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06/10/18 映画「紙屋悦子の青春
 帯広で自主上映をされている団体(CINEとかち) の 掲示板に「紙屋悦子の青春」 の評判が書き込まれていたのが気になっていました。
 調べてみると大阪でも上映中とのことで見てきました。

◆監督と原作
 黒木和雄さんは今年4月に亡くなられており「紙屋悦子の青春」は遺作となりました。
 「父 と暮せば」(03年)しか見ていませんが、「TOMORROW/ 明日」(88年)、「美しい夏キリシマ」 (02年)が、黒木作品の戦争レクイエム三部作と呼ばれているそうです。
 「紙屋悦子の青春」はそれらに続く作品です。

 原作は長崎県出身の松田正隆さんの同名の戯曲です。
 この作品のモデルは松田さんの母上だそうです。
 映画を見た後、舞台も見てみたくなりました。

 「演劇の見事な映像化を前作『父と暮せば』でも果たした黒木監督の手により、『紙屋悦子の青春』は新たなる生命を得ました。本作は戦後60年を経て、現 代を生きる人々に「戦争」という決して忘れてはならない記憶を熱く問いかけます。」(公式ホームページより引用)

◆1945年3月30日
 紙屋悦子(原田知世)の両親は、たまたま上京していた東京で、3月10日の大空襲に遭い亡くなっていました。今は兄夫婦(小林薫、本上まなみ)と鹿児島 県の田舎に 暮らしています。
 悦子の仕事は定かではありませんが、近くの駅で働いているようです。

 悦子の帰りが遅いことを気にしながら、兄夫婦は配給の漬物や少々腐りかけた芋の煮物で夕食をとっています。
 帰宅した悦子に兄は縁談を話し始めます。兄の後輩の少尉(明石:松岡俊介)の紹介だということ、相手は明石の同僚の永与少尉(永瀬正敏)だということを 聞かされます。
 兄嫁は、悦子と明石が心通じていることを知っていて気が進みませんが、悦子は見合いをすることにします。

◆1945年3月31日
 悦子と永与の見合いの日です。

 永与は、明石の態度から明石が特攻隊に志願することを察します。明石は、愛する人を自分の一番信頼できる友人に預けて死地に向かおうとしているのです。

 悦子は口下手で不器用な永与に好感を持っていきます。
 手土産におはぎを持たせた悦子に「もう、あなたを一人にはしません」と誓う永与です。

◆1945年4月8日
 熊本に徴用されていた兄が休暇で帰ってきます。
 兄嫁はいつものもんぺ姿ではなくきれいなワンピースを着て、いそいそとご馳走を準備しています。
 帰ってきた兄は、明日には熊本に戻らねばならないと言う。数日の休暇を期待していた兄嫁はついつい不満を口にし諍いとなります。

 そこに明石が訪れます。
 「沖縄奪還の作戦に参加します」と。特攻で死地に向かうとは言いません。
 明日には特攻隊として出撃するのです。

 そんな明石に「ご自愛ください」としか言えない悦子です。

◆1945年4月12日
 庭の桜が散り初めています。
 出撃の朝に明石から託されたという悦子宛の手紙をもって、長与が悦子の家を訪れます。
 出て行く永与に「きっと迎えに来てください」と悦子。

◆シンプルな映画
 シーンは、老夫婦(長与と悦子)が回想する病院の屋上と、悦子の家(玄関、台所、居間、座敷、悦子の部屋、庭の桜)だけです。
 病院の屋上にはベンチが3つだけ、一つのベンチの上の空き瓶に挿さたススキの穂が風にゆれています。
 悦子の家の家具や調度も、すっきりと「家」に溶け込んでいます。

 カメラはゆっくりと対象を捉えていきます。フレームはゆっくりと移動します。
 長いカットが続きます。

 黒木監督にとって「父と暮らせば」に続く、戯曲の映画化です。
 芝居を見ているような感覚になりました。

◆気になったこと
◇長身
 本上まなみさんはきれいな方で、身長は169cmもあられるそうです。
 その長身が少し気になりました。

◇急須の使い方
 原田知世さんが急須でお茶を注ぐシーンが何度か出てきます。
 急須の取っ手を左手で持って、右手で蓋を押さえ、左側の注ぎ口からお茶を注いでいました。
 あれは逆手ですね。右手で取っ手を持って(蓋を押さえるなら左手)注ぐのが作法ではないでしょうか?

