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08/09/22 交々のこと
 絶不調です。
 ネガティブモードにスイッチが入っています。

 新聞の書評で取り上げられていた南木佳士さんの
草すべり」を読んで、ここに紹介しようと思ったのが間違いの始まりでした。
 
気分の優れない時に、南木佳士さんの本を読むことはともかく、紹介のための文章を書こうと何度も読み返していると、気が 滅入ってしまいます。「草すべり」の後の機会にすることとします。


 取りあえず、細々としたことを書きおきます。

◆自民党総裁選「メディアの自戒」
 先週(15日)の朝日新聞に半ページを使った「総裁選 メディア自戒」と題する記事がありました。

 記事のリードは以下のように述べています。
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 自民党の新しい「顔」を決める総裁選で、あたかも国政選挙のような街頭遊説が繰り返されている。狙いは、郵政民営化をめぐる党内対立を最大限に利用し、 刺客騒ぎなどで世の注目をあび、議席を大幅に増やした05年総選挙の再来だ。3年前、「小泉劇場」を垂れ流したという批判を浴びたメディア側は今回、どう 対応しているのか。
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 まるで人ごとのような書き方です。
 朝日新聞も、自民党の情報を「垂れ流し」自民党勝利に「貢献」しています。次の総選挙での朝日新聞の「自戒」を見極めたいものです。

 本文では、田原総一郎氏がテレビ番組で自民党総裁選と民主党代表選を取り上げたテレビの放送時間を「259番組41時間22分13秒」「48番組3時間 51分17秒」と示し「テレビも新聞も、圧倒的に自民党のPR機関になっている。」との発言を紹介しています。
 これって、その他の政党は殆んど取り上げられていなかったということでもあります。
 国民の選択を、自民か民主かと2大政党に迫ることになっています。

◆農政
 事故米の流通事件は、とことん行くとこまで行ってしまいそうな状況です。
 この事件を見ていると、この国の農政は米を作る農民とそれを口にする国民を蔑ろにしていることが明らかになっています。
 「消費者がうるさい」とは彼らが誰のために政治をしているか明らかなことです。

 事故米の発生はミニマムアクセス(MA)を「輸入義務」だと輸入し続けてきた結果です。
 そして大量の米の輸入は、国内産を圧迫してきたのです。
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 ミニマム・アクセスとは、最低輸入機会ともいわれ、高関税による事実上の輸入禁止を撤廃する事が目的で作られた。過去(1986年〜1988年)におい て輸入実績が国内消費の3%以下の品目に関しては、低関税での輸入が決められた数量まで一次関税(低い関税)で輸入を、その枠を超えたら二次関税(高い関 税)の適用を行う制度である。よく間違われるが輸入量が義務づけられている訳ではない事に注意が必要である。(ウィキペデアより)
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 田園地帯を少し走れば、耕作されていない田んぼがあちこちで目に付きます。
 春には菜の花、夏にはひまわり、秋にはコスモスを咲かせている田んぼの殆んどは、米を作るために拓かれた水田なのです。

 「毒入り危険」の米や、餅や、饅頭や、厚焼き玉子や、パンや、おかきなどが今も出回って「毒入り危険」と表示されずに流通しています。

◆差別主義者
 自民党の総裁に麻生太郎幹事長が選ばれそうですが、麻生太郎氏は元衆議院議員野中広務氏の出自に対して差別発言をしたとされています。
 このような人間が政党のトップに就くとは、その政党が美辞麗句を並べ立てようとその人権感覚が疑われます。

 この発言や経緯は、魚住昭さんの「野中広務 差別と権力」に生々 しく書かれています。
 麻生太郎氏は、この差別発言を否定しているそうですが、未だに名誉毀損で魚住さんを訴えることもしていないようです。

◆後期高齢者医療制度
 ねずみ男のような顔をしたカメレオン男・舛添厚労相は9月19日「75歳以上が対象の後期高齢者医療制度に代わる新たな制度の創設を検討する」と言った そうな。そして「年金からの天引き」もしないとも言っている。
 野党がこの制度の廃止を次の総選挙の争点の一つとしていることへの先制攻撃的な発言です。

 毎日新聞は、この発言を下記のようにねずみ男の保身術を明らかにしています。

 「舛添氏は後期高齢者医療制度を再三称賛してきたが、福田康夫首相や町村信孝官房長官に相談せず、見直しを麻生氏に進言した。舛添氏の変心は、批判の矢 面に立ちながら制度の浸透に苦心してきた与党議員や厚労省職員には「敵前逃亡」に映る。公明党の山口那津男政調会長は20日のテレビ番組で『いい制度と大 臣が勧めるから、皆大臣を支えて国民に説明してきた』と不快感を示した。」(「後期高齢者医療制度:舛添厚労相『変心』」に批判 総裁選前に『猟官運動』」08/09/21 毎日新聞)

 この男は、国民の不満を大臣の椅子に居座り続けるために利用しようとしています。
 厚生労働大臣の椅子はよほど美味しいことなのでしょう。最悪の人間であります。

◆朝日俳壇(9月22日付け)から
 いつも他者の句を見てなるほどと思うばかりです。

◇新涼や子より短く髪切りて(京都市・水船つねあき:大串章選)

◇見上げれば雲が教えてくれる秋(東京都・藤森荘吉:稲畑汀子選)

◇揃ふ音軍靴にあらずゑのころ草(彦根市・阿知波裕子:金子兜太選)

◇いまも母と夢に軍馬の草を干す(横浜市・本多豊明:金子兜太選)


◇工場のすき間さみどりねこじやらし(横浜市・小塚信江:金子兜太選)

◆住宅顕信
(すみたく・けんしん)
 先日(9月16日)にNHKBSハイビジョンで「若さとはこんな淋(さび)しい春なの か〜住宅顕信のメッセージ」と題して、住宅顕信を取り上げた番組が ありました。(我が家はアナログ地上波しか見られませんが)

 1961年岡山県生れ、1987年に25歳の若さで夭折しました。尾崎放哉に心酔した自由律の俳人です。
 いくつかの句を。

◇面会謝絶の戸を開けて冬がくる

◇泣くだけ泣いてしまった顔

◇鬼とは私のことか豆がまかれる

◇窓に映る顔が春になれない

◇人焼く煙突が見えて冬山

◇月が冷たい音落とした
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