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08/12/01 朝日俳壇、歌壇より
◆悪政が庶民を鍛える
テレビ朝日系で、高知白バイ事件を取り上 げた番組(
なぜ私が収監されるのか〜高知白バイ事 故の真相〜
)がありました。
番組を見て憤りを禁じられませんでした。
高知県で起こったスクールバスと白バイの交通事故で、高知県警は証拠の捏造と嘘の証拠を並べたて、無実の片岡晴彦さんを収監しました。番組は冤罪被害者 の家族たちの生活を追ったドキュメントです。
裁判所も警察と一体となって、罪なき人を陥れていきます。
悪政が善良な庶民を闘士へと鍛えていきます。
今日(12月1日)の朝日新聞の朝日俳壇、朝日歌壇から 気になった句や歌を紹介します。
◆朝日俳壇
◇秋冷や母をあづけて帰る道(茨木市・河原杏子:稲畑汀子選)
90歳になる母は自分のことは自分でできる程度に健康で、兄夫婦とともに生活しています。
月に一度は母の顔を見るために帰省しています。1、2時間、嫂から母の健康状況を聞いたり母と四方山話をしたりして帰るのですが、帰り道はこの句と同じ 心境になります。
◇蹲踞の隣が似合ふ石蕗の花(神戸市・玉手のり子:稲畑汀子選)
石蕗の花(つわのはな)は、日本庭園の角が似合います。水が張られ落ち葉の一枚でも浮かんでいる蹲踞(つくばい)があればなお風情のあるものです。
◇紅の十一月となりにけり(さぬき市・ 野ア憲子:長谷川櫂 選)
句の意味が十分理解できないのですが気になる句です。「紅」は楓の紅葉でしょうか?
選者は下記のように評されています。
「『紅の十一月』がいい。凩でも枯野でもいい。もちろん、冬の紅葉を思い浮かべてもいい。」
「十一月になり」ですから「秋」の句だと思いますが。
◇大根洗ふピアスに夕陽踊りけり(船橋市・野崎真澄:大串章選)
自家用の大根ではなく出荷するための大根を洗っている風景、大きな桶に水を張り藁を束ねてごしごしと大根を洗っているのでしょうか。今では機械で洗って いるようですが。
ピアスをしている女は、嫁して日のない嫁でしょうか?外国からの出稼ぎ者でしょうか?
◆朝日歌壇
◇「また飲むの」たびたび言いし妻逝きてそれより後の酒は苦かり(いわき市・鈴木一功:永田和宏選)
「また飲むの」或いは「まだ飲むの」とは妻の常套句ですね。妻亡き後は侘しさが募ります。
母は「あまり酒を飲むな」と言いながら燗をつけてくれていました。
◇ふるさとは「限界」なれば行くたびに村はさびしく人らはやさし(山形市・黒沼智:馬場あき子選)
「限界集落」とは珍なる命名だと思います。人間が住むには「限界」だということでしょう。「死に体」集落ですね。
田舎だけでなく、都市近郊にも「限界団地」や「限界商店街」が見かけられます。
◇声高に経済の危機評論す職無き者の痛みを知らず(鈴岡氏・安藤勝志:佐佐木幸綱選)
今日の俳壇、歌壇で一番気になった歌です。
馬鹿なマスコミ芸人は、テレビで「経済危機だから××して節約しましょう」「××して運用しましょう」などと能天気なことを言っています。
今日の3千円、明日の1万円を思案する人たちとは住む世界が違うようです。怒りを感じます。
◇じゃあまたと明日にでもすぐ逢えそうに君と別れて地下道歩く(宮崎県・稲田博美:佐佐木幸綱選)
時実新子さんの句に「明日会える人の如くに別れたし
」を思い出しました。
次の逢瀬の契りはなくても、別れるときには「明日逢える」ように別れたいものです。
◆追悼歌
今週は筑紫哲也さんの追悼歌が3首入選していました。
人の死を追悼するには俳句より、短歌のほうが馴染むようです。
ただ、筑紫哲也さんはジャーナリストとして「そんなに偉かったの?」との思いもあります。
※先日アップした記事(
残日録 08/11/23
)です。
◇石蕗の匂える真昼「この『くに』のゆくえ」案じて筑紫哲也逝く(鳥取県・中村麗子:高野公彦選)
◇早々とナンキンハゼが道に舞う丹波山里筑紫哲也逝く(亀岡市・俣野右内:永田和宏選)
◇癌憎し筑紫哲也の直言をふわりと包む毛糸の帽子(東京都・夏目たかし:永田和宏選)
インターネットの報道から気になるいくつかを。
◆舞鶴女子高校生殺害事件
容疑者でもない男性の自宅の家宅捜索は28日、29日、30日と3日間にもわたり延べ25時間にもなっています。12月1日にも引き続き捜索をするそう です。
大邸宅でもない公営住宅のどこをどのように捜索しているのでしょう。
「都合よく」物的証拠が発見できるまで捜索するのでしょうか?
◆元厚生事務次官宅襲撃事件
「元厚生事務次官夫婦らを殺害した」と出頭した男の拘留理由は、未だに銃刀法違反容疑で、起訴もされていないようです。
22日に出頭、23日に逮捕に逮捕となっているのでしょう。12月3日には拘留期限が切れてしまいます。また、別件で再逮捕を繰り返すなどするのでしょ うか?
◆地方選挙
中央では対決、地方では共闘という「ねじれ」現象が相変わらず続いています。
30日投開票の鹿児島市長選挙では、現職を自民、民主、公明、社民の相乗りで推薦、共産党公認候補を破り3選しています。
◇98,470票(当選):無所属現(自民、民主、公明、社民推薦)
◇22,118票(落選):共産新
投票率は過去最低の25.47%だったそうです。 有権者の選択肢を奪えば投票率が下がるのは当たり前のことです。
地方自治体の首長選挙こ そ、理想的な共闘が組めないのでしょうか?
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