◇悦子の家
 悦子の家の玄関を出ると土手になっています。土手には杭を打って板で土留めをした簡易な階段が作られています。
 その先は写らないのですが、向こう側は階段を下るようになっています。
 あの土手はなんだろうと気になりました。

◇地名
 悦子の家は「鹿児島県??郡米津町」と書かれていました。
 現在の出水市米ノ津(こめのつ)のことでしょうか?
 裏山に上ると海が見えるという台詞がありました。見えたのは八代海だったのでしょうね。

 永与たちの所属する航空隊(特攻基地)は「イズミ」といわれていました。出水市にあった出水基地特別攻撃隊のようです。
 航空隊のあった場所に特攻碑公園という名の公園があるそうです。

◆フェスティバルゲート
 映画は天王寺動物園前にある、大阪市の関連企業が経営するフェスティバルゲート内の映画館(シネフェスタ)で見ました。

 フェスティバルゲートは、大阪市が事業主体で経営破綻している5K(所轄部局のイニシャル)と呼ばれている施設の一つです。
 ▽計画調整局:株式会社湊町開発センター:大阪シティエアターミナル
 ▽計画調整局:株式会社大阪シティドーム:大阪ドーム
 ▽経済局:アジア太平洋トレードセンター株式会社:ATC
 ▽建設局:クリスタ長堀株式会社:クリスタ長堀(地下街)
 ▽港湾局:株式会社大阪ワールドトレードセンタービルディング:WTC、コスモタワー
 ▽交通局:(土地信託):フェスティバルゲート

 シネフェスタも、来年4月以降の営業見通しが立たないので「友の会」は募集しいていないそうです。

 大阪市の放漫経営にも困ったものです。

◆映画の秋
 この秋はなぜか見たい映画がたくさんあります。
 ▽ディア・ピョンヤン
  監督の梁英姫(ヤン・ヨンヒ)さんのインタビューがマガジン9条というサイトに掲載されています。

 ▽三池 終わらない炭鉱の物語
  是非、みたい映画です。土門拳さんの「筑豊の子どもたち」を紹介したいと思っています。

 ▽そうかもしれない
  老いること、ボケること、死を迎えること。
  春団冶さんと雪村いずみの演技が注目です。

 ▽かぞくのひけつ
  大阪の下町・十三(じゅうそう)のミニシアター・第七藝術劇場の活動を描いた「大阪人のための、大阪人による、大阪の映画」だそうです。

◆自民党と民主党の違い
 福島知事選挙で、民主党が擁立を予定していた森雅子さんを自民党が担ぎ出したために、同党の参議院議員を辞職させて出馬させるそうです。
 自民党が担ぎ出した森さんの政治姿勢が自民にも、民主にも同じように見えたのでしょうか?
 こういう事実が民主党の本質をあらわしているのでしょうか?

◆京都市職員13人目の逮捕
 いずれ書きたいと思っている事柄の一つが京都市職員の不祥事(犯罪)です。
 今日の報道でも市立保育所の職員が無免許運転で逮捕され、覚せい剤反応が出たとのことです。
 京都市の職場には覚せい剤が蔓延しているようです。

◆靖国参拝
 靖国神社の秋季大祭に国会議員が参拝したそうです。
 新聞の報道では参拝した84人(代理参拝90人)の氏名が明らかにされていません。
 市民には実名報道するのになぜでしょうか?
 今日の報道で分かる範囲で氏名を書き上げました。

◇自民党(75人)
 ▽武部前幹事長
 ▽瓦力元防衛庁長官
 ▽山谷えり子首相補佐官
 ▽田村憲久総務副大臣
 ▽木村隆秀防衛副長官
 ▽河合常則政務官
 ▽奥野信亮政務官
 ▽水落敏栄政務官
 ▽松山政司政務官
 ▽梶山弘志政務官

◇民主党(1人)
 ▽田名部匡省元農相

◇国民新党(3人)
 ▽綿貫民輔前衆院議長

◇新党大地(1人)
 ▽名前は報道されていませんが鈴木宗男元外相しかないでしょう。

◇無所属(4人)
 ▽平沼赳夫元経産相
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