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06/05/01 耐震強度偽装問題、民主党の責任

 爽やかな天候と、サイクリング仲間に誘 われて滋賀県近江八幡界隈をポタリングしてきました。
 わずかな距離のサイクリングでしたが、心地よい疲れが残ります。
 さて、今回は耐震強度偽装問題について思うところがあり書いてみます。

 耐震強度偽装事件の真の原因は、1998年に建築基準法を改正して、そ れまで自治体が行ってきた建築確認・完了検査を民間会社にもできるようにした「民 営化」にあると思います。
 最近のマスコミの論調も「何でもかんでも民間への開放に問題があった」と幾分変化してきています。

 1998年、民主党はこの法律改正に賛成しています。

 「一方当時の自民、民主、公明、社民、自由、新党さきがけなど日本共産党以外の各党・会派は同法案に賛成しました。」
 「しんぶん赤旗」2005年11月19日(土)

 政党は自らの行動を国民に説明しなければなりません。過ちがあれば正さなければなりません。頬かむりは信頼を失います
 民主党は「姉歯秀次元建築士などの逮捕について」(2006年04月26日)と題する耐震強度偽装問題対策本部長の談話 が出されています。

 建築基準法の改正(建築確認などの民間への開放)に賛成してきたことに口をつぐみ「法律上は何重ものチェックが行われることになっているにも関わらず、 このような行為を長年見過ごしてきた建築行政の責任も極めて重大である。」と、運用の問題とすりかえています。
 この民主党の主張は自らの誤りを認めないばかりか、問題の本質を国民の目から覆い隠すことになり、同様の事件を根絶することはできません。

 日弁連は法案が上程された1998年3月に「建 築基準法改正についての申入書」(日本弁護士連合会 1998/03/18)と言う申し入れ書を出しています。

 その中で「相談事例を分析検討した結果,請負・売買の別を問わず,また,施工業者の規模を問わず,雨漏り,傾斜,亀裂,沈下等の深刻な欠陥住宅被害が全 国各地で多発しており,欠陥住宅被害発生の最大の原因が,建築基準法の予定する工事監理が形骸化していることにあることが明らかとなった。」と指摘してい ます。

 そして建築確認・検査の民間開放について問題点を指摘しています。
 「住宅は国民一般にとって高価な一生の財産であり,その欠陥は生命身体に重大な影響を及ぼし,社会問題となることもあるので,その安全性を確保するため には,例えば薬品行政と同じく,行政こそが,その安全性,とりわけ建物の最低限度の安全性に関する建築基準法令の規定が遵守されているか否かについて厳格 な検査をすべき義務がある。」

 「そのような営利を目的とする株式会社が『公正中立』な立場を保持できると到底考えられない。また,手抜き工事等の欠陥住宅を生み出す建築業界の実態・ 体質,業者に依存せざるを得ない建築士の現状等を踏まえれば,民間の検査機関によりどれほどの効果が期待できるかは,甚だ疑問である。」

 当時、日弁連が営利企業に公正な検査が期待できないと明解に指摘しています。
 民主党はこのように問題のある法案に賛成し、日弁連が危惧したとおりの欠陥住宅が作られ社会問題となっていることに法律の運用に問題があったと詭弁を弄 するのでしょうか。

 民主党は、党首が変わり政権交代が、主たる政治目的であるかのような言動が党内外から続いています。
 私たちは、政権交代を望んでいるのではありません。私たちは大企業、金持中心の政治、憲法を変えて戦争をする国なる政治から、憲法を守り平和で、大多数 の国民、とりわけ社会的弱者を中心にした政治に変換して欲しいのです。
 手段を目的にすりかえて国民の関心事を曖昧にすることは許されません。
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