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08/11/23 プロ野球選手は「労働者」

◆真相は闇の中
 
 相次いで、元厚生事務次官宅が襲われ死傷した事件は自分の犯行だという男が警視庁に出 頭しました。
 犯行の動機は、子どものころにペットを保険所に殺されたことだと供述しているそうです。信じがたい動機です。
 この男は凶器と思われる刃物を持って所轄署ではない警視庁に出頭するというやり方は、やくざの子分が幹部の身代わりに出頭したような雰囲気です。
 未だ未だ真相は藪の中のようです。

◆プロ野球選手は「労働者」
 来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への出場を打診されたドラゴンズの選手5人が出場を辞退したことから、球団ぐるみの ボイコットだとドラゴンズ球団と落合監督がバッシングされています。

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 日の丸を背負うにあたり、原監督は「誇りとあこがれ」をキーワードに掲げた。「世界中に散らばる野球人が、日本野球のために強い気持ちを持って集まって ほしい」と参加を呼びかけていた。しかし、中日だけが「反旗」を翻した。与田投手コーチは「野球界がまとまっていない事実がオモテに出た。選ばれた選手に は周りを納得させる断り方もあるでしょう。選手には説明を果たす義務がある」と憤りを隠さなかった。
----------------------(ス ポーツ報知 08/11/22

 「日の丸を背負う」などという感覚は時代錯誤ではないでしょうか?先のオリンピックでも「日の丸」が大活躍でした。スポーツナショナリズムには危険な匂 いがします。

 また、大の大人のプロ野球選手が「誇りと あこがれ」だけでプレイをしているとは思えません。
 プロ野球協約などに、WBCに選手を強制 的に参加させる根拠がないから「誇りとあこがれ」と叫んでいるようです。

 バッシングに対して落合監督が下記のように話しています。

 プロ野球選手も労働者であり、契約内容以外の試合への参加/不参加の意思は尊重されるべきで、落合監督に理がありそうです。

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 公式戦以外のイベントへの参加の強制権はない。プロ野球選手は球団の社員ではなく、個人事業主。故障をした時の保障もないし、自分のことを考えるのは1 番の権利。全部NPBがフォローしてくれるならいいけど理想論を掲げられて1番困るのは選手だ。
----------------------(日 刊スポーツ 08/11/23

 プロ野球選手会 はこの問題にコメントを出していないようです。
 サッカーは日本代表として国際試合への参加が義務付けられているのでしょうか?

◆死ねば神様?
 先般、筑紫哲也さんが亡くなられました。
 テレビ文化人として特別毛嫌いするほどでもなく、特に信頼を寄せるほどの人でもありませんでした。

 しかし、世の中はそうではないようでマガジ ン9条では「週間つぶやき日記」でも思い出が語られ、テレビではいくつかの特別番組が放送されるほどの騒ぎ?でした。
 テレビの報道を信頼していませんし、テレ ビに顔を出してコメントするような文化人を信用していない私の素直な感想は「筑紫さんって、そんなに偉い人 だったの?」でした。

 そんなことを考えていると、自衛隊のイラク派兵に講義のハンストを続けているガンジーの会の11月23日付けのメー ルマガジンに文芸評論家の末延芳晴さんが「筑紫 さんを神様にするな」という記事を書いておられました。

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 筑紫哲也さんが亡くなられてから、メディア、特にテレビ・メディアで、何か同氏をジャーナリストの神様か何かのように、称え、祭り上げようとするムード があって、嫌ですね。
 <中略>
 ただ、あんまり褒めすぎると、筑紫さんってそんなに偉いのと、つい半畳を入れたくなります。「多事争論」も、いっていることは正しいのだけど、どこか上 からの目線でお説教を聞かされているようで、僕は好きになれなかった。
 ジャーナリストというのは、基本的に社会 や人の悪や不幸をネタに仕事をしている人たちなわけ、そういう人があんまり有名になりすぎたり、偉くなりすぎちゃうと、ちょっと違うんじゃないのという気 がしてしまうのだ。
 <中略>
 ジャーナリストがジャーナリストの分を忘 れてしまって、舞い上がっている。そこに日本のジャーナリズムの腐敗の根本原因があるのでないでしょうか。
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 そのとおりですね。
 ジャーナリストを自称、他称されるなら、政治家と同様に社会の弱者の目線に立たねばなりません。
 庶民の数倍の収入を得ている人たちに弱者の目線は無理なのでしょう。
 庶民の不幸は彼らの生活の糧でもあるのですから。
 
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