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07/10/03 企業は肥り、労働者は痩せる
◆取締役を辞任しました。
 会社との関係は相変わらずです。
 私の所掌していたT営業所が、私の所掌から外され強引に郊外に移転されてしまいました。
 最大の顧客を抱えているN営業所にも攻撃が開始されそうです。

 彼らは私の労働組合への加入が何とも腹立たしいことのようです。
 取締役としての責任感がない、自覚がないなどと顔を合わすたびに面罵する取締役、5対1で四面楚歌の取締役会への出席とストレスばかりが溜まり ます。
 現実逃避の自殺願望が頭をもたげます。

 在任して頑張らなければと激励してくれる人たちもいましたが、自分の命と引き換えにするほどのこともありません。
 内容証明で辞任届を送付しました。

 徒労感と虚しさが残ります。

 山崎豊子さんの小説「沈まぬ太陽」で、主人公の恩地元は会社の不当な攻撃にあいながらも節を曲げずいました。
 そして、恩地は「私が辞めたら悲しむ仲間がいる。その一方で丸の内の本社で祝杯をあげる会社や第二組合の人間がいると思うと辞められない」という場面が ありました。

 でも、私は辞めてしまいました。
 何をするために、何を守るために、働いてきたのでしょう。

 今後は、一労働者として働く覚悟です。

◆企業は肥る
 先日(9月27日)の読売新聞に、財務省の法人企業統計調査の内容を紹介する記事があり、
「全産業の経常利益は前年度に比べて5・2%増の54兆3786億円と5年連続 で前年を上回り、過去最高を更新した。」(引用)
 「
経常利益、売上高が過去最高を更新…06年度法人企業統計」(07/09/27 読売新聞)

◆労働者は痩せる
  翌日(9月28日)の朝日新聞は国税庁民間給与実態統計調査を紹介しています。

◇昨年1年間の平均給与は432万円で、前年比で2万円減少している
◇9年連続の減少である
◇年収が200万円以下の人が前年から42万人増で1023万人となった
◇年収が1000万円を超えた人は9.5万人増加し、224万人となった
◇年収300万円以下の層が増加し全体の38.8%を占める
◇1年を通じて働いた給与所得者は4485万人で、前年比9万人減
 「
年収200万円以下、1千万人超える 民間給与統計」(07/09/28 朝日新聞)

 労働者間でも格差が広がっています。
 自民・公明の与党が続けてきた「改革」とは、こんなことなのです。

◇給与所得と企業の利益◇
・国税庁の「民間給与実態統計調査」と財務省の「法人企業統計」から作図しまし た。
・ 青線は給与所得(左目盛・単位は千円)です。
・赤線は全産業の経常利益(右目盛・単位は億円)です。

◆ビル・トッテン「一般国民のために」
 いつも紹介しているビル・トッテンさんのコラムに格差を取り上げた「
一般国民のために」というコラムがありましたので紹介します。
 トッテンさんは、格差の原因は、自民党らの「構造改革路線」があると指摘されています。

 「
平成以降、与党自民党がとってきた政策、そし てこれからも自民党が進めたい改革が、財界や富裕層のための改革であることは、大手メディアが正直な報道をし ていればもっと多くの人が納得するだろう。そうすれば、日本国民の大部分は『搾取されている』実態を認識し、選挙においてそのような法案を通過させた政治 家を今回の参院選のように失脚させることができたはずだ。」(引用)

 前回の参議院議員選挙では、国民は「改革を続行する」という自民党に投票しませんでした。

 このことをトッテンさんは「民主党には、 リップサービスだけの公約ではなく、大企業や富裕層のためではなく一般国民の福祉、たとえば正規雇用の比率を上げてネットカフェ難民なる人々が自立するこ とができるような、具体的な政策や立法に着手してほしい。」(引用)と述べておられます。

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