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07/12/22 映 画三題

 最近見た映画を夫々に紹介しよ うと思っていても中々まとまらず、覚え書き程度にまとめて紹介します。

パッチギ! LOVE&PEA
 映画と井筒監督の話を聞く機会がありました。

 前作(パッチギ)は見ていませんが、 物語は前作から5年を経た1974年の江東区枝川。主人公一家は子供の病気(筋ジストロ フィー)の治療のため、京都から引っ越してきています。
 在日朝鮮人二世である主人公たちへの差別と、日本の植民地であった戦前、父親たちが強制連行され南方戦線に送られるシーンなどあり、考えさせられる内容 で した。

 主人公たちの生活する枝川には「朝鮮人生活協同組合」なる看板の掛かったお店もあり、コリアンタウンは関西だけかと思っていましたが、東京にもあったの ですね。
 東京都江東区の枝川は、1940年の東京オリンピックの会場用地だったと井筒監督が話されていました。

◇井筒監督
 テレビのバラエティー番組に出ておられた頃の井筒さんの印象は少々軽目の人種かと思っており、井筒作品は見る気もなかったのですが、とある九条の会の催 しに誘われて話を聞く機会を得ました。
 井筒監督と九条の会は中々繋がらなかったのですが、映画を観て納得でした。

いのちの食べか た
 私たちが日常口にしている食べ物がどのように生産されているかのドキュメンタリーです。
 カメラは動かず、音楽もなく、ナレーションもなくただ淡々と「食品の 製造現場」が描かれています。

 トマトやりんごなどの植物の生産については、残留農薬や遺伝子組み替えの影響などが気になりました。
 対して動物には感情移入があるのでしょうか、動物の命と私たちの命の重さを考えてしまいました。
 牛のと蓄、豚の解体、子牛の分娩現場の映像など、ショッキングな場面が多々ある映画です。


 この映画のオフィシャルサイトは、簡潔に良くできています。
 (先に紹介した「
パッチギ! LOVE&PEA」のサイトなどは最悪です)
 小さな画面サイズのパソコンに対応していますし、無用な動画も使っていません。
 そして、映画に関連して、日本の食糧自給率や、残飯の量などを示すなど啓蒙的な内容もあります。

 映画とは関係ないそうですが、ドキュメンタリー作家の森達也さんが同名(い のちの食べかた)の本を書かれています。

花の夢 −ある中国残留婦人−
 軍国少女であった栗原貞子さんは、お国のためと女子義勇隊の一員として満州に渡ります。女子義勇隊の使命は満蒙開拓青少年義勇軍の青年たちの結婚相手で した。

 栗原さんの淡々とした回顧談と、栗原さんが訪ねる当時の知人たちの話が、悲惨な戦争の姿と、日本国の非情さを明らかにしていきます。

 
1945年8月、ソ連軍の進行してくるなか、身重の身体で逃げ惑います。
 逃避行では、自殺する人、産み落とした嬰児を置き去りにする人、子を殺す人など、おぞましい情景です。
 開拓団にいた11人の子供のうち生き残ったのはたった一人でした。

 自己責任で残留したとして、国に棄てられた戦後でした。

 栗原さんの語りと、写真、現在の街の映像、そして
余貴美子さんのナレーションだけで、悲 惨な映像も音声もないのですが十分に伝わってきました。

 栗原さんが持っていた布製のバッグには「平和」と縫い取りがされていました。とても印象的でした。

◆これから観たい映画
 七藝のWebサ イトやリーフから。

迷子の警察音楽隊
 イスラエル・フランス合作映画。
 カンヌ国際映画祭で「”一目惚れ”賞」の受賞作だそうです。

胡同(フートン)の理髪師
 胡同は北京市内に点在する細い路地のことだそうです。そこに暮らす老理髪師の生活をとおして豊かな人生とは?
 主人公チンお爺さん語録から「人間、死ぬ時も、こざっぱりきれいに逝かないと」。

二人日和
 05年の公開作品のようですが、京都シ ネマでアンコール上映されています。
 七藝にあったリーフに「主題歌:〜あの青い空へ〜君のための夏〜:歌・作詞・作曲:クミコ」とありました。
 クミコさんの主題歌を聞きたいと思いました。

夕凪の街 桜の国
 「広島−ふたつ時代を生きるふたりの女性を通して、いま、生きる喜びを痛感する。」(リーフのコピーより)
 大阪市淀川区にある地域NPOが主催する「淀 川感動劇場」の1月例会で上映されます。

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