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06/11/24 戦争のできる国へ
 「マガジン9条」か ら、いくつかの記事を紹介します。

◆沖縄県民に押し付けた選択
 11月22日のトップに沖縄知事選挙の結果について書かれた「沖縄の選択、住民のあきらめ」という記事がありました。
 少し長いですが、引用させてもらいます。

 <引用>
 「沖縄知事選が、自公推薦候補の勝利で幕を閉じました。選挙の幕は降りたけれど、米軍基地をめぐる様々な交渉や闘いは、これから新しい幕開けを迎えるこ とになります。
 それにしても、なんという悲しい選択を、日本は沖縄の人たちに押し付けてしまったのでしょう。基地との共存とそれに付随する経済援助か、それとも、基地 の重圧から逃れ穏やかな島を取り戻すのか、という究極の選択。
 本来ならば、私たち本土の人間が答えなければならない問いを、沖縄という小さな島の人々に代わって答えよ、というのです。自分たちは米軍の傘の下を享受 しながら、そのツケを沖縄に支払わせる。それが、私たちの日本という国家の在り方です。
 知事選の結果は、決して自民党と公明党の勝利なんかではない。国家から見捨てられようとしている住民がやむを得ずに選択させられた、経済という名の甘い 劇薬---。」
 <引用終り>

 基地と共存するか、基地のない島を取り戻すかという選択を、押し付けていたのですね。
 そして、生意気にも選挙の結果を云々していたのですね。

◆戦争のできる国
 「今週のキィワード」コーナーの第28回に「戦争のできる国」が取り上げられています。
 日本が「戦争のできる国」になるなんてことは過剰反応だというような楽観論が杞憂でなくなってきています。
 筆者(仮にMr.キィ)は、最近の6つの動きから日本が「戦争のできる」になりつつあると警鐘を鳴らされています。

1.ミサイル迎撃
 相変わらず日本のマスコミの前では猫を被っている安倍信三首相はアメリカ・ワシントンポスト紙のインタビューに「米国を狙った可能性のあるミサイルを日 本が迎撃できるかどうか研究しなければならない」と発言したそうです。

 沖縄タイムスの11月17日付け社説「解 釈改憲の限界を超える」は、「日米のどちらを狙ったか判然としないミサイルを迎撃しても、集団的自衛権行使に当たらない可能性があるとの認識で、 個別的自衛権の拡大解釈を進めていくのが狙い」であり、「解釈改憲をさらに進め、既成事実を積み重ねていけば、憲法を内部崩壊させ、『なし崩しの改憲』に つながる」と指摘しています。

 麻生外相や中川・自民党政調会長の核保有「議論」発言と同じように、「議論」とか「研究」という言葉で誤魔化してはいますが、本音は「核保有」であった り、「ミサイルの迎撃発射」という「戦争のできる国」への転換です。

 Mr.キィは「従来の集団的自衛権の解釈を、またも一歩前に進めて、拡大させようというわけだ。もちろんこれは、北朝鮮のミサイルを念頭においてのこと だろうが、その矛先が、いつ中国やロシアに向かわないとも限らない。なぜこうも、自ら敵を作り出 そうとするのだろう」(引用)と書いています。

 安部首相は、ミサイルをアメリカとの集団的自衛のために使うためには、「ミサイル防衛(MD)システムは他国の防衛には使わない」という03年の福田談 話まで見直すべきだとの考えのようです。

 「福田談話は『MD導入の判断』 首相、見直しに含み」(朝日新聞 06/11/21)

2.教育基本法
 「教育基本法改定の強行採決による沖縄知事選への影響を図りかねていた安倍内閣だったが、この結果でもう怖いものなし」(引用)

 小中学校では、愛国心を成績として評価すると安倍首相はいっているそうです。
 「『お前は愛国心が足りない。成績はCだ。この結果では大学進学はできんぞ』などと言われるような時代がやがて来るのかもしれない。自由に考えることを 許 さない世界が、SF小説の中の設定ではなく、もうじき私たちの上に覆いかぶさろうとしている」

 物言わぬ国民を作るには子どもから教育する必要があります。
 教育基本法改悪は「戦争のできる国」への分かりやすい第一歩です。

 将軍様のためにマスゲームをする北朝鮮の国民を嗤うことはできません。
 戦前の日本も同様だったのですし、また来た道に戻ろうとしているのですから。

3.防衛庁の省昇格
 Mr.キィは、勢いに乗った与党が防衛省昇格を提案するだろうが、「見落としてならないのは、この案に付随して『自衛隊法改定』も同時に行おうとしてい る点だ」と指摘されています。

