08/06/23 沖縄慰霊の日
今日(6月23日)は、
1945(昭和20)年に沖縄での組織的戦闘が終結した「沖縄慰霊の日」です。
全国紙(朝日、毎日、讀賣、産経、日経)の社説は、沖縄慰霊の日を取り上げていません。(朝日は22日付で取り上げています)
沖縄戦を書かない新聞は、東京大空襲を初めとした各地の大空襲を、そしてヒロシマ・ナガサキを書かなくなるのでしょう。
◇沖縄タイムス
「[きょう慰霊の日]バトンは私たちの手に」と題して、概ね以下のように書いています。
摩文仁の「平和の礎」には、日本人、アメリカ人、韓国人など合わせて240,734人もの犠牲者の名前が刻まれているそうです。
未だに、毎年百名を超す人たちの名前が刻まれ、63年経った今も戦争は終わっていないのです。
----引用----
「沖縄は昨年来、沖縄戦の『集団自決(強制集団死)』に関する高校歴史教科書検定問題
で揺れている。その中で、誰にも話したことのない忌まわしい記憶を、語り始めた体験者たちがいる。自らの体験と周りの証言を重ね合わせることで、初めて自
分の記憶の本当の意味を知る人もいる。
教科書検定問題で、文部科学省は「集団自決」について、軍の関与を示す記述の復活は認めた。が、「軍の強制」という表現は、どの教科書にも盛り込まれな
かった。
体験者たちが、絞り出すように語り始めた背景には、多くの人々の身を削るような証言を顧みない動きに対する怒りがある。」
----終り----
集団自決は「自主的」な自決ではなく「強制」されたもの(強制集団死)であると明快です。
「戦争を知らない世代には日常生活の中で、絶えず戦争と平和について考える持続力も求められる。」
私も戦争を知らない世代、「絶えず」戦争と平和について考える持続力を持ちたいものです。
◇琉球新報(慰霊の日 逃げ惑わない平穏な島に/語り継ぎたい沖縄戦の実相)
おびただしい犠牲を払って得た教訓が十分に生かされていない、平和憲法にも揺らぎが見えていると書いています。
----引用----
「沖縄守備軍・第32軍は5月下旬、首里司令部を放棄し、本島南部へ撤退した。南部の
戦闘では日本兵が住民をスパイ視して殺害したり、壕からの追い出し、食料強奪などが発生。軍隊と混在する極限状態の中で、追い詰められた地域住民や、駆り
出された学徒隊の悲劇は起きた。
戦場では『人間として生きる』ことが、いかに難しいかがよく分かる。兵士に『規律』を求めること自体、無理があろう。『軍隊は住民を守らない』などと言
われるゆえんだ。
----終り----
国民保護法について、他国からの侵攻などの「有事」を想定し、被害を
防ぐ目的の法律だが、軍事優先の印象があり「沖縄戦」とダブって見えると書いています。
攻められて逃げる段取りより、「逃げ惑う必要のない」平和な国を作りことが大事ではないでしょうか?そのとおりです。
犠牲となった20数万人には、夫々に家族があり生活の営みがあったのです。戦争さえなければ、幸せな生涯を送れたことでしょう。
◆映画
「譜めくりの女」
音楽、特にクラシックにはほとんど馴染みがありません。
ピアニストを目指していた少女が、音楽学校の入学試験を受けますが、試験官である著名なピアニストの無神経な行動から、実力を発揮できずピアニストへの
夢を諦めてしまいます。
成人した少女は、このピアニストへの復讐をするという物語です。
復讐劇は、おどろおどろしいものではありませんが、パズルのように相手を追い込んでいくやり方はスリル十分でした。
途中から、松元清張の「霧の旗」を思い出しました。
殺人犯として捕らえられた兄のために著名な弁護士に弁護を依頼しようとするのですが、その弁護士は愛人との逢瀬のために取り合ってくれません。
獄死した兄のために復讐を企て、抜き差しならぬ形で追い込んで行く方法は同じでした。
◆タス
ポ(タバコ自販機用カード)
日経BP社のWebサイトに松村喜秀さんという方のコラム(タスポ
を使ってはいけない人々)に気になる内容が書かれていました。
◇広島県警本部内に設置されていたタバコの自販機に売店の店員のタスポカードがぶら下がっていて誰でも買えるようになっていたそうです。
◇「タスポが個人の購入履歴を収集するということを考えると、一概にこうした行為が悪いとはいえない。なぜならば刑事など捜査当局の人間は、ときとして捜
査上、自分の居場所を明らかにしたくないことがあるからだ。」(引用)
◇タスポで収集された情報が漏洩することを考えると「わたしは警察関係者や自衛官、公安あるいは麻薬Gメンのような特殊な任務に就く公務員は、あえてタス
ポを作るべきではないと思う。たばこは習慣性のものである。毎日、どこかの自販機で買うとすると、購入履歴からその人の足取りが分かってしまうのだ。」
(「」内引用)
松村さんは運転免許証の認識技術を持った会社の社長さんで、タバコの
自動販売機の成人識別装置について十分な知識を持った方です。
タスポの申し込みには、住所、氏名(フリガナ)、住所、電話番号、顔写真の貼付、運転免許証の写しなどの添付が必要です。
どこの誰が、何時、どこで、どの銘柄のタバコを、何個、千円札(或は硬貨)で買ったか分かるのです。
松村さんが言うように、捜査関係者ではなく、私たち一般市民の行動が監視されるのです。
タバコを吸われる方は、自販機でなく対面販売のお店を利用しましょう。
◆舞鶴
高校生殺害事件
京都府舞鶴市で高校生が殺害された事件から1ヶ月半が過ぎました。監視カメラの映像がたくさん残され、被害者と同行していた男性らしき姿まで公開されて
いるにも関わらず未だに犯人が特定されていないようです。
毎日新聞のコラムに、京都府警の関係者の言葉として「未解決事件が多いから府警は頑張らなアカンな」と書かれています。
組織の問題はないのでしょうか?
◆今日
の朝日俳壇
◇風鈴を吊るし生涯路地暮らし(柏市・藤嶋勉:大串章選)
自作にこんな駄句があります。”誰だろう風鈴チリリン路地の道”
風鈴は路地に似合いそうです。
◇男梅雨思考一切寄せつけず(川西市・上村敏夫:稲畑汀子選)
晴天の日が続き、一旦振り出すと止まらなくなる男性的(差別語?)な梅雨を「男梅雨」というそうです。
思考も停止するくらいのざざ降りの雨の日、何を成すのでしょうか?
◇ハンカチは白麻と決め通しけり(東京都・松村登美子:長谷川櫂選)
女性の句ですが、凛として気持ちよいですね。
木綿のシャツにきつ目の糊を利かせて着るのは、心までシャキとします。
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