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08/06/11 吉 村昭「休暇」
 17音の短詩を作って愉しんで いますが、最近、作家の森村誠一さんが監修されている「写真俳句ブログ」というサービスがあることを知り、ブログを作って写真と17音の短詩を書き込んでいます。
 写真はまったくの素人、カメラは携帯電話のカメラ機能、季無し、季ダブり、字余り、字足らずの駄句ばかりですが、ピンぼけ写真に駄句の取り合わせも、そ れなりに趣きのあるものとなっています。
 「17音の残日録
で す。一度、ご覧ください。

◆日本人のエネルギーと韓国人のエネルギー
 政府がアメリカ産牛肉の輸入制限の全面解除を決定した韓国政府に対する抗議行動は、60万人を超えるデモに発展しているそうです。
 日本では、国の政策に対して何故このような抗議行動が組織されないのでしょう。
 韓国の人たちに学ぶべきことが多いように思います。

◆タバコへの増税論議
 「たばこと健康を考える議員連盟」という超党派の国会議員の目論みに関心はありませんが、タバコが増税され価格が上がることは良いことだと思います。
 タバコの価格が安い国では喫煙率が高いことは相関しています。
 少し古いデータですが、残日録でもタバコの価格と喫煙率を取り上げています。「残 日録05/12/17

 注1.たばこの価格:緑の棒(02/05/31)は米ドル換算を円に変換し てあります。
 注2.青い折れ線は男性、赤い折れ線は女性の喫煙率
 注3.たばこの価格は「社会実情データ図録」を参考にさせていただきました。
 注4.喫煙率は厚生労働省の最新たばこ情報「た ばこと健康」から引用しました。


◆凶悪犯罪
 現実に起こったこととは信じられないような犯罪が起こっています。
 このような残忍、凶悪な犯罪の遠因に、この国が病んでいるからではないかと思うのは考えすぎでしょうか?

 テレビ報道では、容疑者の両親をテレビカメラの前に引っ張り出し「子どもの犯罪をどう思うか?」などとさらし者にしていました。
 覚醒剤使用で捕らえられた息子のために「謝罪」する女優の姿を映し出すテレビ画面を見ていると、この国の人権感覚が未だ未だ未成熟なのではないかと思い ます。

 本題 の映画「休暇」の原作を読みましたので紹介します。「休暇」は吉村昭さんの短編集」 に所載されています。

 大型書店を2、3店探しましたが、すぐには見つかりませんでした。メジャーな映画の原作本は目立つ場所に平積みされることが多いのですが、この映画 (本)はそうではなかったようです。購入した本には映画化の帯が付いていましたが。

 原作を読まずに映画を見てよかったというのが一番の感想です。
 発表済みの物語を映画化することの承諾は、原作者の死後は遺族がするのでしょうか?
 原作者の意図とは違うものが出来ても、原作者が抗議することはできません。
 最近の藤沢周平作品の映像化の多作には周平ファンとしては少し辟易しています。周平さんが生きておられたらどのような感想をもたれるでしょうか?

 刑務官が「看守」と呼ばれた時代のこと、わたしの職場にも看守を辞めて再就職してきた人がいました。
 なぜ、国家公務員を辞めてまで転職するのだろうと思っていましたが、そんなに恵まれた環境ではなかったようです。主人公が婚期を逸したことも納得できる ことでした。
 そんな男の再婚相手は、
農家を回って野菜を分けてもらって行商する子持ちの女でした。大 塚寧々さんに感じた違和感の原因がわかりました。大塚寧々さんは派遣社員として印刷会社で働いているとのことでしたが、着ているものも高級そうでした。

 この小説は1974(昭和49)年に発刊されています。
 小説の舞台は昭和30年代、あるいは40年代だったのでしょう。映画は時代を現代に設定していました。
 原作を読んで、映画がしっくりこないのは時代設定だったように思います。

 映画ではタバコを吸うシーンが多くでてきます。
 このような職場、仕事柄タバコを吸う人が多いのだろうと観てしまいますが、昭和30、40年代なら納得できるシーンです。
 また、結婚した男、女そして子どもが新婚旅行として山の温泉に向かう途中に駅弁食べるのですが、原作では子どもが母親の了解を得ることや、蓋についた米 粒を食べることなどで、女と子どもの生活の貧しさや躾のよさなど登場人物の人間像がよく理解できましたが、映画では感じられませんでした。

 映画に対する批判ばかりになりましたが、決して悪い映画ではありません。是非、見ていただきたいと思います。
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