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08/03/25 代用監獄
 日本には世界でも例を見ない 「代用監獄」という人権を蔑ろにした制度があります。
 一旦、警察に捕まってしまえば、拘留決定までの3日間、10日間の拘留、そして10間の拘留延長と23日間も警察署の留置場で24時間監視され、食事も 運 動も取り調べの時間も全てを警察の思惑どおりの環境におかれます。


◆代用監獄制度
 法律(刑事訴訟法)では、逮捕されたもの(被疑者)は裁判官が拘置決定するまでの3日は警察署の留置場、拘留決定後は法務省が管理する拘置所に身柄を移 され最大10日間拘禁されます。(10日間の拘留延長もあり)
 しかし、拘置所が不足しているとの陳腐な理由から、警察署の留置場を拘置所の代りに使うことが認められています。このため被疑者は13日間(最大では 23日間)も24時間警察の管理の下におかれることになります。

 この代用監獄制度は、冤罪の温床だと言われています。
 拘置所では取り調べ時間、食事の時間も決められていますが、代用監獄(留置場)では取調べ時間も食事時間も管理者である警察の思いのままになっていま す。
 24時間の行動監視、警察の思いどおりの供述をしない被疑者の処遇の悪化、深夜に及ぶ取調べなど「密室」での取調べ
など が精神的に大きなプレッシャー(精神的拷問)が権力(警察官)への迎合した自白を誘い、冤罪を生むことは容易に想像できる ことです。

◆国際的批判
 このような制度は国際的にも問題視されています。
 07年5月18日付の国連拷問禁止委員会の勧告で、代用監獄制度は無罪推定の原則、黙秘権及び防御権を尊重しないこととなり得ることから、日本政府に直 ちに制度を見直し、警察において拘禁できる最長期間を国際的な最低基準に適合するよう制限することが求められています。
 ※警察官が取調べできる期間はアメリカ:1日、ドイツ、フランス:2日に対し日本は23日間です。

 代用監獄制度の問題点や冤罪事件の事例等は、代用監獄東京弁護士会日弁連等をご覧ください。

◆人権感覚のない知事であり弁護士
 このように人権上大きな問題がある代用監獄制度について橋下大阪府知事は「必要がある」と「公人」としての考えを明らかにしたそうです。

 「
大阪府の橋下徹知事は24日開かれた府議会警察常任委員会で、警察の留置場を本来の拘置所の代わりに使う代用監獄制度 について、『治安維持 などの点から考えると、実務上の必要性もある』との考えを示した。代用監獄制度は『冤罪の温床になっている』との批判が根強く、昨年5月には国連の拷問禁 止委員会が日本政府に改善を求めている。」(引用)
 「橋下知事、『代用監獄は必要性ある』 府議会委で」(朝日新聞 08/03/24)

 国でさえ、その弊害を認め「将来は監獄として用いない」としている代用監獄制度を「治安維持上必要」などとは許しがたいことです。石原東京都知事よりも ファッショな人権感覚です。
 マスコミのヨイショ報道に浮かれて、少しずつ本音が出てきたようです。

 以下は在阪テレビ局制作の橋下ヨイショ番組(3月24日)の紹介文です。
 ▽大阪が元気い!?朝青龍優勝で橋下&東国原知事そろいぶみ
 ▽あなたは評価する?橋下府知事の政治手腕
 ▽ケチケチを断行…橋下知事に学ぶ家庭でも役立つ節約術
 ▽経費節減…橋下知事の錬金術とは


 「私は大阪府知事であり、特別職であります。24時間公人でありますから、私人のコメントはいっさい申し上げません」と言っていました。「『公人の私、核保有の主張しない』 民主質問に橋下知事」(朝日新聞 08/03/06)

 ところが、今度はテレビ番組への出演料について追求されると「(公人と私人の)両方の立場を併せ持っている」と「私人」としてテレビへの出演の場合は ギャラを個人の収入にする考えを明らかにしたそうです。
 「橋下知事、TVギャラ問題で『365日、私人でもある』」(朝日新聞 08/08/24)
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