06/11/12 傍観者をやめよう
今日は、ビル・トッテンさんのコラム・OurWorldから「チャベス大統領の勇気」を紹介します。
ベネズエラのチャベス大統領が、国連総会で行った演説を取り上げています。
アメリカの支配下におかれて侵略や略奪されてきたベネズエラをはじめとする中南米諸国がアメリカの支配から抜け出そうとしていることを、以前にも書かれ
ています。
ベネズエラは輸出総額の80%を石油に依存している世界第6位の産油国です。
チャベス大統領はベネズエラの国民の多くを占める貧困層の生活を改善するための政策を実行してきました。
「事実とは、長年の米国支配下ではベネズエラの石油による利益は一部の富裕層または米国の手に渡っていたこと。チャベス大統領のもと、石油の利益が初め
て国
民の貧困を救うために使われるようになったこと。読み書きのできない貧しい国民のために学校が作られたということ。だからこそチャベスは米国や一部のベネ
ズエラの富裕層の目の敵となっているということだ」(引用)
民主的な選挙で選ばれたチャベス大統領の暗殺を示唆する発言をするブッシュ大統領の関係者、先日更迭されたラムズフェルド国防長官もチャベス大統領をヒ
トラーになぞらえるなど、ベネズエラの孤立のために必死のプロパガンダを行ってきました。
「チャベスの貧困根絶政策」(06/07/03)
さて、ビル・トッテンさんは「チャベス大統領の勇気」の前文に下記のように書かれています。
「先月の国連総会で、反米左派で知られるベネズエラのチャベス大統領はブッシュ大統領を『悪魔』に例える演説をした。日本ではどの程度報道されたか分か
らな
いが、チャベス大統領の演説はインターネットなどで全訳を読むことは可能である。米国の裏庭とも呼ばれていた中南米が変わりつつあることは、いくら主流メ
ディアが隠そうとしたところでもはや紛れもない事実である」(引用)
「日本の主流メディア」は、アメリカのプロパガンダに毒されていますが、「しんぶん赤旗」に記事がありました。
「チャベス氏は、ブッシュ大統領を『悪魔』と表現。前日の同じ場でのブッシュ大統領の演説について、『自らが世界を所有しているかのようだった』が、
『わ
れわれは世界的独裁政権を強化させるわけにはいかない』と批判。イラク、アフガニスタンをはじめとする世界各地で、米国の介入で暴力が激化していることを
あげ、『米国は平和を求めていない』と批判しました。」(引用)
「米の他国への介入批判 国連総会でベネズエラ大統領」(しんぶん赤旗 06/09/22)
アメリカが世界一のならず者国家であることを世界の多くの人々が気付いており、これまで黙っていた多くの人々もそれを口にし始めています。
アメリカはチャベス大統領の演説も世界が忘れることを待っているようですが、各国のメディアは、反米的な動きを取り上げています。
「それでも、日本では主流メディアによる情報操作のため米国批判はタブーとなっているようだ。日本のシステムは米国同様、金持ちかつ権力を代表する人々
がコ
ントロールし、すべてが営利主義となって彼らの手に富が循環するような不平等なシステムを固定化することがその目的だからだ。そしてそれを隠すためには、
うそをついたり、またはテロや共産主義の脅威をけん伝し人々に信じ込ませる必要がある」(引用)
大きな力が働いているのですね。
政府与党がアメリカの傀儡であるこの国では、マスコミもアメリカに屈しています。
「私が反米リーダーたちを支援するのは、彼らが金持ちエリート層の貪欲(どんよく)のためではなく、一般国民の幸福と安寧のために行動していると思うか
ら
だ。金権主義の利己的な目標達成のために戦争をたくらむ指導者ではなく、彼らのようなリーダーが増えることが今世界に必要なのだ。チャベスがCIA(中央
情報局)によって暗殺されないことを私は心から願う」(引用)
政治とは一握りの金持を富ませるためにあるのではなく、大多数の国民の幸福のためにあるのだと思っています。
社会に格差があるのは当然というような指導者はいりません。
ラムズフェルド国防長官の後任は元CIA長官、チャベス大統領の安全を私も願います。
「(チャベス大統領の演説は)私たち一人一人が日常生活においてできることがあることを示している。一人一人が、家族や友人、または職場で、機会を
見つけて国のこと、政治のことを話題にするのだ。格差をよいとする、または構造改革によって痛みを強いることがよいとする政治家が日本を支配すべきなのか
どうか。テロの恐怖を煽って軍備を強化すべきか」(引用)
私たちにできることを、私たちのできる手段でしていきましょう。
政治は誰のためにあるのか?
「指導者の暴走で国家を戦争に導いた歴史を覚えている人は、日
本が再び戦争への道を進むことがないよう傍観者であることをやめるべきだ。国民が為政者を監視する、その為にはチャベスのように批判を恐れることなくおか
しなことをおかしい、と言い切る勇気を持つ必要がある」
ビル・トッテンさんの言葉は明解です。
私の大切な人を戦争で殺されたくありません。
私の大切な人を戦場で人殺しにしたくありません。
声高には叫べませんが、おかしいことをおかしいといい続けていきましょう。
「チャベス大統領の勇気」(06/10/30)
チャベス大統領の国連演説の日本語訳はこちら(http://agrotous.seesaa.net/article/24315674.html)
で読むことができます。
チャべス大統領が演説の中で、アメリカの覇権主義の実態を「ぜひみなさんに読んでもらいたい。一番に読んでもらいたいのは米国の兄弟姉妹だ」と述べた
ノーム・チョムスキーの「覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来」を読ん
でみたいのですが、チョムスキーは何とも難解です。読みきれますでしょうか。
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