08/01/27 映画「サラエボの花」
映画「サラエボの花」を観てきまし
た。
良い映画でした。
濃密な映画でした。
戦争の犠牲者はいつも市民です。
戦争は、人間を狂わせ悪魔にしていきます。
悪魔の手に掛かった悲劇は、戦後も続きます。
旧ユーゴスラビアからの独立時の民族間の対立から内戦となった「ボスニア・ヘルツェゴビナ戦争」(1992年4月〜1995年11月)の犠牲者は、死者
約20万人、難民避難民は200万人以上といわれています。
この映画の主人公たちは、この数字以外の犠牲者でした。
戦争終結後12年、サラエボの街に暮らす母・エスマと小学生?の娘・サラのつつましい生活。
サラは間近に迫った修学旅行を楽しみに、エスマはその費用を捻出するために奔走、、、、
原題は「グルバヴィッツァ(GRBAVICA)」、
ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ市内の一地域の名前で、サッカー・日本代表チームの前監督イヴィッツア・オシムさんの故郷だそうです。
この映画にオシムさんは下記のようなメッセージを寄せています。
「映画“グルバヴィッツァ”(邦題“サラエボの花”)は、出来るだけ多くの方に観て頂きたい映画だ。この映画は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ全域、首都
サラ
エボ、そしてサラエボの一角、グルバヴィッツァで20世紀、人類として恥じるべき、また運命的な悲劇が繰り広げられた物語を語るなかで、人類は二度と決し
てこのような悲劇をいっときも、如何なる場所においても繰り返してはならないというメッセージを発している。」(以下略)
戦争を題材にした映画ですが、戦闘場面は一つもありません。
戦争のトラウマに怯えながらも、娘のために懸命に働く母親の姿と、思春期の少女の姿が、女性監督らしい静
かなトーンで描かれています。
わたしは公式サイトも見ずに映画を観てきましたが、予備知識無しに観られた方が感動が深いように思います。
公式サイトにも、「ネタばれ」風な記述もありますので。
あまり書き込みができませんが、是非観ていただきたい映画です。
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