06/10/08
井上
ひさし、永六輔、小沢昭一、矢崎泰久「この日、集合。」
今回紹介する「こ
の日、集合。 [独話]と[鼎談]」は、06年5月3日の憲法記念日に紀伊國屋ホールで行われた講演と鼎談を書き起こしたブックレットです。
前書きを紹介します。
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憲法制定から60年目の2006年5月3日、
井上ひさしさん、永六輔さん、小沢昭一さんの三人が、
東京・紀伊國屋ホールに集合した。
そこでいったい何が語られたか−。
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「こ
の日、集合。 [独話]と[鼎談]」という本を紹介しようと思い、書き込みをしかけたのですが。
話芸の達人たちの講演録ですから、すいすいと読み進むことができるのですが、中々理解まで進みません。テーマは大変重いものですからしょうがありませ
ん。
ということで、永六輔さんの講演部分を中心に紹介します。
◇憲法99条
永六輔は憲法99条を守れば憲法9条は守られるといわれています。
憲法99条は、日本国憲法を守もらなければなら無い人たちを「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」と規定しています。
国会議員が憲法99条を守ってくれれば憲法9条は健在だということです。
日本国憲法第99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」
◇聖徳太子の十七条憲法
日本国憲法は、私たち国民に憲法を守れとは言っていない。それは憲法は私たち国民から彼らに宛てた文書なのです。
聖徳太子の十七条憲法も国民に対しては何も言っていなく、大和朝廷の役人に宛てたものだそうです。
◇三波春夫さん
「お客様は神様です」や「世界の国から今日は」等で有名な三波春夫さんは「戦争を憎み、憲法を大事に」されていた方だそうです。
三波さんは改憲論者ではあったそうですが「第9条は絶対に守り抜く」と言う立場だったそうです。
ガンを患い余命1年を宣告されていた三波春夫さんは、永六輔さんのラジオ番組に出演して「歌わないで戦争の話だけして」帰っていかれたそうです。
三波春夫さんが一番大事にされていたのは聖徳太子の十七条憲法だったそうで、著書(聖徳太子憲法は生きている)もあります。
演歌の世界の大御所であった三波春夫さんのスケジュール管理は大変なことだったそうですが、「お金は出ませんけど、戦争反対のために」とお願いすると、
「行きます」と言って小さな集会にも出てこられたエピソードが語られています。
体制べったりのように見ていた三波春夫さんの意外な一面でした。
因みに三波春夫さんは俳句も詠まれています。
1月になくなられた辞世の句は、
逝(ゆ)く空に桜の花があれば佳(よ)し 北桃子(ほくとうし)
永六輔さんとの共著に「言わねばならぬッ! 」という
本もあります。
井上ひさしさんと小沢昭一さんの話を少し紹介しておきます。
◆井上ひさしさん
井上ひさしさんの話のテーマは東京裁判です。
井上ひさしさんは東京裁判を題材にした三部作(夢の裂け目、夢の泪、夢の痂)を書いておられます。
今、安倍首相が中国を訪問しています。
72年の共同声明、78年の日中平和友好条約で中国側は、東京裁判の結果を認めたサンフランシスコ講和条約を受諾した日本に対して戦後賠償を放棄し、日
中の友好関係を結んだのです。
東京裁判で有罪とされた人たちは犯罪者で無いという論理は通用しない。
日中共同宣言(日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明)1972/9/29
日中平和友好条約(日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約)1978/8/12
◆小沢昭一さん
小沢昭一さんは「死ね、死ねという歌ばっかりだった」と、戦前、戦中の歌を紹介しています。
▽大君の辺にこそ死なめ
▽咲いた花なら散るのは覚悟
▽散兵線の花と散れ
▽心置きなく国のため名誉の戦死頼むぞと
▽死んで帰れと励まされ
(引用)「ほかのことはどうなったって いいような気がするんですが 戦争だけは懲りています」
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