 自衛隊法改定案は海外派兵を時限立法ではなく恒久法にしようとする案だそうです。
 「恒久法になれば、そんな面倒な手続きは不必要。いつでもどこへでも、ということになる。まさに、日本軍が日本軍として、アジア諸国や場合によっては中 近東や中欧辺りまで出向いていくことになる。戦後60年、営々として築いてきた『平和国家 日本』は、なし崩しに消えていくのだ」(引用)

4.核武装論
 青森県六ヶ所村に、原子力発電所の使用済の核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場(プルトニウム製造工場)ができ、最終試験運転中にウラン・プル トニウム混合酸化物(MOX)が製造されたそうです。

 「六ヶ所村工場でMOX製品の生産開始」(読売新聞 06/11/17)

 殆ど使える当てのないMOXを作るために「使用済み核燃料再処理工場」が作られたのです。

 「プルトニウムは核兵器の原料になる核物質だ。これは、原子力発電所を稼動させれば、いやおうなく発生するいわゆる『核廃棄物』なのだが、これがなんと 日 本には4トン以上も蓄積されてしまっている」(引用)

 「すなわち、核兵器に転用するしか使い道のない物質が、現在の日本には膨大に蓄積されている。その量は、広島型原爆で約500発分。しかも、日本の技術 水 準からすれば、数ヵ月後には使用可能な核兵器の生産は可能だ」(引用)

 日本には原爆を作る材料も技術もあるのですね。
 中川昭一・自民党政調会長の核武装発言に一層の現実味がでてきます。

 日本に査察に入っているAEA(国際原子力機関)の査察官の人数は、イラクへの査察の人員より多いとのことです。
 国際的には、日本の核政策は疑問視されているのだそうです。

 六ヶ所村の核燃料再処理工場の建設を取り上げた映画「六ヶ所村ラプソディー」が大阪でも近々公開される予定です。
 是非、見てみたいと思っております。

5.共謀罪
 罪を犯していない人を取り締まる。人の心の中まで覗き込んで罪に落とそうとするのです。
 国(政府)にとって、都合の悪い人たちや運動などを取り締まることができ、戦前の治安維持法と同じです。

 「最初はもちろん、非政治的なところから始まるだろう。しかしそれがいつの間にか、政治的反対派を弾圧するための法律に化けてしまう。治安維持法や新聞 紙 法などの戦前の例を引くまでもあるまい」(引用)

6.そして、憲法改定
 色々な法律の改正や、政策の積み重ね、安倍首相の最終目的は「日本国憲法の改定(改悪或いは創設)」にあるようです。

 「作家の橋本治さんも述べているように『なんでいま、憲法を改定しなければならないのか、そ の理由がわからない』のだ」(引用)
 壊れていない車を修理する必要はないのです。

 「60年間、軍隊として一人の外国人も殺さなかった『平和国家・日本』という輝かしい勲章を、なぜかくもあっさりと捨て去ろうというのか」(引用)
 そのようです。

 国会議員であり、国務大臣である安倍晋三には、憲法第99条が謳うように「この憲法を尊重し擁護する義務を負」っていただきたいものです。

7.番外
 Mr.キィは、今までの6つの項目以外に、この国の政府の政策について注意深く見ている必要があると書かれています。

◇この国、庶民の懐から僅かな金子を収奪し、大企業に奉仕する政策をとっています。
◇富めるものは一層富み、貧しいものは一層貧しくなる格差の拡大する社会が彼らの理想の国です。

 法人税の大幅減税が間もなく実施されそうですし、消費税のアップも早晩実施されるだろうとのこと。

 「このようにして拡大した格差で辛酸をなめている層に対する『再チャレンジ』とやらが売り物の安倍内閣。だがその中身は吹き出すしかないほどの貧 弱さ、呆れるしかない。なんと『各官庁で中途採用者を100人程度増やす』というのが目玉なのだそうだ! 100人ですよ、100人」(引用)

 「庶民を食えない状況にまで落とし込んでおいて、やがて、『兵士になれば衣食住は保証されますよ』と甘い誘惑が始まる。これは、妄想だろうか」(引用)
 映画「華氏911」でも、工場の閉鎖で働くところのない若者のたむろする町で、軍の兵士募集官が若者に「兵士にならないか」と声をかけていくシーンがあ りました。妄想ではありません。

 そして「それにしても、公明党はどこまでこの内閣と歩みを共にするのだろう。『反戦平和の党』の旗印が、ゆらゆらと-----」(引用)
 政権与党の水は、かなり甘いのでしょうね。
 個々の政策には是々非々といいながら、なんでも賛成のように見えてしまいます。
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