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06/04/18 気になる社説

 「残日録」(06/04/08)で、ビル・トッテンさんの格差の拡大と機会均等に付いてのコラムを紹介しまし た。
 小泉首相は「機会均等だから誰にもチャンスはあり、その中での格差の拡大はしょうがない」といっています。
 ビル・トッテンさんは、機会が均等であれば等しく成功することが可能なはずであるが、豊かな人と貧しい人、健康な人と健康でない人など機会均等は幻想で あると言われています。

 そんな中に「おやっ?」と思う記事がありました。「成長と改革のなかから格差問題の解を」(06/04/11 日本経済新聞・社説)です。

◆格差は広がっている
 「1億総中流といわれた日本社会が変わり、所得や資産の格差が広がりつつある。」(引用)
 日経新聞にも小泉首相と違って格差が拡大していることの認識はあるようです。

 そして、その原因は「格差の背景には長かった景気停滞と、急速に進むグローバル化やIT化、財政難、高齢化など構造的な環境変化」(引用)だとしていま す。

◆格差拡大の課題
 あまり格差が拡大すると社会の安定を欠くために「経済成長を促すとともに、経済の環境変化に応じた改革を進めるなかで格差問題への解を探すのが本道であ ろう。」(引用)といっています。
 「社会の安定を欠く」というはどのようなことでしょうか?
 格差があることに問題があるのではなく、格差があると「社会の安定を欠く」ことが問題なのでしょうか?

◆格差の解消
 「対応策の第1は経済成長を長期に続けることであり、そのため規制改革や官業の民間開放、規律ある資本市場の整備、財政資金の効率的な配分、起 業支援などの改革を着実に進めるのが課題となる。」(引用)
 私は格差の拡大の一番の元凶は自民党政府の進めて来た構造改革にあると思っています。
 その構造改革を尚一層進めていこうという考え方は納得できません。

 「もはや所得や資産など「結果の平等」を保障できない以上、教育や起業支援を含め、あらゆる面で「機会の平等」を保障することである。」(引用)
 機会均等などというものは、国民の立つ位置が平等だという幻想の上に成り立つ論理です。

 「加齢や病気などで本当に困っている人への福祉水準の維持を明確にすべきである。仮に格差が拡大しても一定水準の生活を国が保障すれば人々は安 心できるし、構造改革を進めやすくもなるだろう。」(引用)
 何と言う論でしょうか?
 格差が広がっても、死なない程度の塩を与えておいて尚一層収奪をする構造改革をすすめていくというのです。
 なんとも「日本」「経済」新聞らしい論調でした。
 
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