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06/09/10 山崎散策
 一日遅れの「9の日、9条、ハンスト・イン」に参加しています。
 自宅にこもっていると空腹感に負けてしまいそうなので、近所の散策に出かけてみました。

大山崎山荘美術館
 現在の企画展は「民藝の原点『三國荘』展」です。

 「柳宗悦を中心に起こされた民藝運動、その中ではじめて住宅と器物が一体となり総合的な美の手本として広く世に紹介する機会となったのが御大礼記念国産 振興博覧会(昭和3年)におけるひとつの展示館、『民藝館』です。博覧会終了後、役目を終えたこの建物は、朝日麦酒(現在のアサヒビール)の初代社長・山 本為三郎(明治26−昭和41)の自邸にに移設され、大阪の三國(現在の三国)の地名から『三國荘(みくにそう)』という名称が付けられました。」(美術 館のパンフレットより)

  ミネラルウォータのペットボトルを持って、蒸し暑い坂道を登って行きます。
 山荘の庭園にはおじさん、おばさんのグループがそこかしこでに写生に励んでいます。
 芸術の秋です。

 館内にもおじさん、おばさんが溢れています。
 大きなディバックを振り回しながら、大声で話すは、展示物を触るは、どうしようもない人たちです。

 黒田辰秋さんのテーブルや椅子などの家具がたくさん展示されていました。
 素朴な造りの家具が何とも言えず良かったです。

 モネの睡蓮の常設展示がされている新館に下りていくと、もう一つの企画「影山公章ジュエリー展」が開催されています。
 大山崎山荘の落葉をモチーフにした彫金のブローチなどが展示されていますが、無粋な私には良さも値打ちもよくわかりません。

 今日の訪問は館内でも庭園でもゆっくり出来ずに失敗でした。次回はゆっくりとした時間を過ごしたいものです。
 そうそう、今日は2階の喫茶室でお茶も出来ませんでしたから。
 
◆天王山
 近くに住んでいながら一度も登ったことのない天王山に登ることにします。
 大山崎山荘の裏手を寶積寺(ほうしゃくじ)に向かい、天王山へのハイキングコースを登って行きます。

 久し振りの山道の石ころが、だらしない脚に堪えます。
 
 酒解(さかとけ)神社の大きな石の鳥居の前に展望用の櫓が作られています。

 しばらく登ると「十七烈士の墓」があります。
 1868(元冶元)年の蛤御門の変で敗退した攘夷派の真木和泉守ら17名は山崎で長州の主力兵の引き上げを見送った後、京都を去るに忍びないと天王山に 登り自害したとのことです。
 その後、敗残兵の掃討作戦が展開され山崎の離宮八幡宮などが焼き払われたそうです。

  十七烈士の墓の先に、酒解神社の本殿があります。酒解神社は正式には「自玉手祭来酒解神社(たまてよ り・まつりきたる・ さかとけ・じんじゃ)」という名前だそうです。

 本殿手前の建物は鎌倉時代の建物・神輿庫で重要文化財に指定されています。
 本殿も古いものでしょうか?雨漏りがするのか本殿前にはシートが広げられています。

  天王山の頂上は何もないがらんとした広場?です。
 木立の枝には[○○年○月○日何の何某登頂]みたいな板切れや布がぶら下がっています。

 少し下がったところに山崎城で使ったといわれる井戸の跡がありました。
 こんな山の上(標高270m)でも井戸があるのですね。

 帰りは山崎聖天方面に下ります。こちらのコースは藪が綺麗に整備されていて筍を撮るための筍畑?でしょうか。竹の緑がが綺麗です。

 筍や肥料を運ぶ農作業用のモノレールでしょうかレールがハイキングコースに沿って延びています。
 山崎聖天脇にはモノレールの車両が保管されています。

 帰路をブラブラと歩いていると俄か雨に出会ってしまいました。

◆がんばらない憲法が好き
 昨日紹介した鎌田實さんの「この国が好き」の後半には、鎌田実さん、永六輔さんと翻訳家の池田加代子さんの「がんばらない憲法が好き」と いう鼎談が掲載されています。

◇We, the japanese people
 日本国憲法の書き出しは「We, the japanese people(私たち日本の人びとは)」という言葉ではじまっているそうです。
 憲法は私たちが「宣言」しているのです。

◇第99条
 私は憲法の第9条の高い理念も好きですが、第99条も好きです。
 第99条は、憲法を守らなければならない人たちを明確に規定しています。
 「この国が好き」では以下のように書かれています。

○永「うん、だから99条がある。ぼくは憲法を全文読んで気がついたことのひとつが、99条だったんです。9条、9条と言わなくていい、99条を守ること が憲法を守ることだって気がついた。」
○鎌田「99条って?」
○池田「この憲法を守らなければいけない人たちがずらっと書いてあるんです。」
○鎌田「ああ、これですね。『天皇又は摂政(せっしょう)及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護(ようご)する義務を負 う』とある。」
○永「ここが大事。」
○池田「ええ。現行憲法は、政府に対する私たちの命令で、国会議員や公務員にはそれを守る義務があるんです。」
○永「義務を負うなかに国民が入ってない。ここです。国民が要求しているんです。『天皇、国務大臣、国会議員、裁判官、公務員』のなかで99条を守ろうと しているのは天皇だけなんです。」

 日本国憲法は凄いですね。
 国務大臣、国会議員、裁判官、公務員の皆さん「この憲法を尊重し擁護する義務が」あるのですよ。 

 池田香代子さんの99条の意訳を紹介します。(「やさしいことばで日本国憲法」に所載されています)


 天皇や摂政(せっしょう)に は、
 この憲法を尊重(そんちょう)し、支持する義務(ぎむ)があります。
 国務大臣には、この憲法を尊重し、支持する義務があります。
 国会議員には、
この憲法を尊重し、支持する義務が あります。
 裁判官には、この憲法を尊重し、支持する義務があります。
 そのほかすべての公務員には、
 
この憲法を尊重し、支持する義務があります。

 この国で、憲法を蔑ろにしているのは、憲法が「尊重し擁護する義務がある」と規定した人たちです。
 ルールを変えたいと思っている人たちは、まずルールを守ってから議論を始めて欲しいものです。
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