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08/04/21 自衛隊派遣違憲判決
 自衛隊のイラクへの派遣は憲法 9条1項違反であるとの名古屋高裁の判決は歴史的、画期的な判決です。

◆各紙の社説
 毎日新聞の
社説ウ オッチングというコラムに各紙の社説を読み比べた「イラク空自違憲判断 『9条』改正論議を反映」 と題する記事がありました。

 社説の見出しです。
 ▽毎日新聞:曖昧な説明は許されない
 ▽朝日新聞:
違憲とされた自衛隊派遣
 ▽読売新聞:兵輸送は武力行使ではない
 ▽日経新聞:違憲判断を機に集団的自衛権論議を
 ▽東京新聞:「派兵」への歯止めだ
 ▽産経新聞:平和協力を否定するのか

 見出しを見ただけで、各紙の主張が理解できます。
 毎日新聞の記事は、違憲判決を肯定的にとらえた毎日、朝日、東京のグループと、違憲判決を批判的にとらえた読売、産経のグループに大別されるように書か れています。

 世論は二分されたかのような印象を与える記事ですが、他の地方紙の社説を見てみると判決に批判的なものは見つかりませんでした。(見た限りでは)
 世論はこの判決を「自衛隊の撤退を求める」画期的なものと見ているのではないでしょうか。

 ▽北海道新聞:イラク空自違憲判決 まだ派遣を継続するのか
 ▽東奥日報:違憲判決機に問い直しを/自衛隊の海外活動
 ▽岩手日報:イラク空自違憲判決 海外派遣を問い直す時
 ▽河北新報:イラク派遣違憲判断/この重み受け止めなくては
 ▽神奈川新聞:空自部隊は直ちに撤収を
 ▽新潟日報:イラク空自違憲 高裁判断を無視するのか
 ▽信濃毎日新聞:イラク派遣 「違憲」判断の重大さ
 ▽岐阜新聞:イラク空輸違憲判断 国民に活動の全体像示せ
 ▽福井新聞:イラク空自に違憲判断 活動実態の全体像を示せ
 ▽京都新聞:イラク空自派遣  違憲判断に向き合え
 ▽神戸新聞:違憲判断/空自派遣の足元が崩れた
 ▽山陽新聞:イラク派遣違憲 引き揚げを検討する時だ
 ▽中国新聞:空自派遣「違憲」 司法判断の意味は重い
 ▽愛媛新聞:イラク空自違憲 派遣の正当性が揺らいでいる
 ▽高知新聞:【イラク派遣】明快な違憲の判断だ
 ▽西日本新聞:「違憲」は国民の不信映す イラク空自活動
 ▽熊本日日新聞:イラク派遣違憲 重く受け止めたい司法判断
 ▽宮崎日日新聞:イラク派遣違憲判断 政府は活動の法的根拠示せ
 ▽南日本新聞:高裁の違憲判断に照らした説明必要
 ▽沖縄タイムス:[空自輸送違憲]イラクを撤退する時だ
 ▽琉球新報:イラク派遣違憲 撤退を迫る画期的な判断

◆判決に対する政治家、役人の発言
 航空幕僚長の大バカ発言はもとより、政治家・役人の遵法精神に欠けた発言の数々です。

◇(違憲は「傍論」であり)「特別にその裁判のためにですね。どうこう する考えはありません」(17日)
 福田康夫:内閣総理大臣

 →相変わらずの「他人事」発言です。

◇「武力行使の解釈について裁判官の方はどこまで実態が分かっているのか。そのへんに誤りが裁判所にはあるのではないか」
 「べつに航空自衛隊の活動継続には何の問題もないということだ」(18日)
 町村信孝:内閣官房長官
 →行政府の要職にあるものが三権分立を蔑ろにするとんでもない発言です。

◇「『そんなの関係ねえ』という状況だ」(18日)
 
田母神(たもがみ)俊雄:航空自衛隊トップの航空幕僚長
 →このような人間が自衛隊のトップであれば、防衛省、自衛隊が腐った組織になるのも肯けることです。

◇「問題のある裁判長で、変な判決だった。3月末で辞め『最後っぺ』を 出したようなものだ」(18日)
 中山成彬:衆議院議員(宮崎1区)、元文科相

 →政治家の発言とは思えません。品のないことです。

◆文化 の春?
 週末にライブを二つ見聞きすることができました。

◇松元ヒロ「笑」ライブ
 松元ヒロさんのライブに参加するのは3度目ですが、毎回楽しい時間を過ごすことができます。
 今回はあまり「毒」のある内容ではありませんでしたが、社会批判、風刺の精神は庶民の武器だと再認識しました。
 松元ヒロさんは「草の根メディア9条の会」の呼びかけ人でもあります。

 井上ひさしさんに「むずかしいことをやさしく」という言葉があります。
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 むずかしいことをやさしく
 やさしいことをふかく
 ふかいことをゆかいに
 ゆかいなことをまじめに (東京新聞「筆洗」より)
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 鉢巻しめて、声からして「憲法改悪反対!」「9条を守れ」と叫ぶより、笑いに包んで訴えるヒロさんのような活動が人を動かすのではないかと思います。

 大阪での公演で「橋下知事を選んだ大阪府民は?」というと、「東京都民だって」との返しがあったとのこと笑って済ませられませんが。

◇ニ兎社公演「歌わせたい男たち」
 始めて梅田のシアター・ドラマシティーに出かけました。いつもは市民会館的なホールばかりですが、今回は900席ほどもある大きな商業ホールです。

 売れないクラブのシャンソン歌手が自分の技量を見限って、東京都立高校の音楽講師に就職します。
 東京都の公立学校では、卒業式などに「国旗」の掲揚と「国歌」の斉唱が強制され、従わない教師が処分されています。
 卒業式に国歌や校歌の伴奏を命じられた主人公と、ただひとり内心の自由を理由に起立もしない国歌も歌わない教師、強制しようとする校長らとのやり取りを コ メディタッチで描いています。

 社会に無関心だった主人公が身のまわりのことに関心を持ち始める変化が面白い芝居でした。

 校長は「あなたの将来のためを思っていているのです」と繰り返し説得しようとしていましたが、私も何度同じことを聞いたでしょう「あなたのため に・・・」「あなたの家族を思って・・・」、、、警察の取調べのようです。変節するまでしつこくしつこく攻撃をしてきます。

 東宝系の大劇場で、憲法を題材にした芝居が公演され、チケット即日完売になるなど信じられないほどです。

◆橋下大阪府知事
 この男は口が軽いでしょうか、脳みそが軽いのでしょうか?

 市町村への補助金カット案に対して市町村長から総スカンを食った橋下知事は「自分たちの人件費に切り込めと言いたい」と市町村を痛烈に批判しましたが、 反発を受けて4時間後には「前言撤回」となったそうです。

 発言に対して批判されると修正、撤回し、先の発言を国民に刷り込む手法は既に大物政治家のものです。
 2月府議会でも3件の発言が議事録から削除されています。

 
「集団買春は中国へのODAのようなもの」(03年10月)と発言をしていた橋下知事は、中国の 楊潔外相に「関西一丸となって中国との結びつきを深めていきたい」(19日)と発言、チベット問題には「外交問題は政府の 問題」とだんまりだったそうです。
 自称嫌中派もただのゴマ擦り野郎だったのです。
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