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06/04/11 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 4月ももう三分の一が過ぎました。学校 の新学期もはじまったようです。
 入学、進学、就職そして引越しと、新しい生活がはじまる4月です。

 灰谷健次郎さんの「兎 の眼」を紹介しようと読み込んでいます。小学校の新任の先生と子どもたちや地域の住民、教師たちとのふれあいが綴られた児童文学の傑作です。(近 いうちに紹介 します)

 この小説の中で転校する子どもに対して「さよならだけが人生だ」と担任の教師がつぶやく場面があります。
 この場面でこの言葉だけを読んでみると、子どもとの別れを少しやけ気味に表現しているのかと思ってしまいますが、もう少し深い意味のある言葉でした。

 「さよならだけが人生だ」を昔に読んだ井伏鱒二さんの本に出てきた言葉だと思い出してインターネットで探してみました。
 全文を読むと深い友情? 師弟愛?、、を詠った味わい深いものです。

 「勸酒」于武陵
 勸君金屈巵 [君ニ勸ム金屈巵(きんくつし)]
 滿酌不須辭 [滿酌、辭スルヲ須(もち)ヒズ]
 花發多風雨 [花發(ひら)ケバ風雨多シ]
 人生足別離 [人生、別離足ル]

 晩唐(9世紀頃)の詩人、于武陵(う・ぶりょう)の詩です。
 金屈巵は金の取っ手のついた杯だそうです。

 この漢詩を井伏鱒二さんは、こんな綺麗な日本語に訳されています。

 コノサカヅキヲ受ケテクレ
 ドウゾナミナミツガシテオクレ
 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

 新しい出会いや別れのある春、こんな季節にふさわしい詩でした。

 我が孫のJ君もこの春から小学生、何もしてやれないじいさんですが、あなたがお酒を飲めるようになれば、こんな詩を肴に杯を傾けたいものです。

 コノサカヅキヲ受ケテクレ
 ドウゾナミナミツガシテオクレ
 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

◆今週のベランダ
 左は2回間引きをしたラディッシュです。
 根も立派に張っていて、まもなく球形になっていくのでしょう。

 右は相変わらずひ弱なほうれん草です。
 間引くほどもないのですが、一度間引いた状態です。
 食用になるには未だ未だ時間が掛かりそうです。

 先々週末に蒔いたラディッシュはもう芽が出ていますが、コリアンダーはまだ発芽の気配がありません。

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