08/06/16
弱者に思い至ること
秋葉原での7人もの生命を一瞬
にして奪ってしまった犯罪は許せません。
先日の書き込みで、「このような残忍、凶悪な犯罪の遠因に、この国が病んでいるからではないかと思うのは考えすぎでしょ
うか?」と書きました。
この犯罪とこの国の病いの関係を、雨宮処凜さんが「マガジン9条」の「雨
宮処凜がゆく!」に書かれています。
◇犯人は派遣大手の日研総業からトヨタ系の自動車工場で派遣社員として働いていました。
◇派遣元は、最低賃金が低く、失業率の高い地域(北海道や沖縄など)で若者を集め、日
雇い派遣としてトヨタ自動車、日野自動車やキヤノンなどの大企業の製造現場に派遣されています。
◇2、3ヶ月単位の契約しかされず、大企業の生産調整弁として使われ、一ヶ月先が見えない生活をしています。
◇時給は900円から1300円ほどで、派遣元が用意するアパートの賃料(寮費)、エアコン、カーテン、こたつ、テレビ、冷蔵庫などの使用料が給料から天
引きされ、手元に残るのは12、3万円だそうです。
◇契約が切れると、即日寮を追い出される、忽ち住所不定のホームレスとなってしまいます。
◇トヨタ自動車は2兆円を超す営業利益を上げています。その利益はこのような労働者を搾取してきた結果です。
◇小泉内閣の「構造改革」で、無権利な労働者が量産されることとなりました。
大企業の下僕である自公政府が作り出した貧困です。
犯人が書き込んだといわれる携帯サイトの内容が興味本位で取り上げられています。
また、繰り返し流される犯行現場の映像、被害者周辺への執拗な取材、加害者の親族をさらし者にする、コメンテータと言われるマスコミ芸者の下らぬ発言を
流すなど、相変わらずの報道姿勢です。
このような犯罪を犯人の個人の資質の問題に矮小化せず、社会の構造的な問題だという取り上げ方が必要ではないでしょうか。
そして、弱者に思い至ることが必要なのではないかと思います。
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