08/08/19 映画「ひめゆり」
ドキュメンタリー映画「ひめゆり」を見る機会がありました。
恥ずかしいことに「ひめゆり」と聞いても、沖縄戦で犠牲になった女子学生くらいの知識がありませんでした。
と言うより、沖縄の悲劇について何も知らないと言った方が適切かもしれません。
「ひめゆり学徒隊」の悲劇は、沖縄の悲劇の一つだったのです。
「ひめゆり学徒隊」として、陸軍病院に派遣されたのは沖縄師範学校女子部と沖縄高等女学校の15歳から19歳の生徒222名(他に引率教師18名)でし
た。
1945年4月、アメリカ軍の沖縄上陸した沖縄は艦砲射撃、空爆と激しい地上戦が繰り広げられ、陸軍病院といっても分散した壕の中の野戦病院でした。
生き残ったのは99名でした。
生き残った人たちの中には未だに証言をされない(できない)人がおられるようです。思い出したくない、忘れたい記憶なのです。
この映画は、勇気を持って証言された人たちの記録です。
野戦病院は戦場そのものです。
幼く可憐であった少女が、切り落とされた兵士の腕を平気でゴミ箱に捨てるように変わっていきます。
アメリカ軍が迫り敗色濃厚となった6月18日、日本軍は突然「解散命令」を出し、動員されていた女子学生を見捨てました。
爆撃で死ぬもの、自決するもの123名の命が奪われました。
教育は怖いものです。アメリカ兵の「出て来い」との呼びかけに「生きて虜囚の辱めを受けず」と教え込まれた人たちは、自ら死を選んでいきました。
沖縄戦で19歳未満の学生、生徒が動員されたのは、ひめゆり学徒隊だけでないそうです。
県内の21の中学校から「鉄血勤皇隊」「逓信隊」として2400名を越す生徒が戦場に動員され、およそ半数の人たちが殺されたそうです。
「ひめゆり学徒隊」については「ひめゆ
り平和祈念資料館」のサイトに詳しい情報があります。
◆覇権主義
北京オリンピックでインタビューを受けているグルジアの選手をテレビで見て、映画「君の涙 ドナウに流れ
ハンガリー1956」を思い出しました。
グルジアからの独立を求める南オセチア自治州とグルジア政府の紛争にロシアが武力介入
しています。
詳細は不案内ですが、1956年のメルボルンオリンピックの時に旧ソ連はハンガリーの民主化運動を押さえ込むために武力介入をしていました
悲劇の歴史は繰り返しています。
◆スポーツとナショナリズムなど
北京オリンピックの開会式のテレビ放映を垣間見てこんな句を詠みました。
<右も左も民族主義者となる夕べ>
するスポーツから見るスポーツへ、芸人と化したスポーツ選手、スポーツ選手や競技団体にヨイショする幇間と化したマスメディア、ナショナリズムの高揚の
道具と化したスポーツ、メーカーロゴは丸見えの商業主義。。。。
何か狂っているように思っています。
以前、多くのプロ野球選手がタバコを吸って
いることを、タバコを吸うプロスポーツなどありえないと書きましたが、タバコどころか大麻まで吸っているプロスポーツ選手が現れました。
そんなプロスポーツを見に行ったり、テレビ観戦したりして彼らを免罪するのは止めましょう。
◆朝日俳壇/歌壇より(8月18日付)
◇目を抉(えぐ)るごとく光りて八月来(福津市・松崎佐:金子兜太選)
◇目の玉の重さを胴で釣り合わせとんぼは結局水平に飛ぶ(京都市・才野洋」永田和宏選)
◇もの言わぬドームがすべてを語りおり人がしたことこれからのこと(神戸市・田中美和子:高野公彦選)
◇流動の食事なれども老い母は建前らしきおいしいと言ふ(東京都・近藤しげを:馬場あき子選)
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