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08/11/03 資源のリユース
 1946(昭和 21)年の今日(11月3日)は日本国憲法が公布された日です。
 3日付けの各紙の社説はほとんどが憲法公布の日を無視したようです。
 正面から取り上げているのは皮肉なことに産経新聞でした。「【主張】憲法公布62年 首相主導で国家像論じよ」と勇ましく論じています。

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 麻生太郎首相は憲法改正が持論であり、9月末には集団的自衛権行使容認に向けた憲法解釈の見直しに意欲を示した。首相主導による局面の転換を期待した い。
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◆懸賞論文は出来レース?
 航空幕僚長を更迭された田母神氏は、名古屋高裁での航空自衛隊のイラク空輸活動が違憲だとする判決(08年4月)に「そんなの関係ねえ」と発言し、お粗 末な遵法精神をさらした人でした。

 田母神航空幕僚長(当時)の
日本は侵略国家であったのか」という懸賞「論文」を読んでみましたが、論旨は使い古されたもので何の目新しさ もありません。

 この懸賞論文の主催者は、耐震偽装の疑惑を払拭できないアパグループです。
 アパグループと、田母神氏を幕僚長に任命(07年3月)した安倍晋三氏とは浅からぬ関係のようです。
 受 賞者発表のページには「航空幕僚長」との肩書きが書かれています。初めからこの種の論文をこの種の人間の名前で公にすることに意味があったようで す。
 その意味がうかがい知れませんが。

◆ 資源のリユース
 ビル・トッテンさんのコラムOurWorldに「これからは再利用の時代」(08/10/24)と題するものがあります。
 氏は、世の中が石油エネルギーに頼っている限り石油の生 産量は近い将来にピークを迎えることになり、原油価格は長期的には今以上の水準になるとし、浪費を戒め今あるものを再利用することが必要だと説かれていま す。

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 金融恐慌だけでなく、きたるエネルギー危機に日本人がす べきことは、昭和時代には当たり前だった、自分でものを直して使う日常生活に戻ることである。その ために必要なのが拝金主義、消費社会との惜別である。はるか昔から、人はものを作り、直して使ってきた。新しいエネルギーや技術利用がそれまでに提供され ればいうことはないが、安くて豊富なエネルギーに支えられた工業主義社会の終焉に際して、スキルを持ち、再利用をする習慣を身につけておくことは価値があ ると思うのだ。
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 私の住む集合住宅には敷地面積の半分ほどの立体駐車場があります。
 平日はほとんどの車が、休日でも半分以上の車が駐車されています。

 自転車には、月に2000円程度で駅の駐輪場とレンタサイクルが組み合わせたサービスがあります。

 ※JR西日本では「駅リンくん」というサービスがあります。http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1173493_799.html


 自動車でもそんなことができないのでしょうか?
 ダイハツ工業は本社工場のある大阪府池田市の市民に軽自動車を貸し出しています。

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 池田市エンゼル条例に協賛し、池田市在住で「4人目」以上の子どもを出産したご家庭へ、軽自動車「ムーヴ」を1台、3年間無償でレンタルしています。子 育てに忙しいご家庭に大変喜ばれています。
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 公共交通機関の整備とともに、自動車を共有の資源として使うことは、社会のエネルギーや環境にとって大きなメリットはあるように思いま す。
 自動車をどうしても所有したい人には高い税金を払ってもらえればよいでしょう。
 自動車産業から献金を受け取っている現政権には期待できませんが。

◆ 朝日俳壇、歌壇
 気になった俳句、短歌のいくつかを紹介します。

◇封切るは天下の銘酒十三夜(伊万里市・萩原豊彦:稲畑汀子選)
 新酒の季節の十三夜、少し冷やした日本酒のスクリューキャップをグィッと捻じ切ってトクトクと切子の酒器などでいただくのは何ともいえません。
 牧水の「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒は静かに飲むべかりけり」を思い出します。

◇後の月長寿を嘆く愚か者(川崎市・渡辺蝶遊:金子兜太選)
 母は90歳を過ぎて健在に暮らしています。もし、病を得て寝たきりなどになってしまえば「生きる」「生きている」ということの意味も違ってくるように思 います。
 人事ではなく、私のことでもありますが。

◇零余子飯母八人の子を生(な)せり
(千葉市・篠崎義昭:金子兜太選)
 零余子(むかご)や零 余子飯は、母に通じるもののようです。裏の垣根で摘んだ零余子を母に煮てもらった記憶があります。
 私の駄句は「母想う少しえぐみのむかご飯」でした。

◇古米にも新米の日のありしかな(東京都・土屋雅子:長谷 川櫂選)
 古米も一年前は新米、ベテランもはじめはビギナーです。
 もう少し、深く読まねばならないのでしょうが。

◇廃村や柿のすべてが木守柿(新座市・渡辺真智子:大串章選)
 廃村だけでなく、地方の農村の多くは木の芽も、木の実も食べられずに残されたまま。
 地方の過疎と、地域間の格差は大きく広がっています。

◇時事短歌
 短歌は時事問題を読みやすいのでしょうか?今週の朝日歌壇の入選歌28首(重複を除く)中、下記の9首が時事ネタでした。

 ノーベル賞受賞者関連:3首
 ル・クレジオ氏ノーベル文学賞受賞関連:1首
 緒形拳さん追悼関連:2首
 ポール・ニューマン追悼関連:1首

 アメリカ原潜横須賀配備関連:2首

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