06/08/24
神戸空港・開港半年
今年の2月に開港した神戸空港が開港半
年を迎えたようです。
開港時に「残日録」(06/02/16)で
取り上げました。
◇建設費(3140億円)の9割以上を神戸市が負担
◇空港経営の赤字は税金で穴埋め
◇地元市町村(兵庫県と大阪府北部)の半数以上が関西圏3空港は不要
◇企業や一般の利用者も神戸空港の利用に懐疑的
さて、半年後の状況はどうでしょうか?
◆利用客は伸びず
総旅
客数は半年間で約122万人、年間約270万人ペースで推移しており、神戸市の需要予測319万人を大きく下回るようです。
「達成率85%は成功」というのでしょうね。
開港時には76.7%だった搭乗率は7月には55.4%に下落しているそうです。
建設計画時から言われていた関西に3空港は要らないということではないでしょうか?
「関空・ベイシャトル」の乗船率は12.6%で予測の半分以下だそうです。
乗船率25%もかなり低い予測だと思います。25%で商売が成り立つなら甘い商売です。
神戸市長は「知名度が上がれば航空機も大型化し、乗客も増える」と強気の姿勢を崩していませんが、航空会社では「路線が不採算になれば、我々は撤退する
だけ。」と、厳しくも当然の言い分です。
開港半年の空港経営の収支について書かれた記事はありませんでしたが、開港特需で黒字だったのでしょうか?
「神戸空港、開港半年で『失速』 3空港で奪い合う構図も」(朝日新聞 06/08/16)
「神戸空港半年、搭乗率下がり予測達成に“黄信号”」(読売新聞 06/08/17)
「乗客数予測 年間換算50万人下回る」(神戸新聞 06/08/16)
◆県内企業も使わない
神戸新聞社の兵庫県内企業へのアンケートの結果では56%の企業が神戸空港の利用に消極的だったとのことです。
神戸市街地に立地する企業は利用、阪神間や西播磨の企業は利用を敬遠との構図のようです。
また、北側国交相が持上げていた神戸空港と関西空港を結ぶ高速船「関空・ベイシャトル」の認知度は49%だったそうです。
「神戸空港利用 44%止まり きょう開港半年」(神戸新聞 06/08/16)
◆過密空域
「開港後約3か月で到着機81機が旋回待機した。5月には上昇中の出発機が関空到着機と接近し、
衝突防止装置(TCAS)が作動したケースも。来年8月には関空の第2滑走路も完成するだけに、抜本的な対策が求められている。」(読売)
と読売新聞はり発着便の空域が関空と重なることに懸念を示していますが、神戸新聞は「上空待機は一日平均一回、着陸のやり直しは月平均二・四回と同省の
想定の範囲内」、「大阪航空局はこれらについて『想定の範囲内で、深刻な遅延は起こっていない』と判断、上空待機に関しては、五月上旬でデータ収集を打ち
切った。」と行政側に傾いた記事となっています。
事故が起こらねば良いのですが。
「神戸空港半年、搭乗率下がり予測達成に“黄信号”」(読売新聞 06/08/17)
「開港半年の神戸空港 着陸やり直し月平均で2.4回」(神戸新聞 06/08/17)
◆神戸市の借金
神戸市の借金は、地下鉄や下水道事業の特別会計も含めると市民1人当たり約180万円だそうです。
1世帯当たりでは430万円ほどになります。
神戸空港の建設費は3140億円で、その9割以上を神戸市が負担しています。
市民1人当たりではおおよそ18万5千円、1世帯当たりでは43万4千円です。
神戸市の借金の約1割が空港建設での借金だということですね。
そして、この空港は毎年借金を産み続けるのです。
「神戸市税8年ぶり増収」(朝日新聞 06/08/14)
◆シュレッダー事故
シュレッダー(紙裁断機)に子供が指を挟まれて切断するような事故が起きて、経済産業省はやっと業界団体に調査を要請したそうです。そして調査の結果
10年間で7件の事故が起きていたことがわかりました。
耐震偽装事件、松下温風暖房機事故、パロマ湯沸かし器事故、エレベータ事故、、、
この国の役所は国民に被害が出ないと何もしてくれないのですね。
マスコミも同様です。誰かが血を流さないと記事にしません。そして今度は正義感ぶって袋叩きにするのです。
何かが狂っているように見えてしまいます。
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