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08/10/06 しんぶん赤旗と讀賣新聞
 ビル・トッテンさんは、自身の コラム(Our World)の中で「日ごろから部下には読売新聞と赤旗の両方に目を通すよう指示している」 と書かれています。
 赤旗と読売は、一つの事象を対照的に報じるからだそうです。
 その具体的な例として、アメリカ下院が公的資金の投入を否決したことを報じた二紙の違いを対比しています。

◇赤旗は
「ギャンブルの後始末に税金投入か。銀行でなく国民に資金援助を」と。
◇読売は
「米経済は重大な局面にある、このままでは経済の損害は甚大で長期化する」と報じているそうです。

 どちらの立場に立つかによって、物事の見え方は変わるものです。
 政党も、政治家も、金持ち、資本家、大企業の立場の立っているのか、女性や子ども、ハンディキャップを持つ人など大多数の弱者の立場に立っているのかを 見極める必要があります。

 ビル・トッテンさんのOur Worldから「
米国標準が世界を不幸に」を紹介します。
 このコラムは、しんぶん赤旗の取材を受けて記事
(08/09/18付け)となったものが 転載されています。

◆どんな政治が良いか
 「消費税はなくし、法人税は元の税率にし、税の累進性を取り戻し、金融などの規制を強めればいい
。中曽根内閣時代の前川 リポート(1986年)以来やってきたことを、元に戻すことです。」(引用)と、はっきりと書かれています。

 低所得者にとって重税となる消費税をなくし、税の累進性を戻すことにより、私たち庶民の生活を守ることになります。
 アメリカの圧力に屈した「前川リポート(国際協調のための経済構造調整研究会報告書)」は、「日本をアメリカ社会のように貧富の差の激 しい国にする、日本をアメリカの属国にするものでした。」(引 用)

◆誰が政治を変えるのか
 
(自民党は)「法人税を減らし、国の借金を増やし、お金が足りないから消費税を 10%に上げなければならないという。国をアメリカに開き、郵政を民営化し、郵便貯金をアメリカの金融機関に差し出した。その政治をなおせません。」(引 用)

 では、誰がこの悪政を大多数の国民のものにできるのでしょう。

◆グローバルスタンダード=アメリカンスタンダード
 「アメリカが、日本の企業を自由に買えるようにする。アメリカは神様で、ほかの国の人々は奴隷。日本の総理大臣は、アメリカの属国の総督です。これが、 アメリカのいうグローバルスタンダード(世界標準)です。」(引用)

 何でもかんでも、グローバルスタンダード(世界標準)にしないと、「世界」から取り残されるような錯覚をあたえアメリカのための政策を実行してきた結果 がアメリカと同じように貧富の差の拡大だったのです。

◆個室 ビデオ店放火殺人事件
 連日、放火した容疑者を極悪人のように報道していますが私にはそう思えません。

 報道から容疑者の半生を整理してみると、地元の高校を卒業後門真にある大手家電メーカーに就職、結婚し子をなし、マイホームを手にいれ、良き父として生 きてきた。そして、妻との離婚、会社のリストラで退職、職を転々としているうちに心臓病を発病し、仕事を得られず、パチンコや競馬によりサラ金からの多額 の借金を重ね生活保 護を受ける生活、しかし常習となったパチンコや競馬はやめられず、犯行日前には知人に土下座して1万円の借金をして断られるほどに困窮していた。

 そんな男が自殺を企てることは想像に難くありません。
 この男の犯罪を擁護するものではありませんが、犯罪は社会の病巣の現れであることを改めて考えさせられました。


◆90歳過ぎの監督二人
 朝日新聞の「90歳過ぎても映画撮ります 新藤監督、木村監督」(08/10/06)という記事に96歳の新藤兼人監督 と、90歳の木村威夫監督の二人の監督の新作映画が紹介されています。
 お二人とも益々お元気で意欲的な「攻めの姿勢を保ち続けて」おられます。

◇新藤兼人「
石 内尋常高等小学校 花は散れども
◇木村威夫「夢のまにまに

 どちらも見てみたい映画です。


◆朝日俳壇、歌壇(10月6日付け)から
 なるほど、こんな風に詠むのかと関心ばかりさせられています。

◇水の上ゆく秋風は水の色(金沢市・明石春潮子:稲畑汀子選)

◇秋の蚊の叩いてみれば小さかり(京都市・山崎貴子:稲畑汀子選)

◇木の実落つみな若き日のありにけり(島原市・三好立夏:金子兜太選)

◇ふるさとは台風の中汽車にのる(延岡市・佐藤芙紗子:長谷川櫂選)

◇昼見れば小さき居酒屋ほうせん花(東京都・矢野美与子:大串章選)

◇おほかたは風よむ暮らし秋耕す(船橋市・平栗瑞枝:金子兜太選)


 平栗瑞枝さんは上の句の他に、<東京へ背をむけて秋耕す:稲畑汀子選>が掲載(入選)されていました。
 よく分かる句です。同日に2句が選ばれることは珍しいことだと思います。

◇単身赴任の土日だれとも話さねば日曜の夜は埴輪と化せり(吹田市・豊英二:高野公彦選)

◇山頭火の忌日近しと思ひつつ焼酎を飲むささやかに飲む(神奈川県・中島やさか:馬場あき子選)

◇難聴は被爆の日よりと答うれば医者はカルテに運命と書く(台湾・黄得龍:佐佐木幸綱選)

 俳壇にも歌壇にも、在外邦人の方と見られる外国から投稿を時々見かけます。その中でも気になる歌は「アメリカ・郷隼人」という歌人の歌です。

 <米国の服役囚の生活も中国製品(メイドインチャイナ)なしにはあり得ず:高野公彦、佐佐木幸綱選>

 郷隼人さんはアメリカで犯罪を犯し終身刑で服役中の人だそうです。
 郷さんの歌や獄中からの手紙などを紹介する公式のサイト(窓光) があります。

 獄中の歌人といえば島秋人が思い出されます。島秋人は強盗殺人の罪で死刑囚となり1967年に刑死しています。
 彼の辞世の歌 <この澄めるこころ在るとは識らず来て 刑死の明日に迫る夜温し>

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