08/03/26 新聞拾い読み
知人の参加する9条の会が主催する映画「日
本の青空」の上映会に出かけてきました。
ウィークディの催しに出かけられるのは失業の身のありがたさでしょうか。
映画は日本国憲法(草案)の成立の過程をドラマ仕立てで描いていました。狂言回しのドラマは少し安っぽく感じました。
憲法学者鈴木安蔵が中心になって起草した憲法草案は明治、大正の自由民権運動の成果などを基にして書かれました。この草案はGHQ(連合国軍最高司令官
総司令部)案の下書きになっていること、女性の権利条項についてはGHQのベアテ・シロタ・ゴードンが、第9条の戦争放棄に関しては当時の総理大臣・幣原
喜重郎とGHQ最高司令官マッカーサーとの会話を基にGHQ案に起草されたそうです。
日本国憲法の歴史を知る良い機会でした。
自民党を初めとする「自主憲法」制定派の人たちが、日本国憲法をアメリカから押し付けられたものということへの反論の意味もある映画なのでしょうが、私
は日本国憲法の出自も生い立ちも気になりません。
憲法9条を世界に広めようとする時代です。
3月
25日付けの朝日新聞(朝刊・大阪13版)の紙面から気になる記事などを拾い読みしてみました。
◆土浦殺傷事件
殺人事件で指名手配中の青年が、駅構内で通行人ら8人に切りつけ1人が死亡するという事件がおこりました。
国民の財産と生命を守るべき警察の明らかな失態で、失われなくてもよった一つの命が奪われました。
茨城県警の失態は十分に検証されるべきでしょう。
力士暴行殺害事件での愛知県警、児童連続殺人事件での秋田県警の初動捜査ミスなど最近の警察の失態は数え切れません。
警察の失態が、市民への締め付けの強化や警察権力の増強の材料にならなければ良いのですが。
◆公示地価
見出しには「公示地価、2年連続上昇」と書かれています。
「上昇」とは全国平均のことで、3大都市圏の(埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良)の11都府県が上昇しているだけ
で、他の道県は軒並み下がっています。
地域格差は広がるばかりです。
◆新銀行東京
新銀行東京への400億円の追加出資が決まりそうです。
社説「与党は知事の言いなりか」で与党の(特に公明党)の責任について言及しています。
自民党、公明党が知事与党として400億円の追加出資に賛成しています。
公明党にとって与党の水は相当甘いのでしょう。次の選挙で思い知らせましょう。
◆脱走アメリカ兵
横須賀でのタクシー運転手刺殺事件で、タクシー車内に残されていたクレジットカードの持ち主はアメリカ海軍の脱走兵でした。脱走兵の身柄はアメリカ海
軍が確保していて日本側に引き渡されていません。
捜査は行き詰まっているようです。遺留されたクレジットカードの名義が日本人だった場合なら「重要参考人」として出頭を求められ追求されるのが普通では
ないでしょうか?
日米地位協定によりアメリカ軍人は、日本への入国時のパスポートチェックやビザの取得、外国人登録が免除されています。兵隊が脱走しても日本への通知の
義務もないという不平等な条約なのです。
とても独立国とはいえません。
◆伊藤忠の広告
伊藤忠商事株式会社が5段抜きの広告を出しています。
「商売人の小さな哲学〜商売人はいかなる事があっても嘘をいわぬこと〜」と創業者の伊藤忠兵衛の言葉を書いているだけの他愛無い内容です。
創業150年だそうですが創立記念日でもなさそうです。
伊藤忠は、朝日新聞に書かれたくないことの代償としての広告出稿でしょうか?勘ぐってしまいました。
◆マクドナルドの広告
こちらは全面の広告です。
「私が、マクドナルドです。」と4人の店長などの顔写真とメッセージが掲載され「自分の可能性と出合う仕事、それがマクドナルドの仕事」と書かれていま
す。
マクドナルドは、「店長」という名の従業員に残業代を払っていなかったことで「名ばかり管理職」という言葉が広まった企業です。最近も1700万円の残
業代の支払いを求めて提訴されています。
汚れたイメージの回復のための広告でしょう。
ハンバーガーの好きな方、映画「いのちの食べかた」や「ファー
ストフードネーション」を是非ご覧ください。
◆飲食店の実体
「声」欄に「偽装はいつもそれでも満席」という投書がありました。
ある和食店に勤めていた人の経験が投書されています。
◇肉類は殆ど冷凍の輸入肉、それが和牛、地鳥として出される
◇臭いの出始めた魚は調味液に漬け込んで加熱
◇冷凍庫には中国産の野菜、冷凍刺身が山積み
◇「〜の素」という業務用調味料が数十種、鰹で出汁を取らないので鰹節もない
◇惹句には「新鮮」「素材のうまみ」「旬の・・」
そんな店が土、日曜日には家族連れで満席だそうです。
産地偽装をやめ、残業代を払うように求めると経営者側から「やめてもいいよ」と言われたそうです。
マスコミを賑わした店だけでなく、殆どの飲食店が産地偽装だけでなく色々な「偽装」をしているであろうことは十分想像できることです。
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