あのだらしない民主党に年間100億円以上の税金が使われているのです。収支報告書以外に党運営の姿を国民に見せる必要があるように思います。
日本共産党はこの制度に反対しているので政党交付金を請求していません。
◆読みづらいレポート
◇長文
A4判39ページ、3万字に及ぶ量的にも読みづらい文章です。
◇誰に宛てたレポート?
形式的には、民主党の「『メール』問題検証チーム」から常任幹事会への報告資料(党内資料)の体裁を取っています。
しかし、こうして公開することが前提の資料であるのなら国民に宛てた分かりやすい文章でなければならなかったと思います。
「はじめに」という項に、報告書作成の趣旨が書かれていますが私にはよく理解できませんでした。
「『偽メール事件』を客観化し、できうる限り克明に事実を認めて説明責任を果たし、その上に立って反省すべきを反省し、国民の皆様方をはじめ政治に携わ
る人々に対し心から謝罪するため、また、コンプライアンス論や組織経営的視点から、「民主党」の弱点や欠陥を摘出してその克服法についても提言を行い、少
なくとも民主党所属国会議員一人ひとりの課題と考え、議論するため、本報告を作成した。」
◇子どもの作文のような文章
何をいおうとしているのか分からない文章が続きます。
「1月30日頃、永田議員は、西澤氏の依頼により会食したが、西澤氏から『西澤氏の妻がいずれ選挙に出たいと考えている』との話が出たため、『永田議員
の秘書とすることを前向きに検討してもいい』と伝えると、西澤氏は『自分はお金に困っていない』ので人件費度外視でもありがたい旨述べた。」
▽読点が多くて読みづらい。
▽「西澤氏の依頼により会食」って何でしょうか?
西澤に「誘われて」飲み食いをしに行ったのでしょう。「Aさんに依頼されて食事をした」というような用法があるのでしょうか?
▽西澤は自分のことを「西澤氏」と言うのでしょうか?
▽「人件費度外視でもありがたい」との表現も妙な用法です。
◆氏名が公表されない人が多い
情報提供元をはじめ、この報告書で名前が出てきているのは西澤孝と「デュモン」編集長のS(イニシャルのみ)だけです。
謎の登場人物がたくさんいます。
▽永田、西澤の会食に同席する自称フリーのアナウンサーと言う女性
▽西澤を売り込む某誌の副編集長
▽西澤を永田に紹介した民主党の議員の秘書
▽上記議員の氏名も公表されていません
せめてこの議員の名前くらい出してもよいだろうにと思います。
◆何故、3月31日の公表か?
衆議院懲罰委員会による「情報仲介者・西澤」への証人喚問が4月4日に予定されていました。
この文章の公表で西澤の証人喚問がなくなりました。
うがって見れば民主党は、西澤に公開の場で話して欲しくないことがあったのでしょうか?
◆曖昧な情報
◇情報提供者は「元ライブドアファイナンスの社員」と書かれていたり「元ライブドアの社員」と書かれていたりします。
この報告書の信頼性を大きく損なう部分です。
◆ニセメール入手の経緯
難解な報告書からいくらからは分かりやすく時系列に並べてみました。
民主党内では、この後に大騒ぎの「情報提供者」「振込口座」探しが始まりますが、また整理してみましょう。
◆見えてくるストーリー
西澤という「情報屋」の仕掛けた小さな陰謀なのか、もっと見えない大きな力が関わった謀略なのでしょうか?
この芝居は永田という馬鹿がいないと成立しないものです。こんなにうまい具合に馬鹿がいて、簡単に誘いに乗ってくることを想定した甘い謀略はないでしょ
うから、脚本:西澤、主演:永田、助演:西澤の安っぽい三文芝居のようです。
そして、この事件で一番得をしたのは誰でしょう?
一番損をしたのは国民ですが。
◇西澤が永田に接近してくる状況
雑誌の取材と称して民主党議員を数名集めてと依頼し「永田と石関は入れといて」と要求しています。
▽永田寿康:1969年生れ、東京大学工学部卒、大蔵省に勤務
▽石関貴史:1972年生れ、早稲田大学政治経済学部卒、郵政省に勤務
永田でも石関でも、どちらでも良かったのでしょうね。
◇煽り、追い込み
2月8日、送金指示のメールだといってプリントされた紙を渡し「某週刊誌も取り上げたいと言っている」と永田の国会での質問をせかせている。
物を売る人たちが「在庫がわずか」とか「他にも商談が進んでいる」などと購入者を追い込む手法です。
◇情報は小出しに
昨年の10月から「ライブドア関連のネタがある」と持ちかけ、要求されると金融機関名や支店名、口座番号等を少しずつ出していきます。すべて確証の取れ
ない情報を。
◇じらし
西澤は情報提供を「国会で取り上げること」を前提に話していたのに、国会質問が具体的になってくると「情報提供者が難色をしめしている」等といってじら
して情報提供者が実際にいるように装っている。
◇迷優・永田
どう考えても永田という馬鹿がいないとこの物語は成立しません。
初対面の西澤に「良い印象」を持ったり、4度ほど会った西澤を同僚の原口に紹介するのに、
「『旧い友人』で『1回の広告収入を1億円上げている、日本をともに変えていくことができる人物』」と提灯持ちをしています。
この軽薄さは天然なのでしょうね。
広告収入が1億円あげられる人間と、日本を変えていく人間にどんな因果関係があるのでしょうか?
他にも、
日付と送金額だけを言われ、送金元、送金先の口座番号を確認せずに「メール」を信用しています。
西澤から「妻が選挙に出たがっている」と聞けば。自分の秘書にどうかとその場で提案しています。政治的な信条でなく情実で秘書を雇うのですね。税金で。
取り上げれば切りのないような報告書でした。
あのようなレポートが年間100億円も税金を使っている政党の不祥事の後始末の文章かと思うと情けないことです。
マスコミはこの不祥事を忘れたかのように、民主党の代表選挙をたいそうな問題のように伝えています。
誰を利するためか知りませんが、民主党をおだて甘やかせ「政権交代可能な2大政党を」などという幻想を撒き散らす軽薄で薄汚いマスコミにも呆れたもので
す。
仮に現在の民主党に政権担当能力があったとして国民の生活が変わることがあるのでしょうか?
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