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08/11/05 田母神論文事件
◆定年退職?
 先の戦争は侵略戦争ではない、侵略国家だとすることはぬれぎぬだなどとの論文を発表し航空幕僚長を更迭された田母神氏は自衛隊を辞めたそうですが、懲戒 免職でもなく、依願退職でもなく、定年退職だったそうです。

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 「自衛官の定年は原則60歳で、空幕長は62歳まで定年延長の扱い。田母神氏は10月31日付で空幕長職を解かれたため定年に達した。同省は事情聴取な どを理由にひとまず11月末まで勤務延長の形をとったが、3日までに空幕人事当局が本人の意向を確認して勤務延長を打ち切った。
-------------------「田母神前空幕長、定年退職扱いに」(日経新聞 08/11/03)

 ということで、「定年退職扱い」だそうです。
 田母神氏は1948(昭和23)年7月生まれだそうですから、満年齢は60歳と3ヶ月あまりでしょう。
 およそ6000万円の退職金は支払われるとのこと。支払われることにも、金額にも驚きです。

◆謀略?
 賞金300万円といわれる「論文」は
こちらで読めます。

 目新しくもない右翼反動の論旨を羅列しただけのものです。本人も記者会見で、
「これまで読んできたものを参考に、自分な りの意見をまとめた。現職なので、歴史そのものを深く分析する時間はなかった」と粗雑さを認めているようです。

 マガジン9条
週間つぶやき日 記」には、自身の著書「盧溝橋事件の研究」(東大出版会)が引用元とされた歴史学者の秦郁彦氏が「事実誤認があると指摘しているのになぜ「最優秀 賞」に選ばれたのかと疑問を呈しています。

 私も同感です。
 何か別の狙い「謀略」があったのではないかと思います。

 前記の記事では「自衛隊の現職幹部がこのような歴史観を持っていることを国民に知らしめることが狙いの論文」ではなかったか、「自衛隊の国軍への昇格を 望む」人たちの願いがあったのではと推論しています。

 また、この懸賞論文には少なくとも50名を超える自衛隊員が応募していた ことが防衛省の調査でわかったそうです。
 応募総数230件中の50件が同一組織からの応募とは「異常」ではないでしょうか。
 「自衛官50人以上が投稿か 前空幕長受賞の懸賞論文」(朝日新聞 08/11/05)

◆アパグループと自衛隊の関係?
 アパグループの会長・元谷外志雄氏は安倍晋三元首相の後援会「安晋会」の副会長であり有力な後援者です。安部晋三とも思想的に近い関係の人のようです。

 元谷氏の「
報道されない近現代史」(産経新聞出版)の出版記念パーティーには田母神氏も出席し「戦 後、自分の国を守る言論は抑制されたが、反日的、日本の悪口をいう言論は自由だった。安全保障の根幹の問題が解消されない限り、この国を立派に守っていく 態勢はできない」と話していたそうです。
 この席には、臼井日出男・元防衛庁長官も 出席し挨拶をしていたそうです。
 「田 母神「侵略否定」論文の背景 自衛隊とアパグループの密接な関係」(J-CASTニュース 08/11/04)

 耐震偽装事件でも、アパグループと政権党の疑惑が囁かれていましたが、今回の事件では自衛隊との間にも不透明な関係があるのではないかと勘ぐってしまい ます。

 この事件では、色々な疑問があります。
 民主、共産、社民、国民新の野党4党は田母神氏の国会への参考人招致を求めるそうです。
 ぜひ、疑惑を明らかにして欲しいものです。

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