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08/12/05 闘う労働組合と闘わない労働組合
 前回の続きのような書き込みです。

 経営者がモノを捨てるように労働者の首を斬るのは、労働者派遣法という企業にとって都合のよい仕組み(制度)が作られているからですが、それを運用する 人たちにも問題があるように思います。

◆経営者
 経営に行き詰れば、利益が少なくなれば、手に負えない労働者がいれば、首を斬って短期の帳尻を合わすようなことが経営でしょうか?
 カルロス・ゴーン氏の行った日産の「再建」は、2万人以上の労働者の首を斬り、多くの工場を閉鎖し、下請けのを泣かせることでした。

◆労働組合
 労働者の首が簡単に斬られることに労働組合の責任は大きいと思います。
 1980年代には、国鉄の分割民営化に象徴されるような国策としての労働組合潰し(弱体化)が進み、量的には労働組合の組織率は18.2%しかなく、質 的には大企業の多くの労働組合が物言わぬ或いは積極的に首斬りを推進する御用組合と成り下がっています。


労働者数
労働組合員
推定組織率
2001
5,413万人
11,212千人
20.7%
2002
5,348万人
10,801千人
20.2%
2003
5,373万人
10,531千人
19.6%
2004
5,371万人
10,309千人
19.2%
2005
5,416万人
10,138千人
18.7%
2006
5,517万人
10,041千人
18.2%
※「平成18年労働組合基礎調査 結果の概況」 より

 組織されている労働者は大部分が大企業の企業内労働組合員で、非正規雇用の労働者は殆ど労働組合に組織されていないものと思われます。
 因みに従業員100人未満の中小企業での郎等組合組織率は3%未満といわれています。

 解雇通告を受けた非正規雇用の労働者の労働組合が企業側と交渉している姿がたまに報道されますが、多くの場合は既存の合同労組(一般労組)に労働者が加 盟して闘っているのです。
 日本IBMの退職勧奨に対して闘っているのは、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)日本アイビーエム支部の組合員で、日本IBMには他にも多くの組 合員を抱えた(闘わない)労働組合があると思います。

 首斬りなどの不当労働行為を受けた労働者が駆け込む合同労組の中には、円滑な解決のためと会社側と通じ結果的には労働者を裏切る示談屋のようなものもあ ります。要注意です。

 闘わない労働組合が支持する政党が、労働者派遣法の改悪に手を貸したのです。
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