08/10/25 映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」
映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」を見
てきましたので紹介します。
新藤兼人さんの95歳(現在は96歳)で監督47作目の作品です。
新藤さんの自伝的物語だそうです。
大正末期、広島の郊外の村の小学校(石内尋常高等小学校)での教師・市川と教え子たち、30年後に恩師の定年退職を祝うための同窓会に集まった教え子た
ち。
◆教師と子ども
教師の市川は居眠りをする子どもを叱責した後、事情を聞くと「朝まで稲刈りを手伝っていた」と聞いて自らの非を子どもたちに詫びる教師でした。また、晩
飯は麦飯だったと聞いて「百姓は米を作って麦を食っているのか!」と嘆くのでした。
子どもとその家族と同化した教師でした。
◆戦争とピカ
同窓会に集まった旧友たちが自己紹介をします。
戦争に行った夫は戦死し遺骨も戻らなかった女性、戦死した夫に代わって弟と再婚したが二番目の夫も戦死し「私に何の咎が?」と問う女性、ピカ(原爆)に
被爆し今も後遺症に悩む元兵士、、
みんなが戦争の痛みを強いられた時代だったのですね。新藤作品らしいシーンでした。
◆
多彩なキャスト
主演の柄本明(教師・市川)さん、豊川悦司(教え子:良人、新藤さんのモデル)さん、、
六平直政(教え子:三吉)さん、川上麻衣子(市川の妻)さん、大
竹しのぶ(教え子:みどり)さんの他に脇を固めるキャストも豪華でした。
大杉漣さん、原田大二郎さん、渡辺督子さん、角替和枝さん、りりィさん、根岸季衣さん、吉村実子さん、大森南朋さん、麿赤児さん、田口トモロヲさん、松
重豊さん、小林きな子、、、、
◆
大竹しのぶ
教え子のみどり役の大竹さんは、子どものころから良人に恋心を持っていたが恋は叶わず、地元の料亭の女将に収まっています。良人との再会、再々会と、歳
の重ね方のうまい役者だと思います。
◆
校歌
劇中、同窓会、恩師を見舞い等々に母校の校歌が何度も歌われます。
♪高い山から一しずく
水は砕けて川となる
学びの庭を通り抜け
田畑をうるおして
海へとそそぐ
ああ石内健児
石内小学校
私は、小学校も、中学校も、高校もその校歌を覚えていません。みんな歌えるのでしょうか?
ちなみにこの歌詞は新藤兼人さんの作詞だそうです。
◆新藤さんの半生
同窓会の場面で良人が自己紹介をしますが戦中のことはさらりと流されています。
新藤さん脚本の映画「陸に上がった軍艦」
は戦中の新藤さんの自伝映画です。
◆モダンな自転車
良人がみどりを乗せて走っていた赤い色の自転車はトップバーが下のほうについていて、女性も乗りやすいモダンなデザインの自転車でした。(Webサイト
のオープニングで見ることができます)
良人は他の場面では大人の自転車のフレームの三角の部分に片足を入れてこぐ三角乗りをしていました。
|
|