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06/10/21 映画「ディ ア・ピョンヤン
◆中川昭一の発言
 品の無いというか、馬鹿というか、どうしようもない男です。

 「普通はやらないが、あの国の指導者はごちそうを食べ過ぎて糖尿病ですから考えてしまうかもしれない。広島、長崎に続く第三のどこか(が被爆地)となら ないようにしなければならない」
 「万一(の事態が)起こったときにどうなるか考えるのは政治家として当然のことだ。相手が核となれば、核の議論ぐらいしておく必要がある」

 このような発言を繰り返すのは失言でなく彼の信条でしょう。
 与党の政策責任者の発言を、「議員の発言は、言論の自由だ」などと戯けたことを言っていないで任命責任をとって欲しいものです。

 「自民政調会長、北朝鮮『指導者が糖尿病だから核攻撃も』」(日本経済新聞 06/10/20)

 国会議員である中川昭一らには、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄」した日 本国憲法(第9条)を守る義務(第99条)があるのです。

◇日本国憲法
 第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

◆日本ペンクラブの声明
 10月16日に発表された日本ペンクラブの声明(北朝鮮の核実験に反対して、関係諸国に非核兵器地帯の拡大を訴える)に下記のような部分があります。

---引用------------------
 1.北朝鮮は「アジア非核化の理念」に立ちもどり、核兵器開発をただちに中止すること。
 2.国連を中心とする国際社会は、この事態に対し、武力的な脅威によってではなく、一致協力した叡智縦横の外交によって解決へと導くこと。
  3.他国に核の放棄を求めながら、自国だけは核兵器を持ち続けるという姿勢では説得力を欠くゆえに、これを機にすべての核保有国は真摯に核廃絶に取り組む こ と。
---終り------------------

 北朝鮮の核実験関連の発言の中で一番説得力があるように思います。
 北朝鮮に核兵器開発の中止を求めることは当然として、北朝鮮に対しては武力ではなく外交努力で核兵器開発を断念させること、核保有国には自国の核廃絶を 求めています。

※「声明」は日本ペンクラブのホームペー ジに掲載されていませんので、ペンクラブから送ってもらった「声明」を暫定的にこちらにアップしてあります。全文をご覧 になりたい方はどうぞ。

 梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督の「ディア・ピョンヤン」が公開されまし た。
 早速、見てきました。

 朝鮮総連の活動家である両親は大阪生野区に、3人の兄は北への帰国事業で「帰国」しピョンヤンに住んでいます。
 そんな家族の日常を淡々と描いたドキュメンタリー映画です。

◇初日
 第七藝術劇場での上映が、大阪での初 日だったそうで、ヤン・ヨンヒさんが舞台挨拶に来られていました。
 テレビ局の取材も入っていました。
 私の後ろにいた青年がインタビューされていました。彼は在日3世、東京でこの映画を見た友人からの勧めで見に来たそうです。

◇楽しい映画
 ヤン・ヨンヒさんは「政治的な映画だと思わないで見て欲しい」と言っておられましたが、彼女の政治的メッセージは抜きにしてとにかく面白い笑いと涙の映 画です。
 放言指導をされていない生の大阪弁はよいですね。改めて大阪弁の温かさを認識しました。

◇オモニ
 朝鮮語では、父親をアボジ、母親をオモニというそうですが、オモニの所作、言葉が何とも味がありました。
 舞台挨拶でオモニの映画は作らないのかとの質問に「すぐにではないが、ドキュメンタリーではないかも知れないが、オモニを描きたい」と言われていまし た。楽しみで す。

◇朝鮮総連
 朝鮮総連に関わっている人たちは、北の出身者だと思っていましたがそうではないそうです。
 ヤンさんの父親は済州島の出身なのですが、軍事政権下にあった韓国よりも社会主義国家を目指していた北朝鮮に共感して総連の活動に参加されたそうです。

◇偶像崇拝
 アボジもオモニも、良識のある人格者だと思いますが、未だに金日成、金正日などを盲目的に崇拝しているように見えるのですが何故でしょう。
 天皇を神と崇め戦争に進んでいった日本人、殺人テロを犯したオーム真理教の教祖と信者たちと同じようなカルト集団に見えてしまいます。

◇ホームビデオ
 この映画は日本と北朝鮮の行き来が自由でないことから、ヤンさんがピョンヤンの甥や姪の映像を大阪の両親に見せるためにホームビデオで撮りかけたことが きっかけで、撮影は95年から05年まで10年、編集に8ヶ月を掛けられたそうです。
 アボジは病床にあり、未だこの映画を見ていないとのこと。

 ヤン・ヨンヒさんのインタビューがマガジン9条というサイトに掲載されています。
 是非ご覧ください。
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